我が日本において、結核は過去の病気といわれていたが、ここ最近は、そうともいえない。大学病院や中学校で、結核に感染ないし発病した先生が勤務を続けたために、病院関係者や生徒の数10人が感染した疑いが出た事件があった。
現代の若い人は結核についての知識はほとんどないし、感染して死亡したという詰も聞かない。しかし、現在でも結核に感染する人は毎年約4万人もいるし、死亡することもある。確かに結核による死亡は減ってはいるが、ここ数年、その減り方が鈍くなってきている。
決して過去の病気ではないのである。結核を現代によみがえらせた原因は何だろうか。さまざまな原因があるが、一番大きなものは結核菌自体の新型があらわれたことによる。つまり、結核菌が変化して、抗生物質が効かなくなっている。この薬剤耐性菌は感染してしまうと治るまで時間がかかり、死亡することも多い。
同じようなことはサルモネラ菌にも起こっている。サルモネラ菌もこれまである程度、抗生物質等の薬剤により克服されてきた。しかし、1996年、サルモネラ菌による食中毒は1万5千件以上発生し3人が死亡している。
食中毒原因の第一位なのだ。これも、大発生したのが、以前のネズミが運ぶ菌とは違っていたからだ。主に鶏卵の内部が汚染されて感染源となり、汚染されているかどうか、見ただけでは判断がつかない。
健康な成人の場合、サルモネラ菌を極端におそれる必要はないが、幼児、高齢者、病人では症状が重くなることがあるので気をつけたほうがよい。そのほかには、肺炎をおこす原因の1つである肺炎球菌も、その40% が抗生物質の効かない耐性菌になっているという。
黄色ブドウ球菌は誰の鼻や口の中にもいる身近な菌。黄色ブドウ球菌の一種で抗生物質に耐性をもったものが院内感染で話題となったMRSAだ。このように、以前は抗生物質の投与で簡単に完治した感染症が薬剤耐性菌に変化して発症し、完治するのが難しいのが現状。この傾向は、これからも続くと考えられ、過去の病気が復活する可能性は十分にある。
感染症が急増していることを考えるとやはり現代人の抵抗力、いわゆる免疫力が低下していることも大きな要因となっているはず。まずは腸を元気にすることで免疫力をアップさせたい。現代人の腸は元気がないを読むと現代人の腸の抵抗力が低下していることがよわかる。
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