アレルギー疾患に関する初全国調査の結果は非常に興味深いものでありまた、深刻です。このアレルギー調査は、日本人がいかに潜在的な不健康を抱えて暮らしているかを明らかにしました。
調査結果によれば、湿疹やひどい鼻づまりなどのアレルギーとみられる症状に苦しんでいたり、過去1年間にそうした症状で悩んだ経験のある日本人は、何と約4千万人だったといいます。日本の全人口はおよそ1億2千万人ですから、3 人に1 人ほアレルギー体質が表面化しているということです。これほ驚くべき数字です。
あなたも周囲を見回せばお気づきでしょう。アレルギー体質の人がいかに多いことか。もしかしたら、あなた自身もそうかもしれません。現在の日本の1家族の人数が4人だとしてみましょう。すると1家族の中に必ず1 人はアレルギー症状に悩まされている人がいるという計算になります。しかも都市部の住民はどアレギ一体質が表面化する傾向が強いということですから、都会人の家庭をのぞきみれば、どの家にも絶対にアレルギー傾向の人が複数いると思っても大げさではなさそうです。
どうでしょう、あなたの実感としても、これは認めるしかないのではないかと想像します。同調査結果は、さらに厳しい現実を示していました。アレルギー体質の4 千万のうちの5人に1人、つまり800方もの人が、きわめて辛い症状をともないがちな、時として日常生活すらおぼつかなくなるアトピー性皮膚炎の患者だというのです。全人口1億2 千万に対して㈱万人といえば、15人に1人という割合です。決して少ない数字ではありません。いえいえ、これだけをみても驚くべき高率というべきでしょう。
ある一定の時期に症状が集中する鼻炎などのアレルギー疾患、すなわち花粉症程度なら、季節の挨拶として笑い話で過ごせる人もいるかと思います。花粉症の人の中でもひどい症状が出て、とてもじゃないけど笑い話になどできないという方もあるでしょうが、それでも、まだマシです。
もしも我が子がひどいアトピー性皮膚炎で苦しんでいる人となると、家族全員、特にお母さんは大変な苦労を強いられることになりがちです。アレルギー性の疾患は、その人の年齢によって現れ方が違う傾向があります。アレルギー症状は低年齢では皮膚に現れる率が高く、年齢が上がるにつれて喘息や鼻炎の形に移ってゆくという傾向も指摘されています。
おかげで、お母さん同士の日ごろの挨拶に「ウチの子はアトピーで... 。あら、お宅もですか? 」なんて交わされる始末。これを当たり前の状態だと思ってしまったら大変です。早いうちに手を打って、日本人全体の根本的なところでの健康を取り戻さないかぎり、将来さらに大変なことになってしまうに違いありません。
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