風邪が流行する時期になると、町中にマスクをした人が多くなります。2009年、新型インフルエンザが流行した時は、マスクが売り切れる薬局が続出し、話題になったものでした。
よほど重症にならない限りマスクをする習慣のをいアメリカやヨーロッパでは、この日本の光景がとても奇異に映るらしく、「日本人はマスク姿の異常な集団」などと、おもしろおかしく報道されることがあったようです。
では、日本人はなぜマスクをするのでしょうか?
「風邪を人にうつさないためのエチケット」とか、「風邪を予防するために決まっているでしょう」と言われそうですが、はたしてマスクにそのような効果があるのでしょうか?じっはマスクをしても、ひとたび咳をすれば、風邪の原因ウイルスは秒速10 メートルもの猛スピードで、マスクの外へ飛び出してしまいます。
なぜなら、ウィルスは1ミリの約1万分の1~10万分の1とひじょうに小さな生物なのに、マスクの穴(織り目は、ウィルスをサッカーボールにたとえると、サッカーコートにも匹敵する大きさです。
最近は高密度素材のフィルターのついたマスクがありますが、これにしてもウィルスを完全にブロックすることなど不可能です。
つまり、マスクには、咳やくしやみで飛び散るウイルスを若干減らすことはできても、完全に阻止する「人にうつさない効果」はあまり期待できません。ただし、マスクの内側には呼吸のたびに湿気が治まり、のどや気道の乾燥を防ぎます。また、この湿気の層が、ウィルスの侵入を阻止するバリアになります。
ウィルスは湿気が苦手で、湿度の高い環境では増殖力も弱くなります。マスクは、すでに風邪を引いてしまった人の「のどの痛みをやわらげたり、ウィルスから自分の身を守ったりする効果」なら期待できそうです。冬場に外出する時は、積極的に利用してほしい風邪予防アイテム、それがマスクです。
風邪予防には甘酒が見直されています。
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