鉄分は、赤血球のなかで酸素を運ぶ役割を担っているヘモグロビンを作るのに大切な成分です。もし、酸素がヘモグロビンによって体の組織に運ばれなくなりますと、栄養分がいくらあっても、それを燃やしてエネルギーに変えることができなくなり、体の機能が低下してしまいます。ですから、鉄分はどうしても欠かせないミネラルなのです。
こうした鉄分が不足しおこる具体的な症状としては貧血症状だけでなく、疲れやすい、健忘症、おこりっぽい、無気力といった症状が現れます。
飽食の時代でも不足する鉄分
特に現代女性には貧血気味の人が多いといわれます。これにはいくつかの原因が考えられますが、その1つとして鉄分不足が関係しているようです。事実、現代人の食生活は飽食の時代といわれるほど豊かになっているのに、鉄分は、カルシウムと共にまだまだ不足しています。
ちなみに、鉄の1日の所用量は、大人の男性で10mg、女性で12mg、妊婦で15~20mg、授乳婦で20mg、子どもでは年齢によって幅がありますが、6~23mgとされています。
そこで、こうした鉄分を補うのによい食べ物としては、パセリやほうれん草などの野菜、それからレバーや豆腐などもよく知られています。実は、ウコンについて鉄分の含有量を見ますと、驚くことに100g中に106mg含まれています。
例えば、野菜のなかでもっとも鉄分が多いとされているパセリでさえ、100中に9.3mgしかないことと比較しますと、いかにウコンに含まれる鉄分が多いかわかっていただけるでしょう。
ウコンのすぐれた薬効と同時に大切な鉄分の補給に役立ってくれることも見逃すことができません。こんなところにも、医薬品とは違って体に総合的に働きかけながら効果を発揮する生薬としてのウコンの素晴らしさがあります。
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