急増中の感染症から防衛するには

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少し乱暴な言い方になるが、結論から先にいうと、急増している感染症から完壁に身を守る方法はない。しかし、すべての感染症に対していえることは、自らの免疫力、細菌に対しての抵抗力を高めることである。

規則正しい食事、排便、睡眠を心掛け、ストレスをためないなど肉体的にも精神的にも健康であることが大切である。また、無菌状態にしようと神経質にならずに、清潔を心掛けながらも同時に菌と共存をはかるくらいのおおらかな気持ちが大切。

身近な食中毒を防ぐのにもこれらのことは大切だ。さらに、食中毒は調理者や食べる人の五感を磨くことによりかなり防ぐことができる。これは食べても大丈夫なのか、食材のにおい、味、つや、鮮度など自分の五感をフルに使って体全体で判断をするのだ。これには普段から感覚器官を敏感にしておく必要がある。

もちろん、これ以外にも具体的な対策は必要だ。食品の購入時の鮮度に気をつける。家庭での保存は冷蔵庫を過信せず、温度管理に気をつける。下準備には手や調理器具をよく洗い、調理は手早く、十分な加熱をする。

調理の終わった食品はできるだけ早く食べる。残った食品は冷蔵保存し、食べるときに再加熱をするなど、家庭で食事をする際に注意が必要。また、殺菌作用をもつ食品を上手に利用することも有効である。梅干にはクエン酸が含まれている。クエン酸は殺菌作用をもち胃の中で細菌を殺すことがあるが、ただ食べただけで効果は期待できない。

食品全体にいき渡らせるために、食事、お茶のなかでほぐして飲むとよい。緑茶にも殺菌作用がある。茶の渋み成分であるカテキンという物質により0-157も死んでしまう。

食後の一杯の緑茶で食中毒は予防できる。しかし、市販の緑茶は飲みやすいように渋みを抑えてあるので、大量に飲まないかぎりその効果は期待できない。

食用の酢にも殺菌効果はある。水に酢を混ぜた液でまな板や包丁を洗うと殺菌効果がる。食材や調理器具の洗浄用の酢も、メーカーから発売されている。

もちろん、酢を使った食事も食中毒予防が期待できる。ほかに、電子レンジでの加熱も殺菌には有用である。電磁波の影響により、火を使って普通に加熱するよりも殺菌効果は期待できる。しかし、加熱ムラができやすいので途中でかき回し、全体が完全に加熱されているかに気を配る。

これらの対策を講じても、実際に食中毒にかかってしまったらどうすればよいのだろうか。いくつかの注意すべき点を挙げてみよう。まず、安易に下痢どめ等の薬はのまないほうがよい。

腸内の悪い細菌や毒素を体外に排出するために下痢になるのだから、素人判断で薬をのむことは危険なのだ。必ず医師の診断を受けてからのほうがよい。

とくに、子供の場合には注意が必要だ。子供が腹痛や下痢をうったえたらまずトイレにいかせ、排便させてみることが第一だ。排便後、腹痛がおさまり普通の表情が戻れば、心配はいらない。

しかし、排便後も痛みをうったえたり、しぶり腹といっていつまでも便がでるように感じ、トイレからはなれられないときはさまざまな食中毒が心配。このようなときには子供の便を観察し、状態を見きわめてから処置をする。医師の診断を受ける場合にも、便の状態を説明することが必要となるので、便を含めた子供の状態を把捉することが第一。

とくに、1人でトイレに行きはじめた3歳から10十歳ぐらいまでの子供は、親が便の状態を把握しにくいので、早く気づかないと手遅れになってしまうことがある。

また、下痢のときは脱水症状を起こしやすいので、水分とナトリウム、カリウムなどをたえず補給するよう心掛ける。薬局には脱水症状を起こしたときの水分補給用に、カリウム、ナトリウムなどを含んだ水が売られている。とくに水分を失いやすい子供には注意する。スポーツドリンクは糖分が多く、ナトリウムなどが少ないので不適当だが一時の間に合わせにはなる。素人判断はせずに、薬局や医師に相談して適切な処置をとることが大切である。

話はややそれてしまうが、水道水に必ず含まれる発ガン物質などの記事を読むと最近は、何を食べて何を飲んだらいいのかわからなくなってしまう。神経質になっても仕方ないことだが、あれはいけない、これは危険...という情報は溢れるほどなのに「こうすれば安全!」というような内容はほとんどない。食中毒は、手についた水が腐って...などの話をよく聞くが水をまずは見直すべき?

感染症が増えている

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感染症がなぜ、いまになって急激に増加しているのだろうか。これには、大きく2つの原因があると考えられる。細菌そのものの変化とわれわれ人間の変化。

人類は、長い間感染症に悩まされてきた。結核をはじめとして、ペスト、コレラなどが死亡原因の主であった時代は長かった。近年、抗生物質の発見によりこれらの感染症は大部分が克服された。

しかし、この抗生物質こそが細菌を変化させ、現在の感染症の原因となってしまったのである。抗生物質はたしかに細菌の発育や繁殖を抑制し、人類を感染症から守ってきた。しかし、細菌は突然変異により、抗生物質に耐性をもった新型の種類をつくり出す能力を多分に備えている。

人間などでは、突然変異種が生まれる可能性は低い。また人間が、次世代の人間を生み出すのにも20~30年ほどかかる。しかし、細菌は条件さえ整っていれば30~40分程度で2倍に増え、突然変異を起こす確率もかなり高い。

つまり、細菌はかなりの短時間で、抗生物質にも耐えうる新しい型をつくり出すことができるのだ。抗生物質に耐性を持つ菌があらわれたのは当然のことといえる。すると人類は、耐性菌にも効く抗生物質をつくりだし、再び耐性をもつ菌があらわれて...というように、人間と細菌のいたちごっこが続いている。

人類もかなり頑張ってはいるが、時間的にも数的にも細菌が有利で、将来的に細菌側の全面勝訴となる可能性は否定できない。ちなみに、抗生物質の耐性菌が次々とあらわれ、手術後感染症が続発するために、耐性ができた抗生物質を整理する監視制度もできているくらいだ。

次に、人間側の原因について考える。1996年のO-157中毒の発生例から。同じ給食を食べながら発症した子供と何ともなかった子供がいる。全員が発症したわけではない。もちろん、その時の体調や食べた量などもあるからいちがいにいえないが、子供たちの間に病気に対する免疫力、抵抗力の差があったことは否めない。

また、O-157が発生した国は、アメリカ、オーストラリア、日本である。いずれも先進国であり、衛生環境はともに良いはずである。しかし、この衛生環境が良くなったことが逆に人間の免疫力を弱め、感染症にかかりやすくしているとの考え方もできる。

このほかに、大気汚染、日々のストレス、食品添加物等、その因果関係は明らかにされていないが、先進国での多発を考えると、これらが人間の免疫力を何らかの形で低下させている可能性はある。

また、現在の日本では異常なほど清潔志向が高まっている。清潔であるのは良いことであるが、いささか潔癖という感もある。街には抗菌グッズがあふれ、抗菌まな板や歯ブラシならともかく、ボールペンやマイクなど、たいして必要のないものにまで、抗菌のものがある。

消毒薬を多用して細菌の存在自体をなくしてしまおうとすることも問題だ。細菌を全くなくしてしまおうとするのは無理なことだし、われわれの体内や自然界において細菌が役に立っていることを思えば間違いだ。

どんなに清潔を心掛けていても、細菌は日常的に存在している。細菌に対して過剰な反応ばかりしていると、自分自身の細菌にたいする抵抗力が落ちてしまい、かえって感染症を発症してしまう可能性がある。細菌に対してまったく無頓着なのもいけないが、あまり神経質にならずに自らの抵抗力、免疫力を高めることを考えることも大切。

日頃から自分の免疫力で病気や症状を軽減する生活習慣も必要。自分の免疫力で治すなどを読むと薬に頼り切っている現代人の生活習慣を見直さなければ...と思う。

ここ最近の家庭医学事典を見ると、脚気についてのページは見当たらない。記述がないものもある。せいぜい、あってもビタミンの不足で起こる病気程度の記述しかない。

確かに、ある年齢以上の人でないと、脚気という病気がどういうものなのか知らないかもしれない。脚気は過去にはやった、いまは存在しない病気としか認識されていない。

「ビタミンB1」のイライラを鎮める精神安定作用

ところが、この脚気の治療で病院を訪れる若者が急増しているというのです。ではまず、脚気を知らない人のために脚気とはどういうものかについて簡単に説明します。

脚気はビタミンB1が不足するために、手や足をつかさどる末栴神経がおかされて起こる病気である。その結果、手がしびれたり、むくむことがある。ひどくなると、手足の神経が麻痔して歩けなくなったり、寝たきりになったり、ひどいときには心臓麻痔を起こして死に至るほどの危険性もある。

ビタミンB1は、食事で摂ったごはんやパンなどの糖質が、エネルギーとして利用される際のなかだちをしている。だから、ビタミンB1が体に不足すると、主食などを食べてもエネルギーとして利用できず、エネルギー代謝がうまくいかなくなってしまうのです。ダイエットを目指している人には大きな問題です。

脚気にならなくても、やる気が起きなかったり、疲れやすくなったり、物忘れがひどくなったりの症状があらわれる。ほかにも、気分的に落ち着かなかったり、ノイローゼや憂鬱病、気が短くなったりする症状がみられる場合もある。

ではなぜ、これだけ豊富な食べものに囲まれる現代の若者が脚気になるのであろうか。現在、脚気で病院にくる人は、スポーツをする高校生や20代、30代の外見は健康そのものの男性に多い。ここには現代人特有のライフスタイルや食習慣が影響しているのです。

ビタミンB1 は、緑黄色野菜や肉類(特に豚肉)、魚、牛乳、豆類に多い。これらの食品は普通のバランスのとれた食事をしていれば、不足しないはずのものばかりである。

しかし、これらの年代のとくに男性は清涼飲料水をがぶのみしたり、インスタントの加工食品に頼りすぎたりして、糖質ばかりを多く取ってしまう傾向がみられる。スポーツをする高校生はエネルギーの消費量が多いのでとくにこの傾向が強い。つまり、偏食なのだ。

コンビニやファミレス、24時間営業の牛丼屋やファーストフード、インスタント食品、電子レンジ食品など、部屋に台所がなくても、電子レンジと湯沸かしポットさえあれば、何とかお腹を満たす食事はできる現代の世の中かもしれないが体のためには全くNGである。

しかし、栄養のバランスということを考えれば、これらの食品の問題点に気づくはずだ。これらの年代の男性というのは仕事が忙しかったり、一人暮らしをしていたりと、無意識のうちに偏食になってしまう。物があふれ、何でもある現代だからこそ、起こってきた病気ともいえる。しかし、自分にはバランスのとれた食事を用意してくれる家族がいるからといって安心はできない。

出された食事を残したり、日常的に飲酒をしている人は要注意だ。とくにアルコールは糖質そのものであり、酒のつまみも脂っこかったり、野菜類が不足していたりと、どうしてもバランスが悪くなりがちだ。

アルコールのとり過ぎの問題もでてくる。せっかく家族が食事を用意してくれていても、飲酒のためにきちんと食事ができなかったら意味はない。心当たりのある男性は、外食をする際や飲酒の際、少しでもビタミン類をとれる献立を選んだり、ビタミン剤を利用してビタミンB1をとるように工夫したほうがよい。

寄生虫の増加について

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昭和30年代ごろの日本は、回虫や鉤虫、日本独特の風土病であった日本住血吸虫病などの寄生虫痛が蔓延している状態だった。40代以上の人なら、だれしも一度や二度虫下しをのまされたことがあると思う。

これらの寄生虫は、高度経済成長とともに姿を消したはずだった。しかし、現在の日本でも完全に寄生虫病がなくなったわけではない。それどころか動物から人間に感染する感染症はむしろ増え続けている。

アニサキス、旋毛虫、エキノコックスなどである。また、赤痢アメーバ、マラリアなども増加しているという。

では、なぜいまになってこのような寄生虫病が増加しているのだろうか。原因は2つある。海外から人を通じて日本に入ってくることと、輸入食品を通じて入ってくることだ。人間を通じてにも2つのルートがあり、1つは、日本人が海外旅行や、仕事での出張、現地での勤務により感染し、帰国の際に一緒に持ち込んでしまうのだ。

もう1つは、来日する外国人の増加である。故郷で感染して、そのまま日本にきて発症する例も多い。また、日本にくる輸入食品は膨大な数だ。もちろん、ひと通りの検疫はするが、量が多すぎて、完全に寄生虫の侵入を防ぐことは難しい。

海外旅行にいかないから安心というわけにはいかないのだ。確実に輸入寄生虫病は増えているのである。しかし、これらの輸入寄生虫病を防ぐことは可能である。

寄生虫の卵は七十度で死んでしまう。海外旅行の際にしても、輸入食品を食べるときにも、とにかく生食はせずに、必ず火をとおしてから食べること。

ワサビ、カラシ、酢、トウガラシなどはもちろん、塩、醤油に漬けた程度で寄生虫は死なない。冷蔵庫でもだめだ。果物を生食する場合は、肉や魚を切った包丁やまな板を使用していないかを確かめてから食べるようにしたい。

また、土地によっては、ノミ、シラミ、ナンキンムシなどが生息している。寝具や衣類にそれらの卵が付着して帰国することも考えられる。洗濯をして天日に干したり、こまめに掃除したり、手洗いをして清潔を保つようにすることが大切だ。それでも寄生虫に感染したと思ったら、医師に海外旅行をしたことや、感染源と思われる食物についてすみやかに報告しなければならない。

これは、寄生虫病のほとんどが多彩な症状を示し、普段寄生虫病の患者を見慣れていない医師だと、寄生虫病の存在も思いつかないことがある。また、医師の診断を受けるのは、できるだけ早いほうがよい。マラリアなどは病気の進行が速く、すぐに手を打たなければ死亡してしまう場合もある。とにかく、早く医師に相談することが重要である。

胃腸の不調はストレスよりもピロリ菌のほうが要注意

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会社の上司に無理難題を押しっけられるのは、サラリーマンにとって日常茶飯事。「胃がキリキリ痛むよ」などと嘆く姿は、珍しくない。これまで、胃炎や胃潰瘍はストレスが引き金になり、胃酸が過剰に分泌されて起こるものとされ、いまでも、一般的にはそう思われているだろう。

それもそのはず、胃では強い胃酸がはたらくため、痛みの原因となるような細菌は住めないとされてきたので胃炎や胃潰瘍の原因として細菌はノミネートされていなかった。

ところが、最近になって、胃を住みかとする菌がいることがわかった。「ヘリコバクター・ピロリ」という細菌がそれで、通称「ピロリ菌」とよばれている。米国ゲノム研究所で発見された。

では、なぜピロリ菌は強い酸性の胃の中で生息できるのか。ピロリ菌には、胃液に含まれる尿素からアルカリ性のアンモニアをつくりだし、胃酸を中和させるはたらきがある。そのアンモニアを防壁にして住みつくからだ。

このときできるアンモニアが、胃の粘膜を傷つける。また、ピロリ菌自体が出す毒素や、ピロリ菌を排除しようとする免疫機能のはたらきが、胃にできた炎症を悪化させる。ピロリ菌が、胃炎や胃かいようを引き起こすのはこうしたメカニズムによるものだ。

このピロリ菌は免疫にも強く、一度感染すると自然消滅することはない。つまり、その人は一生涯胃の中にピロリ菌を持ち続けることになる。いまのところ感染ルートははっきりしていないが、口を通して感染するルートが高い確率になっていそうということ。

ただ、唾液中には発見されないため、水や便を介在して感染するのではないかと考えられている。衛生環境のよくない海外で感染する可能性が高い。

ちなみに、日本人は2人に1人がこのピロリ菌を持っているといわれる。とくに40歳以上の人に多く見られるが、これは戦前、戦中、戦後の日本の衛生環境の悪さと関係している。阪神・淡路大震災のときにも胃かいようになる人が多かったが、調べてみると、そのほとんどがピロリ菌に感染していた。

最近の日本人は、潔癖すぎるとか言われるが、やっぱり清潔な環境というものは人間にとって生きうる上で重要である。

ピロリ菌に感染するとまずだれでも間違いなく胃炎を起こす。これは、酒の飲み過ぎなどが原因で起こる急性の胃炎とは違い、痛みやむかつきが全くない。いわゆる慢性胃炎といわれる症状で、感染後に軽い吐き気や腹痛があり、一週間もすれば何でもなくなってしまう。

そのため、感染者の9割は、感染していても生活に支障をきたすことがなく、気づかないまま一生を終わってしまうことも多い。問題は、慢性胃炎よりすすんだ胃病になると、ほとんどの人がこのピロリ菌にかかっているということ。

実際、ストレス性の胃炎にかかったとしても、ピロリ菌に感染していないかぎり、胃潰瘍まですすむことは珍しい。また、通常、胃潰瘍は完治が難しいとされているが、ピロリ菌を取り除く治療をすると、再発することがほとんどなくなるという。

ピロリ菌は胃病に深く関わっているといえる。日本人に多い胃がんも例外とはいえないので、軽い胃炎といってもピロリ菌が関与している場合ばかにすることはできない。

ピロリ菌の有無は、血液検査などで簡単にわかる。また、何種類かの指定された薬を服用すると、一週間程で除菌できるので、心配な人は医師に相談するのがいいだろう。感染経路がはっきりしていないから完全予防は無理だが、ピロリ菌が付着した手で食事をしないよう、食事前の手洗いを実行したい。また、歯垢の中にも発見されているので、歯磨きをしっかりして歯垢をためないことも大切。

ピロリ菌の除去に失敗したがマニカハチミツで再除菌ができた

体質的にプレッシャーに弱く、仕事などでハードな日々が続くと胃腸の調子が悪くなる「急性胃炎」の場合は、漢方がいいでしょう。