口臭 自分では気づきにくい 理由 について紹介します。口臭は自分ではなかなか気づきにくいものです。その主な理由は、嗅覚の順応反応(じゅんのうはんのう)にあります。
口臭 自分では気づきにくい 理由
口臭は、他人のものは気になるのに、自分のものにはなかなか気づきにくいものです。これは、嗅覚の順応という人間の体の仕組みが大きく関係しています。
常に自分の口から発せられる匂いを嗅いでいるうちに、脳がその匂いに慣れてしまい、異常な匂いだと認識しなくなるためです。そのため、知らないうちに周囲に不快感を与えてしまっている可能性も少なくありません。
嗅覚の順応反応とは
私たちの鼻は、特定の匂いに継続的にさらされると、その匂いを感知する能力が鈍くなります。これを「順応反応」と呼びます。 口と鼻は奥でつながっているため、口から発生する匂いは常に鼻の粘膜に届いています。
そのため、自分の口臭がたとえ強くても、脳がその匂いに慣れてしまい、「匂いがする」と認識しにくくなってしまうのです。 この順応反応こそが、他人の口臭は気になるのに、自分の口臭には気づかない人が多い最大の理由です。
その他の口臭の原因
口臭は、主に以下のような原因で発生します。
- 舌苔(ぜったい): 舌の表面に付着する白い苔状の汚れで、口臭の大きな原因となります。
- 歯周病・虫歯: 口内の細菌が、食べかすや剥がれ落ちた細胞などを分解する際に、口臭の原因となるガス(揮発性硫黄化合物など)を発生させます。特に歯周病は、独特の強い臭いを放つことがあります。
- 唾液の減少: 唾液には口の中の汚れを洗い流す「自浄作用」があります。緊張やストレス、加齢、薬の副作用などで唾液の分泌が減ると、細菌が増殖しやすくなり、口臭が強まります。
- 飲食物: ニンニクやネギなど、匂いの強い食べ物を食べた後の一時的な口臭です。
- 全身の病気: まれに、糖尿病や肝臓の病気などが原因で口臭が発生することもあります。
自分で口臭をチェックする方法
自分では気づきにくい口臭ですが、いくつかの方法で確認することができます。
- 唾液の匂いを嗅ぐ: 清潔な指で舌の表面や歯茎をなぞり、その指の匂いを嗅いでみる。
- コップやビニール袋に息を吹き込む: コップやビニール袋に息を吹き込み、一度密閉してから匂いを嗅いでみる。
- デンタルフロスの匂いを嗅ぐ: 歯と歯の間の汚れを取ったデンタルフロスの匂いを嗅いでみる。
- 舌の色を確認する: 鏡で舌の表面を見て、白い苔状の舌苔が多く付着していないか確認する。
- 口臭チェッカーを使用する: 市販の口臭チェッカーを使えば、客観的に口臭の強さを測定できます。
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これらのセルフチェックで気になる匂いを感じる場合は、歯科医院などで相談してみることをお勧めします。
注意したい! 口臭に影響のある食べ物
口臭の原因はさまざまですが、毎日の食事も大きな影響を与えます。特に注意したい食べ物を知っておくことで、口臭の予防やエチケットに役立てることができます。
匂いの強い食品
- ニンニク・ネギ・ニラ・玉ねぎ これらの食品に含まれるアリシンという成分が、口臭の最大の原因の一つです。アリシンは消化・吸収された後、血液に乗って全身を巡り、肺から呼気として排出されるため、食後しばらくの間、口臭が持続します。
- スパイス(カレーなど) カレーやスパイスの効いた料理も、強い口臭を引き起こすことがあります。特にクミンやターメリックといった香辛料は、消化後も匂いの元が体内に残りやすいとされています。
口内環境を悪化させる食品
- 糖分の多いお菓子・ジュース 砂糖は、口の中にいる細菌の格好の餌となります。細菌が糖分を分解する際に、口臭の原因となるガスを発生させるため、虫歯や歯周病を進行させるだけでなく、口臭も悪化させてしまいます。
- アルコール飲料 アルコールは、口の中を乾燥させる原因となります。唾液には、口の中の汚れを洗い流したり、細菌の増殖を抑えたりする「自浄作用」がありますが、唾液が減ると細菌が増えやすくなり、口臭が強まります。
- 乳製品 牛乳やチーズなどの乳製品に含まれるタンパク質は、口の中の細菌が分解する際に不快な匂いを発生させることがあります。特に舌の上に付着したタンパク質が分解されることで、口臭の原因となることがあります。
食べかすが残りやすい食品
- 肉類・魚介類 肉や魚は繊維が歯の間に挟まりやすく、食べかすが長時間口の中に残ると、細菌の繁殖を促し口臭の原因になります。特に脂肪分の多い肉や、発酵した魚などは、より強い匂いの原因となることがあります。
口臭を気にされる方は、これらの食品を避ける、または食べた後にしっかり歯磨きやマウスウォッシュをするなどの対策を心がけましょう。また、食後に緑茶を飲むことも、カテキンの殺菌作用によって口臭を抑える効果が期待できます。