ウコンには高血圧を抑える効果もあります。そこでまず簡単に血圧の仕組みについて説明すると、血圧を上昇させる要素としては現在、アンジオテンシン変換酵素とカルシウムイオンが考えられています。
血液中にはアンジオテンシンⅡという物質が存在しています。これが血液のなかに増えると、血管を収縮させるので血圧が上がってきます。
この物質は、血圧とはまったく関係のないアンジオテンシンⅠという物質が転換酵素の働きによって変化して生まれたものです。
ですから、この転換酵素の働きが活発になるとその分、アンジオテンシンⅡが血液中に増えてしまい、血管を収縮させて血圧を上昇させるのです。
そこで、ドイツのある製薬会社がこの転換酵素そのものが生成されないようにする薬品を開発しました。それによってアンジオテンシンⅡが生成されるのを防ぎ、血圧の上昇を抑えようと考えたわけです。
高血圧の治療に使われる薬について | 薬の効能と副作用(生活習慣病に関連する薬)
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この薬品は現在、高血圧の特効薬して全世界中で広く使用されていますが、咳が出て止まらなくなるといった困った副作用もあるので、実際の使用にはかなりの注意を払わなければなりません。
そのため、副作用の心配のきわめて少ない自然の成分を利用して高血圧を抑える方法に期待が集まっています。
例えば、昔から柿の葉は高血圧によいといわれてきました。そこで柿の葉から成分を抽出して確認してみたところ、確かにアンジオテンシンⅡの働きを阻害するタンニンという物質を含んでいることがわかりました。
一方、体を構成する筋肉の収縮は、カルシウムイオンが細胞内に取り込まれることにより起こります。同じく血管を構成する平滑筋も、カルシウムイオンが取り込まれると収縮するので、それにともなって末梢血管が収縮し、血圧は上昇します。
これに対してウコンの場合には、カルシウム括抗作用という血管の平滑筋へのカルシウムイオンの導入を抑える働きがあるため、末梢血管を拡張します。その結果、血流がよくなり、血庄の上昇も抑制されるのです。
現代医薬品のカルシウム括抗剤は、比較的副作用が少なく、多用されていますが、頭痛や動悸、顔のほてり、熱感、のぼせといった副作用が若干ながらあります。しかし、ウコンの場合には、食品ですから副作用の心配がいっさいありませんので、長期間利用しても安心です。
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