非行少年と一般の高校生との、「清涼飲料水を飲んでいる量」を比較ししたデータがあります。
ここでいう清涼飲料水とは、ごく一般に市販されている甘く味つけされた飲み物のことです。ジュースといってもいいでしょう。これは「水」 としてみた場合、非常に悪い水です。「生命体の調和を乱す水だ」と断言できます。
「本数」は、130円前後で売られている1缶(300cc前後) 程度です。普通の高校生は、1 日あたり2~3 本飲んでいる率が多いです。中には4~5本という子もいるようですが、70%ほどは3本以下にとどまっています。これだって健康を大事にしたいと思うなら多すぎる本数です。
本当なら、甘い味のついた清涼飲料水など一切飲まないに越したことはありません。その理由は後に明らかにするとして、今度ほ非行少年の側をみて下さい。中には1 日に20本も飲んでいる子もいます。10本以上の子も多数います。4本以上飲んでいる子を合計すれば、全体の半分ほどに達します。
いずれにしても、非行少年ほ、普通の高校生よりも清涼飲料水をたくさん飲んでいるという傾向ほ明らかです。この傾向は、非行的な行動の結果であるという見方もできるでしょう。非行少年は外で過ごす時間が長く、家庭でちゃんと食事することも少なくなるとすれば、自動販売機やコンビニエンスストアで清涼飲料水を買って飲む機会も増えるでしょう。
しかし逆の見方もできます。清涼飲料水を大量に飲むことが、非行的行動の温床になっている可能性も否定できないのです。
ウーロン茶ほかのお茶の類をのぞいた清涼飲料水にほ、まず間違いなく大量の糖分が添加されています。そんな糖分をたくさん含んだ清涼飲料水を、毎日毎日大量に飲んでいたら、いったいどうなるでしょう。糖分を多く含んでいる以上、カロリーの高い飲料です。それを大量に飲めばカロリー過多になります。
したがって肥満や糖尿病や高血圧症にもなりかねません。実際、本来は成人病であったはずの肥満・糖尿病・高血圧症が子どもから若い世代にまで多発している背景には、清涼飲料水の多飲という原因があるといわざるを得ません。心配事はそれだけではありません。体内に入った余計な糖分は、その代謝の過程でカルシウムを大量に消費してしまいます。体の中のカルシウムが足りなくなるとどうなるでしょう。骨が弱くなる? それも心配です。歯が弱くなる...当然のことでしょう。しかしそれだけでほありません。
骨や歯にかかわること以外にも、カルシウムには重要な働きがあることをご存じでしょうか。実は、カルシウムは、神経組織の上できわめて重要な役割を果たしているのです。カルシウムが不足した体は、神経の伝達が悪くなり、ひどくなれば筋肉が痙攣して手足を自由に動かせなくなります。これに関連して、カルシウムほ精神安定の役割も果たしていますから、カルシウム不足の人はとてもイライラしたり、不安定になったり、感情をコントロールできなくなったりします。
「日本の軍隊では、兵士にわざわざカルシウム不足の食事をさせていた」という話を聞いたことがあります。その理由は、兵士をイライラさせて、攻撃的にさせるためだったということでした。お分かりですね。清涼飲料水という「生命体の調和を乱す水」を大量に飲んでいると、精神が不安定になり、ときとしてきわめて攻撃的になってしまうのです。その結果、非行行動が現れると考えたとして、不自然なところはあるでしょうか。
非行少年に清涼飲料水の多飲傾向がみられるのは、おそらく複合的な原因からでしょう。清涼飲料水のおかげでイライラするから外に出る。外に出るからなおさら清涼飲料水を口にするチャンスが増える。おかげでもっとイライラして攻撃的になる。
そんな悪循環の結果と考えるのが、もっとも自然だと思います。念のためにつけ加えておけば、受験期の子どもたちの中には、勉強中に大量の清涼飲料水を飲んだために急激に血糖値が変動してしまい、ひどいときには昏睡状態となって救急車で病院に運ばれる例すらあるといいます。
実に憂うべき事態ではないでしょうか。生まれたときから、水といえば水道水しか飲まずに育った子は、水ほ「おいしくないもの」だと思っています。また質の悪い水のおかげで味覚と臭覚も根本のところで麻痺していますから、たまたま本当に美味しい水に出会っても感動することがありません。その結果、強引なまでに「美味しさ」を演出された清涼飲料水ばかりに手を出すことになってしまうのです。さて、ここまでほ他人事である子どもたちの話でした。でほ、あなたご自身はどうでしょうか?
お腹の赤ちゃんのことも考えて、ちゃんとしっかり、よい「水生活」を心掛けていますか?
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