擦り傷、切り傷は消毒が欠かせないは昔の話

元気なお子さんのいる家庭では、すり傷や切り傷は日常茶飯事。薬箱には消毒薬の白チン(塩化ベンゼトニウムなど) が常備されているのではないでしょうか。

そして、病院にかかるほどでもない、ちょっとした小さな傷は、消毒をしたあと、ガーゼつきの絆創膏などで保護しているのではないかと思います。この処置は、以前だったら正解でした。

私の子どもの頃は、赤チン( などが大活躍したものです。そして、毎日消毒を繰り返すとともに、化膿させないようになるべく早く傷を乾燥させ、かさぶたを作ったほうが治りは早いと信じられていました。

ところが最近は、消毒や乾燥させないほうが、傷は早く治ると言うのです。消毒をすると、刺激性のある消毒液が、細菌より先に自然治癒力を持った皮膚の細胞を殺してしまいます。消毒した時、傷がシミたり、痛んだりするのは、正常細胞にダメージ与えているからです。

全国的にも珍しい「傷の治療センター」を備える石岡第一病院の夏井睦医師は、「傷は消毒をせず、乾燥もさせず、ラップのようなもので覆ったほうが早く、きれいに治る」と話されています。

実際に、外科の現場もいまや、手術後の傷を消毒する病院はほとんどなくなり、手術室で傷をラップ状のもので密閉したあと、1週間ほどそのままにしておくという処置法が主流です。

医学常識は、さまざまな研究の進展などで覆ることがありますが、これもそのひとつです。それでは、すり傷や切り傷の正しい処置は、どのようにしたらよいのでしょうか?

少し前の消毒薬だったらこちら

まず、傷についた細菌を流し落とすために、10分以上、流水で洗います。その後は、ラップを貼りつけたり、くるんだりしておけば、白自チンなどで消毒をする必要はありません。

それだけで、ほとんどのすり傷、切り傷はきれいに治ります。お子さんが次に傷を作った時には、この処置を試してみてはいかがでしょうか。消毒によるシミや痛みがないので、喜ぶでしょう。ただし、毎日流水で傷口を洗い流すことを忘れずに。

そして、治りが悪い時には医療機関の受診をおすすめします。