飲む水が、体にどんな形で影響を与えるかは、さまざまな方法で調べることができます。。その1 つとして、マウスを使った次のような実験があります。マウスに、水を飲ませるとき、その水に重水という特別な水(D2O) を少し混合します。こうすることでNMR (核磁気共鳴) 分光器という機械によって飲んだ水の体内での動きが逐一追えるようになるのです。
この実験の結果で分かったことのうち、もっとも注目したのは次のことです。
すなわち、飲んだ水は早くも1分以内に、脳組織と生殖器( オスなら睾丸、メスなら卵巣と子宮) に達したという事実です。いかがでしょう。これは、飲み水がお腹の中の赤ちゃんの環境に、かなり直接的な影響を与えるのではないかということが想像できる実験結果でほないでしょうか。
- 同じ種類の固形餌を食べさせて育てたメスのマウスを2群(A・B) に分ける。
- A群には大阪市の水道水を飲ませる。
- B群には市販のミネラルウォーター( pH8・6 のアルカリ性) を飲ませる
- A群・B群、共に妊娠させて出産させる。
- こうして生まれた子どもマウスの体液の状態を比較する。
この実験の結果、A群(大阪市の水道水) から生まれた子どもマウスの体液と、B 群(ミネラルウォーター) から生まれた子どもマウスの体液とでは、科学的にみて明らかな差がみられました。この差もNMR分光器を使って調べたのですが、B群のマウスから生まれた子どもマウスの体液の水のほうが、より生命活動にとってよい舞台となる水だったのです。その証拠に、A群から生まれた子どもマウスと、B 群から生まれた子どもマウスの寿命には1週間近くの差が生じることも分かりました。
つまりA 群から生まれた子どもマウスのほうが、B 群から生まれた子どもマウスよりも老化が早かったのです。ちなみに、マウスの寿命は2 年=104週ほどです。これに対して人間の寿命を、マウスの約40倍の80年=4160週はどとして換算しますと、よい水を飲んでいる人間は、悪い水を飲んでいる人間よりも40 週間=8ヶ月ほど長生きできるということになります。
むろん実際のこととなれば、もっとずっと大きな差になると考えるのが自然でしょう。ところで先ほどの「生命活動にとってよい舞台となる水」か否かの差がどのようにして調べられるかは、後にくわしく紹介します。
コメント