これまでの調査によれば、私たちがおいしい水といっている水は、クラスターがむしろ大きいという結果が出ているのです。

それでは、健康にいい水はどうでしょうか?身近にある10種類の水をボトルに入れ、直径2mmほどの細いガラス管に注入し、NMRで水分子のクラスター値を測定してみました。

用意したのは、まず文京区の水道水。これは朝霞浄水場から送られてくるものです。次にこの水道水の湯冷まし、さらに水道水を強くシェイクした水を用意しました。

この水道水のコントロールとして、江東区の水道水を採取してきました。これは金町浄水場から送られてくるものです。

もうひとつのコントロールとして、文京区の水道水を実験室で蒸留した水も用音心しました。健康に悪い水の代表として、大学の前を流れる神田川の水と上野の不忍池の水を採取してきました。不忍池の水は黄緑色で微生物の浮遊物が多く、カビ臭がしました。神田川の水は、思ったよりきれいでしたが、やはり生臭くカビ臭がしました。

健康にいい水として、釜石鉱山の地底から湧く「仙人秘水」と、フランス製のミネラルウォーター「コントレックス」を選びました。いずれも加熱処理していない、ナチュラルミネラルウォータです。もう1つ伊豆の天城山腹の湧水も用意しました。これは私が伊豆の山奥に建てた掘立小屋の近くにある泉の水です。

このようにして集めた10種類の水分子クラスターをNMRで調べました。その結果は文京区の水道水を強くシェイクするとクラスターが少し小さくなることがあきらかになりました。

そして、水道水を一度沸かしたり、蒸留したりすると、クラスターが非常に小さくなることも
わかりました。どちらもクラスター値がもとの値の半分以下になりました。

それでは、非常に汚れていて、私たちが飲めば病気になると思われる神田川の水と不忍池の水
のクラスター値はどうなっていたでしょうか。

神田川の水のクラスター値は144Hzと文京区の水道水よりむしろ大きく、江東区の水道水144とほぼ同じ値であるという、驚く、べき結果がでたのです。

かし、最も意外だったのは、不忍池の水で、61Hzと非常にクラスター値の小さな水だったのです。水のなかに高濃度の有機物が存在すると、水分子のクラスターは小さく分断されてしまうのでしょうか。

クラスターが小さいからといって、必ずしも健康な水ではないらしい、というのが真実です。では、おいしくて健康にいいとされるミネラルウォーターのクラスターはどうでしょうか。「仙人秘水」のクラスター値は135Hz、「コントレックス」は138Hz、伊豆天城山の湧水は145Hzで、すべてクラスターの大きな水でした。

水分子のクラスターが小さいほど、おいしくて、健康にいい水だ」というのは次のような実験を根拠にしています。

水のおいしさは、水に含まれるミネラルにも関係するとされてますが、浄水器を通すと、ミネラル量は変化しないにもかかわらず味がよくなることがあります。これは水が浄水器を通ることによって起こった、水分子の断裂に関係しています。

最近は高機能で手軽に浄水できるピッチャータイプの浄水器もたくさんあります。

また、カルシウムなどの金属イオンが含まれていると、水の味がよくなるのは、水中の金属イオンが水分子同士の水素結合を切断し、その水分子が金属イオンの周りを取り囲んで、小さな水分子集団を作るからです。

小さな分子集団の水がおいしいのは、この集団が舌の味蕾にすっぼりはまるから、考えられます。また、クラスターの小さな水は代謝スピードを速めるので、これで作ったウィスキーの水割りは悪酔いしないとも言われています。

そこで、水を浄水器に通すと、水のクラスターがどのように変化するかを調べることにしました。文京区の水道水をいろいろな浄水器に通して、そのクラスター値を測定しました。

20度の水のクラスター値は、140Hzでした。最初に活性炭だけを使った最もシンプルな浄水器に通したところ、水分子は小さくなり、60Hzになりました。

次に普通のフィルターと活性炭の組み合せの浄水器に通したところ、55Hzになりました。ところが、中空糸膜と活性炭でできた高性能の浄水器に通すと、103Hzであまり小さくなっていませんでした。電気分解で浄水する最新の浄水器に通すと、94Hzとなって、やはり水分子のクラスターはあまり小さくなっていないことがわかりました。

これらの結果を考えあわせると、水分子のクラスターは、単純に小さければ小さいほどいいとはいいきれないことになるのです。むしろ、水のおいしさは、クラスターの小ささとは無関係のように思われました。

確かに水分子のクラスターの大きさは、水の性質の何かを表わしていることは間違いないと思われるのです。クラスターを単独で水分析の指標として使うのは、現段階では困難です。

世界的に見ても日本の水は昔からおいしいとされてきました。しかし、水に限らず、おいしさというのは極めて難しい問題です。なぜなら、味覚は、人によって違う感覚だからです。また、水そのものの昧か、水に溶解した物質による昧か、その味を決める要因もきわめて複雑ではあります。

しかし、はっきりしているのは冷たい水がおいしいということです。水のおいしさは水温でほとんど決まってしまうといってもいいかもしれません。

もちろん、水のおいしさは水温のほかに、ミネラル含有の具合にも左右されるのですが、その話は、後に譲るとして、ここでは、水温と水のおいしさの関係についてです。

水が一番おいしく感じられる水温は二二度前後だといわれています。もし温めるなら、70度前後がおいしく感じられ、35~45度ではまずく感じられるのです。つまり日本酒と違って、人肌はおいしくないのです。

一般に、おいしい水とは「水分子の小さい水」だといわれています。疫学的に水を調査し、おいしい水や健康にいい水がNMRで調べた「小さな水」に一致しているのです。

また、水分子のクラスターをNMRで最初に測定した方も同様の結果でした。

しかし、おいしい水は本当に「クラスターの小さい水」なのでしょうか。水温を変えると、水分子のクラスターがどのように変化するかも調査されています。

ぉいしい水を考える場合、全く味のない水がコントロール(対照)として必要です。理論純水に限りなく近い超純水をコントロールの水として選択されています。口に含むと、確かに無味で、何となく軽い感じがします。

20度の超純水のクラスター値は60Hzでした。水温を下げると、低下に伴ってクラスター値が大きくなります。つまり、20度でクラスター値60Hzだったものが、10度にすると78Hzになり、5度にすると、さらに大きく86Hzになったのです。逆に、温度を30度に上げると50Hz、40度で40Hz、70度で25Hzと、クラスター値は小さくなりました。

大学の研究室に供給されている水道水のクラスター値を測定しました。その結果はやはり超純水と同様で、水温度を上げると、逆にクラスター値は小さくなりました。水温から考えると、「クラスターの大きい水がおいしい水」ということになったのです。の温度を下げるとクラスター値が異常に大きくなることがわかったのです。

おいしい水、まずい水 | 今さら聞けないミネラルウォーターの知識

固体である水ばかりでなく、液体である水もいろいろ変わった性質をもった物質であることが
わかってきました。

融点や沸点に関しても、水は非常に異常な行動を取ります。化学の分野では周期表の同族化合物間では大体似たような性質を示すのですが、水は例外で、水の融点は同系列のほかの物質と比べて極端に高いのです。元素の周期表で酸素と同じ16族元素の水素化物の融点をみると、水を除く三種の水素化物の値は分子量が大きくなるにつれて高くなりますが、最も分子量の大きいテランでも常温では気体なので、水だけが飛び抜けて大きい値を示していることがわかります。

水の分子量18という低から予想される融点は、約-100度ですが、実際の水の融点は、0度です。沸点の場合も同様で、分子量から予想される水の沸点は、約-80度ですが、実際は100度です。

すなわち、水は18という分子量より、はるかに大きな分子量の化合物が示す融点や沸点をもっていることがわかります。これは、水が分子量18の物質ではなく、それらが互いに固まって集合体を形成しているのだと考えれば、説明がつくのです。

水分子の「かたまり」( クラスター の大きさをNMR(核磁気共鳴) 装置で明らかにすることができるようになりました。

磁石を水に近づけた経験をもつ人はあまりいないと思います。水は全く磁性をもたない物質ですから、磁石を近づけても、当然吸い寄せられないし、反発もしません。

しかし、これは水の分子レベルの話であって、水の原子核のレベルでは外部の磁気を感じとり、微妙な反応を見せるのです。水の水素の原子核は、まるで地球のように自転しながら、それ自体が小さな磁石になっているということです。これに外から磁場がかかると、磁場の方向を軸にして、この小さな磁石がコマのような、みそすり運動を始めるのです。

このみそすり運動をしている水素の原子核に電磁波を当てると、みそすり運動の速さに見合う周披数で電磁波の吸収が起きます。これを共鳴といい、この現象を核磁気共鳴、NMRというのです。

水は分子1個では存在できず、水素結合を行なって最低5分子以上がつながっている。そして、
その状態は固定しておらず、大集団を作ったり壊れたりを繰り返しています。

NMR装置は、このような水分子運動の速さをとらえ、これを周波数のヘルツで表わすことのできる装置です。

数値は小さいほど、分子運動が速いということです。分子運動が速いということは、小さな分子の集団が多く、活発に運動しているということです。

みそすり運動をしている水分子の水素の原子核の分布を核磁気共鳴によって類推できれば、水
分子のクラスターの大きさがわかることになります。

体にいい水の条件 | クラスターが小さい水 | 今さら聞けないミネラルウォーターの知識

https://mineralwater-guide.net/contents/archives/81

雪を厄介物扱いせずに新しい資源としてとらえ、積極的に活用する動きがでてきています。そのなかで注目されているのが、雪どけ水です。

すでに雪どけ水は温度差発電などの冷熱源や冷房源として利用されていますが、ここで改めて雪どけ水のもつ生物活性化作用とH2Oの構造の関連について考えてみましょう。

氷の結晶の特徴は、すべてのH2O分子がほかの四個のH2O分子に正四面体的に囲まれているという点です。すなわち、水を構成するH2Oの配位数は四個ということです。

ところで、H2Oと同じ大きさの球を最も密に充填すると、12個のH2O分子を配列できるのです。しかし、その充填は73%にしかならないので、氷の結晶はきわめて隙間の多い構造です。

一方、水のH2O分子の配位数は4.4個です。氷がとけて水になると、密度は増加しますが、久保田博士によると、最も近い分子間の距離は水が0.276ミリなのに対して、水は0.92ミリと逆に伸びるというのです。

また先述したように韓国の全教授によれば、水には5個の水分子が水素結合した五員環構造と、六個の水分子の結合した六員環構造があって、それが混在しており温度が低くなると、生物活性が強い六員環構造の水が多くなるのです。

雪や水のとけた水が生物活性をもつようになる理由については、もちろんこれだけの説明では十分ではないと思います。

雪どけ水が生物活性の強い六員環構造の水を多く含んでいるということのほかに、もう一つ考えられる可能性は、氷が水に変わるときには、H2O分子の配列が変化したり、分子間の距離の変化が起こるため、その間に放出されるエネルギーが生物を活性化させているのではないかということです。

さらに、隙間が極めて多いという氷の構造そのものが生物活性を発揮する重要なポイントだと主張する学者もいます。

ビタミンCを発見したハンガリーのノーベル賞医学者A ・S ・ジェルジ博士は、「結晶化した水が生命の母体である」と述べているのです。

雪や氷などがとけた水のなかには氷の構造が残っており、その柔らかい氷の格子空間に生体分子を包みこみ、潜在的な牛命機能を保ったまま、舛体分イを理想的に配置するのであろう、と博士は説明しているのです。

また、からだの老化とは、からだのなかにある水が水の構造を失った結果だと見ることもできると。それは、体内の細胞間にある水の分子配列が氷とは異なった水に変化し、その水の作用によって生体分子が破壊されるからだというのです。

さて、氷のほかに私たちの生活の中で欠かせないのが雪があります。雪と氷はともに、固体のH2Oであると同時に、結晶状態でのH2Oであり、本質的には差がないはずです。

しかし、見た目にも大きな違いがあるのはなぜでしょうか?ある博士は「雪は天から送られた手紙である」と述べています。

確かに天から降りてくる雪には、いろいろな形があり、それを見ているとロマンチックな気分になります。しかし、いろいろな形態の雪の結晶ができるのはなぜなのか。そもそも雪とは一体何なのでしょうか。

水は太陽エネルギーによって地上と大気との間を循環しています。地上から蒸発した水蒸気は上空で冷却され、雪や雨になって地上に落下します。雪の状態で落下する場合、落下途中の条件によって各種の形状が生まれます。

改めて、雪と氷はH2Oの固体の結晶状態であり、本質的な差はないのです。両者の生成機構が異なるだけです。すなわち、気体の水蒸気が昇華凝結した昇華氷が雪であり、液体の水が凍結した凍結氷が氷です。

雪の結晶形は温度と湿度との影響を受け、代表的な樹枝状六花形雪結晶は-14~18°の範囲内で、かつ湿度の高い条件で生成されます。

これより温度が高くても低くても、角柱状結晶になってしまうのです。

しかし、実際に降ってくる雪は、雪が生まれた上空の条件や地上に着くまでの途中の条件によって、蒸発してしまったり、とけたりしながら、一度できた結晶がくずれ、さらにいくつもからみ合って、いろいろな形になります。

牡丹雪は、そのような状況で生まれた雪で、この場合は結晶形が見分けにくいのです。

地上に降った新雪は外気にさらされ、時間とともに結晶が変態し、2~3日から1週間くらいで氷の粒子に変わります。互いに結合し密度を増して、いわゆる、しまり雪、さらに、ざらめ雪へと変化していくのです。

11種類の氷のうち常圧下に存在するのは、氷Ih 、水Ic 、およびガラス質氷の3種類です。

氷Ic はマイナス100度以下に冷却した金属面に、水蒸気昇華凝結させると生じます。また、ガラス質氷はマイナス160度以下の低温で水蒸気を急速に
凝結させると生成するといわれています。

これらの水は無定型の氷なので、詳しいことはわかっていません。また、いずれも特殊な条件下で生成されるので、私たちの実生活には無関係です。

私たちが日常生活で接している唯一の氷は氷Ih で、常圧下の40度以下で生じます。X線で水の構造を調べると、きれいな格子に見えるのですが、酸素が5個規則正しく並んでいて、4個のH2Oを形成して正四面体構造をしているのです。と同時に、六方晶構造を形成しているのが氷の姿なのです。

氷Ih 、氷IcのⅠはローマ数字のIであり、hは六方晶を、cは立方晶をそれぞれ意味しています。

氷は液体から固体の水に変わるとき、体積が増加する極めて特殊な物質ですが、これは氷のなかでも氷Iだけの性質で、すべての氷にあてはまるものではありません。

現在、最も高圧下でできると思われている水は水Ⅱと水Ⅲだといわれています。これまで氷に最も高い圧力をかけた実験は、1963年の南アフリカのピストリウス博士らが行なった20万気圧ですが、水Ⅶより密度の高い水をつくることはできませんでした。

た、アメリカの南極観測隊が南極氷床の底までボーリングして測定したことが知られていますが、その深さは2165メートルでした。

博士らが実験した20万気圧の約700分の1であるから、当然のことながら高圧水ではありません。つまり、地球上にはここのような高圧氷は存在しないのです。ただし、東京大学の松井孝典教授によれば、太陽系では、太陽から遠く離れた木星や土星には存在するらしいのです。木星や土星などの衛星の表面は分厚い水で覆われており、ここには高圧氷が存在しているだろうという見解です。

このように、高圧水の研究は太陽系がどのように生成されたか、その解明にも役立つものと思われます。

地球上にある水の1.65%は凍っている氷の状態です。その氷の90%は南極にあります。

しかし、昔から南極に水があったわけではないのです。約2億年前は南極は亜熱帯のような気候で、リストゾウィルスという生物やシダ植物があったのです。

南極に氷ができるようになったのは約7000万年前で、最も水が多かったのは約4000万年前だといわれています。

もちろん南極ばかりでなく北極にも氷はあり、北極圏にあるデンマーク領のグリーンランドは、島の83%が氷に覆われています。

グリーンランドの氷を1980年から輸入している会社があります。もともとは洋酒の輸入業を営んでいたのですが、グリーンランドの氷で水割りを作るとおいしく酒が飲めるのではないかと考えて、氷の輸入を思いついたのだそうです。氷河から2000〇年も前の水を切り出し、細かくパック詰めにして運んでいます。

見た目は気泡の多いまっ自な氷ですが、水やウイスキーに入れると、パチン、パチンとはじけるかすかな音が、いつまでも続く。この氷でブランデーやウイスキーを飲むと、ふつうの水より格段においしいそうで、理由はわかりませんが悪酔いしないというのです。

冷蔵庫で作る氷と2000年間凍っていたグリーンランドの氷河の水では、明らかに性状が違
うのでしょう。

さて、一般的な氷の構造をX線を利用して調べてみると、極めてきれいな格子に見えます。氷のなかの酸素が規則正しく並んでいます。しかし、X線では見ることのできない水素に着目すると、その構造はバラバラになっているのです。

水素の配列は氷のなかで、1秒間に1万回ほどの速さで動いているのです。水は酸素だけを見れば立派な結晶ですが、水素に着目すると、無秩序そのもので、非結晶ということになります。つまり、氷は結晶であるとも非結晶であるともいいきれない。「無秩序の結晶」とでも表現するのがふさわしいものなのです。

氷は簡単にとけて水になります。また氷点下の乾燥した場所では、水の状態を経ずに直接、気体の水蒸気になってしまうのです。

このような変幻自在ともいえる性質は、氷のなかの水分子同士を結びつけている水素結合の力が非常に弱いことに由来します。水分子のなかで酸素と水雷結びつけている、いわゆる共有結合も弱いが、水素結合はそれよりもはるかに弱く、結合力はその24分の1です。

結合力が弱いので、氷はいろいろな状態に簡単に変化できるということです。そのため、かき氷の氷とオンザロックの水、それぞれ趣きのある楽しみ方ができるのです。グリーンランドの氷もまた、それらとは違った側面があるのでしょう。

水素と酸素から成る最も単純な化合物である水について、その構造や特異性を調べれば調べるほど、水が不思議な物質であることがわかります。水が超能力をもっているのではないかと思うほどです。

液体(水)の方が固体(水)よりも密度が大きいこと、4度で最大密度になること、物をとかす能力が一番高いこと、表面張力が極めて大きいことなどです。こうしてみると、水は決して常識的な物質ではないことに気づかされます。あまりに身近すぎてその不思議な力に気づいていないということです。

一般に固体は明確な構造を持っていて、一方液体は、固体のようなはっきりした構造をもたない特徴があります。したがって、液体である水の構造を知ろうとすること自体に無理があるのですが、研究者たちは地道に研究を続けてきました。しかし、その構造の違いが、水溶液中の生化学反応などの速度に影響するかどうかに関しては、ほとんど注目されてきませんでした。

ところが、水について詳しく調べてみると、不思議な現象が次々と明らかになってきたのです。たとえば、雪どけ水の効果が、雪どけ後4~5日しか続かなかったり、また自然にとけたものではなく、煮沸してとかした場合には、その効果はなくなってしまうというようなことなどです。

そして、研究の結果すばらしいことに、この雪どけ水と同じょうな活性化した水が人工的に作れるようになったのです。

水に磁気処理を施したり、微弱電流を流すと活性化した水になります。さらにこの水には、水道管がさびるのを防ぐ作用があることが明かになってきました。

水の構造の変化などを知るために、研究者の間ではX繰回折法、導電率や粘性率などの測定による熱力学的方法、赤外線吸収スペクトル法、核磁気共鳴法など、また最近はやりのコンピューターシミュレーション法などさまざまな方法が使われています。

しかし、これらの方法を駆使しても、刻々と変化する水の構造を正確にとらえることには成功しておらず、まして、水の不思議な活性について完全な説明はできていないのです。

水の分子は不規則な四面体ですが、液体の水はそれがいくつもつながっており、分子間にはたくさんの隙間があるのです。

液体の水の構造をX腺解析などで調べてみると、1個の水分子のまわりに約4.4個の接水分子が存在します。固体の水の場合は4個ですから、10%大きいことになります。

一定体積の水のうち、実際に水分子そのものが占める割合は約38%です。つまり、残りの約62%が隙間というわけです。水はかなり隙間の多い構造ということです。

たとえば、水10mlに水5mlを加えれば当然15mlです。ところが、水10mlにエタノール5mlを加えたものは、25°で、14.6mlにしかなりません。

エタノールが水の構造の隙間に入ったためか、あるいは加えたエタノールによって、水の構造が変化したためです。

「スコッチは何年ものがよい」などといったりしますが、ウィスキー、ブランデー、焼酎、泡盛などの蒸留酒は、蒸留後何年か貯蔵した古酒が珍重されます。醸造酒にも、清酒や中国の紹興酒には古酒があります。こうした酒の熟成に、水が大きな役割を果していることが最近明らかになってきました。

酒を寝かせると、味に丸みが出てくるのは、水の分子の隙間に細長いアルコールの分子が入りこんで、アルコール分子が水に包み込まれた形になるためです。

新しい酒では、水分子とアルコール分子がバラバラに存在しているために、飲むと、ツンツンした刺激を受けてしますのです。酒の熟成とは、水分子とアルコール分子の会合の度合であるといえるのです。

現在、酒造会社ではNMR(核磁気共鳴) などの分析手段を用いて、どのくらいのアルコール濃度で貯蔵すれば、最も理想的なアルコールの熟成が達成できるかという実験を行なっているのです。

アルコールと水の混合溶液の実験結果では、60%のアルコール濃度の場合、アルコール分子が水分子間の隙間に入り込む率が最も高くなり、溶液全体の体積の3%近くが減るということです。

これまで経験的に行なわれてきたウィスキー貯蔵のアルコール濃度は、だいたい60%です。これが実験結果とびったり一致したのです。

アルコールを安定に保つ濃度は40%がいいとされます。40%というと、アルコールが最も粘り気をもつ濃度です。

現在、ウィスキーやブランデー、泡盛などの古酒を瓶詰めにする場合、アルコール濃度を40%前後に調整していますが、これはやはり安定性を保つためです。樽や素焼きのかめに詰めて貯蔵する場合には、最も熟成の進みやすい60%に、瓶詰めにして売り出す場合には、安定性のよい40%にしているのは、このような水分子とアルコール分子との関連をしっかり考えられているのです。

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