「水の悪い地域では長生きできない」という事実を如実に示していると思われるデータがあります。長生きできるとは「より多くの人々がより健康に暮らしている」ことに近いと思ってよいでしょう。長生きできる、つまりより健康に暮らせるところでは、より健康な赤ちゃんを産み育てることができるということにもつながります。
その逆をいうのは... 、やめておきましょう。では厚生労働省が5年ごとに行なっている「全国47都道府県」の平均寿命の調査結果が証明しています。これをながめているとおもしろいことに気づきます。
東京都・愛知県・大阪府などの大都市地域での平均寿命の順位は、それ以前の同調査結果と比較してみると、総じて以前よりも落ちています。理由はいくつも考えられるでしょう。都市生活はストレスが大きすぎるということもあります。だがそれだけが原因だとすれば、東京都の順位はもっと下になっていてよいはずです。
青森県が大阪府と最下位近くを争っているのも不思議です。この順位を飲料水・生活水の面から検討してみました。いえ、実は検討するまでもなく明らかです。個別にみればいくつもの要因が複合的に重なった結果ではあるのですが、男女をトータルでみて明らかに最下位である大阪府に関していえば、短命の最大要田ほ「水にある」としか考えられないというのが本心です。
「大阪の水道水はまずい! 」これは有名な話です。かつては「水の都」とすら評された大阪ですが、今は悲惨としかいいようがありません。水に関していえば、日本中で最悪の悲哀をなめています。大阪府の水道水には、主として滋賀県の琵琶湖に源を発する淀川水系が利用されています。以前、新聞やテレビでずいぶん話題になりましたから、ご存じの方も多いはずです。この淀川水系では、源である琵琶湖が大変に汚染されてしまいました。
そればかりではありません。琵琶湖から流れ出る淀川は、京都市の生活雑排水が流れこみ、さらに水質を劣化させています。大阪の水道水に利用されているのは、このように二重に汚染された水だったのです。
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