いまや、水虫大国と言われる日本。推定では、なんと3,000万人もの方が水虫に悩んでいます。なかには、「お父さんに家族全員が水虫をうつされてしまった 」という笑い話ではすまされないケースもあり、もはや「たかが、水虫」と言ってはいられない状況です。
水虫治療の基本は、清潔、乾燥、薬物療法が一般的な常識です。でも、皮膚科にかかることもなく、「足指を酢につける」「殺菌力の強いニンニクを靴に入れる」「熱い砂浜を歩く」などといった民間療法で治療しょうとする人が多く、医師として驚かされます。
民間療法のすべてを否定するわけではありませんが、はっきり言って、水虫に対するこの種の民間療法はまったく効果がないと断言します。
酢やニンニクの殺菌力は認めますが、水虫の元凶の白癖菌を死滅させるほどのものではありません。なぜなら、白癖菌は皮膚の表面にくつついているのではなく、奥のほうに根を張って棲息しているため、いくら酢やニンニクで表面を殺菌しても白癖菌にはほとんどダメージを与えることはできないのです。
同様の理由で、夏の灼熱の砂浜を裸足でいくら歩いても、水虫を治すことは不可能です。逆に、このような民間療法を長く続けていると、皮膚がただれたり、かゆみが強くなったりすることがあるので注意してください。
いまは、治療効果の高い塗り薬や飲み薬が開発されています。根気よく2~3ヶ月治療を続ければ、水虫の症状が治まってきます。
ただ、皮膚科にかかって治療した結果、かゆみが軽減すると「もう、治った」と自己判断し、通院をやめてしまう人も多いようです。これでは、生き残った白癖菌が、やがて復活し、再発します。やはり、医師に「治りました」と言われるまでは、水虫を徹底的に治すという意志を持ち、治療を根気よく続けることが大切なのです。
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