鼻血が出たらティッシュを鼻に詰めるのは NG

鼻血が出たらティッシュを鼻に詰める のは NG です。しかしこの鼻血対策はほとんど誰も同じでしょう。のぼせたり、異常に興奮したりすると鼻血が出た、という経験のある人は多いのではないでしょうか。とくに、思春期などには、ちょっとしたことで鼻血がでてしまう という人もけっして少なくないと思います。正しい鼻血の止め方は、まず、俗に小鼻(鼻翼) と言われる場所を親指と人差し指で 5 分以上、強く圧迫してください。これで、ほぼ出血は止まります。さらに、鼻の上部(目と目の間) を氷嚢で冷やすと止血効果がさらに高まります。

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ただし、鼻血を軽く見てほしくありません。鼻血の原因には「局所的原因」と「全身的原因」のふたつがあり、ほとんどのケースが前者で、鼻の鼻中隔(鼻腔をふたつに分ける壁) という部位の、前方にあるキーゼルバッハと言われる部位からの出血によるものです。

キーゼルバッハにはたくさんの毛細血管があり、表面は薄い粘膜で覆われています。そのうえ、鼻の入口に位置するため、傷つきやすく、心身に大きなストレスがかかると出血しやすくなるのです。

キーゼルバッハは毛細血管が豊富で、粘膜も薄く、さらに鼻の入り口に近いので、指で触ったり、外界からの刺激などで、すぐに出血を起こすことがあります。 小児の鼻出血はほとんどがこの場所です。

一方、全身的原因には、血友病、紫斑病などの血液の病気や肝臓病、さらには高血圧など血管から出血しやすくなる病気により、鼻血が出ることがあります。

血友病
血友病とは、出血を止める「血管」「血小板」「血液凝固(ぎょうこ)因子」の3つの要素のうち、血を固めるための「血液凝固因子」が生まれつき不足または欠乏している病気です。 そのため、けがや打撲などでいちど出血をすると、血が止まるまでに時間がかかります。
紫斑病
紫斑病とは、血管炎を引き起こす病気の総称です。 発症者の約 9 割が 3 ~ 10 歳で、子供を中心に発症する傾向がありますが、大人が発症した場合は、腎炎などの合併症を引き起こすことが多いです。
高血圧
高血圧とは、安静状態での血圧が慢性的に正常値よりも高い状態をいいます。 高血圧になると血管に常に負担がかかるため、血管の内壁が傷ついたり、柔軟性がなくなって固くなったりして、動脈硬化を起こしやすくなります。

また、生活習慣病などで動脈硬化が進み、血管壁が弱まることが原因で鼻血が出ることがあるので、注意が必要です。

もし、頻繁に鼻血が出るという人は、1 度、精密検査を受けることをおすすめします。

さて、ちょっとした鼻血、つまり、局所的な鼻血の処置法として、一般的に行なわれているティッシュを鼻に詰めて止血するのは正しいのでしょうか?

これは残念ながら誤りです。ティッシュを詰めると、逆に鼻の粘膜を傷つける可能性が高く、うまく傷口を圧迫することも困難です。

その結果、さらに出血をうながすことも考えられます。また、鼻血が出たら上を向いたり、うなじをトントン叩いたりすると鼻血が止まるというのも医学的には迷信です。

それでは、鼻血が出た時、どのように対処したらいいのでしょう?まず、俗に小鼻(鼻翼) と言われる場所を親指と人差し指で 5 分以上、強く圧迫してください。これで、ほぼ出血は止まります。さらに、鼻の上部(目と目の間) を氷嚢で冷やすと止血効果がさらに高まります。

けが・外傷

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