ウコンが黄色い色素であるクルクミンや多くの精油成分によって驚くべき薬効を発揮してくれることはすでに今まで述べたとおりですが、ウコンが素晴らしいのはそれだけではありません。以下のウコンの成分表を見てください。
ウコンにはカルシウムや鉄分などのミネラル分、それから食物繊維が、たっぷりと含まれていることに驚かされます。ミネラルは私たちの健康を維持・増進するのにどうしても欠かせないもので、そのうちのどれかが不足したり、お互いのバランスが悪くても、体調が崩れたり、さまざまな病気の原因になったりします。特に現代人の場合はミネラルが不足しがちです。
ところが、ウコンならば、さまざまな薬効だけでなく、ミネラルを補うのにもたいへん都合がよいのです。
春ウコンの成分(100g中)
- 水分(2.8%)
- たんぱく質(9.9%)
- 脂質(4.3%)
- 線維(5.2%)
- 灰分(6.2%)
- 糖質(70.7%)
- リン(295mg/100g)
- 鉄(106mg/100g)
- カルシウム(169mg/100g)
- タンニン(0.89%)
それから、お産や授乳を経験する成人女性は、自分の分とともに子どもの骨を作るためのカルシウムもとらなければ、どうしても1日の必要量が足りなくなりますから、やはりカルシウムをたくさんとる必要があります。
最近はお年寄りに骨粗鬆症が増えています。この病気になると、骨の密度が極端に低くなすり、ちょうど大根に鞍が入ったようにすかすかになってしまい、ちょっとした力が加わるだけで折れるほどもろくなっています。
実は、どんなに年を取っても骨の新陳代謝は続いていますし、血液中のカルシウム濃度も一定に保たねばなりません。それなのに、もし外からのカルシウムの摂取量が足りなくなるとその分だけ、骨のカルシウムが利用されてしまいます。
その結果、骨は大根に稼が入ったような状態になってしまうのです。高齢になるとどうしても食べる量が減りますから、それにつれてカルシウムの摂取量も不足しがちになりやすいため、年齢が高くなってからでもカルシウムの摂取には気を配らなければなりません。
このことは高齢者にかぎったことではありません。というのは、私たち日本人の食卓は豊かになっているはずなのに、カルシウムの摂取量に関しては、いまだに先進国中最低レベルで、日本人の3人に2人はカルシウム不足だといわれているからです。
ところで、いったん体のなかにとり込まれたカルシウムの99%は骨や歯のなかに存在しています。
つまり、骨はカルシウムの貯蔵庫のような役割をしているのです。骨は体の柱としてとても硬い固まりですから、まったく変化しないもののように思いがちですが、実際には常に新陳代謝を繰り返して少しずつ生まれ変わっています。そのために、骨に蓄えられているカルシウムは常に新しいものと入れ替わり、古いものは体外に排出れます。
このとき、もし新しいカルシウムが不足したりすると、排出される一方にになってしまうためにカルシウム不足が生じてしまうのです。
こうして大部分のカルシウムが骨に含まれているのに対して、残り1%はどうなっているのでしょうか。1%といえばごくわずかですが、しかし、このわずかなカルシウムが私たちの体にとって実に重要な働きをしているのです。
このカルシウムは血液や細胞のなかに・含まれていて全身をめぐりながら、筋肉最縮させたり、心臓を動かすための働きをしています。また、脳からの神経の伝達晶けたり、血液を固めて出血豊める働きやホルモンの分泌にも関与しています。
さらには高血圧に対してもカルシウムは、有効な成分であることが認められています。こうして私たちが生きていくのに欠かせない働きをしているカルシウムは、前述したようにうつまり、われわれの体は万が一血液中のカル血液中では常に一定に保たれています。
ルシウムが足りなくなると、骨からカルシウムを取り出してでも血液中のカルシウム量を一定に保つようにしているのです。
一般的に成人ののカルシウム摂取量としては700mgぐらいは必要だといわれていますが、もし不足の状態が続くと、その分だけ骨から血液中にカルシウムが奪われてしまい、骨がもろくなったり、健康に影響が出てきたりします。ところが、日本の土壌や水にはそもそもカルシウム分が少なく、したがってそこで育った作物のカルシウム含有量も多くはありません。
ですから、カルシウムというミネラルは日本人にとつてとりにくい栄養素の1つなのです。それを補うために、苦から日本人は魚や海藻、豆類などをとつてきましたし、戦後は乳製品が普及することでかなり日本人のカルシウム不足は解消されたはずなのです。にもかかわらず、最近の「国民栄養調査」によれば、日本人のカルシウムはまだ不足しているというのです。しかも残念なことに、日本人にとつて大切なカルシウム源であるはずの魚や海藻、豆類が食卓にのぼることもめっきり減ってしまいました。こうした状況に置かれてい一る私たち日本人は、かなり意識してカルシウムをとることが必要で、その点でもウコンはありがたい存在だといえます。
ウコンでカルシウムは足りるか?
https://turmeric-guide.net/archives/350