日本におけるペットボトル入りをはじめとする清涼飲料の普及は、急拡大している。街にはいつでも利用できる自動販売機があふれ、24時間営業のコンビニエンスストアも増えた。
小さな子供であっても、小額のお金さえあれば自分の好きな飲みものが手にはいる時代である。それらの要因からか、ペットボトル入りの清涼飲料水を冷蔵庫に常備する若者が増えている。スーパーなどで買い物をしている人のかごを見ればペットボトルが2~3本は入っている。
喉が渇いたときだけでなく、食事のときにも、お茶ではなくコーラなどの炭酸飲料をとったり、甘い紅茶飲料をとる若者も多い。しかし、そこに大きな落とし穴が待っている。
糖尿病予備軍の増加だ。清涼飲料水には大量の糖分が含まれているから、それらのペットボトルを常備していると、知らず知らずのうちに大量の糖分を摂取してしまうことなる。糖分の大量摂取は、肥満や糖尿病を誘発するおそれがある。糖尿病の症状がすすむと、昏睡状態で病院にかつぎ込まれたり、最悪の場合はそのまま死亡してしまうこともあるのだ。
このように、ペットボトルを愛用して糖尿病やそのほかの病気にかかってしまった人を、ペットボトル症候群と呼んでいる。これらの要因もあってか、近年わが国は「糖尿病列島″」といわれるほど、糖尿病の患者数が増加している。
ところで、清涼飲料水にはどのくらいの糖分が含まれているのだろうか。1回に飲む量を200ccとすると、コーラには21グラムもの糖分が含まれている。
1日の糖分摂取量は20グラム以下が望ましいわけだから、コーラ1回分だけでも1日分の糖分量をとってしまう計算になる。他の清涼飲料でも、果汁添加の炭酸飲料で19グラム、スポーツドリンクで14グラムを1回に摂取してしまう。
糖尿病や肥満を考えるまでもなく、これら糖分のとり過ぎが体に良くないことは常識だ。清涼飲料ではなく、違う飲みものを飲んでいるから安心という人がいるかもしれないが、油断は禁物だ。一般に健康のためと考えられている野菜ジュースや果汁100%のジュースジュースにももともと野菜や果物が持っていた糖分が多く含まれているからだ。
さいきん流行の野菜ジュースには、1缶あたり20グラムの糖分が含まれているし、果汁100% のオレンジジュースであっても、250ミリ・リットル1缶あたり、26グラム程度の糖分が含まれている。
砂糖そのものは加えていなくても、果物に果糖が含まれており、さらに蜂蜜を加えているからだが、体にいいからといってがぶ飲みしていれば、当然、糖分の取り過ぎになってしまう。野菜ジュースや果汁をまったく否定するつもりはないが、飲む量を考えないと、逆に糖尿病などの病気にかかってしまう可能性があるのだ。
若い女性の好む紅茶飲料でも、1回に飲む量に15グラムの糖分が含まれているから注意が必要だ。ウ一口ン茶や日本茶、ミネラルウォーターなどの糖分を含まない飲料も増えているので、ペットボトルが即、若年糖尿病の原因であるとはいえないが、いつでも身近にあり、保存しておけることなどから、若い糖尿病患者の増加に影響を与えていることは十分に考えられる。喉が渇いたからといって、安易に冷蔵庫のペットボトルの清涼飲料をがぶ飲みするのは、危険なことなのだ。
若いから、体に症状として出てこないだけで、将来、糖尿病を発症したり、糖尿病による合併症を起こすことになりかねない。
糖尿病関連情報:https://health-memo.com/%E7%B3%96%E5%B0%BF%E7%97%85/
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