水の不思議な構造

はどのような構造になっているのでしょうか。化学記号で表わせばH2Oとなります。つまり水の構造は水素原子2つと酸素原子1つからなる分子です。

しかし、液体の水は単にH2Oという存在ではなく、互いに分子間力で結ばれ、エネルギーをやりとりする、ネットワークのような構造になっています。

液体の水はH2O分子単独の単なる集合体ではなく、水分子同士が水素結合したH2Onのような会合体からできていると考えればよいでしょう。しかし、このnの値がいくつなのかはまだわかっていないので、水の構造もまだ完全に解明されているわけではないのです。

つまり、20~30個の水の分子群が、瞬時に動いて再構成されていくということなのです。従来の水のイメージとはかなり異なりますが、これが水の姿ということができるでしょう。

水の構造がなぜ決まらないのか。その理由はわかっています。それは、水が10-12秒という極めて速い速度で絶えず変化しており、nの値が外的条件によって変化しているからです。水分子は酸素原子と水素原子とが104.5度の角度で結合しています。

酸素原子と水素原子の結合電子対は、酸素原子の電気陰性度が水素瞭子に比べて大きいため、いくぶん酸素憤子側へ偏っています。その結果、酸素原子はややマイナスに、逆に水素原子はその分少しプラスに、それぞれ帯電しています。

水分子中のマイナス電荷をもつ酸素原子と、プラス電荷をもつ隣りの水分子の水素原子との間にクーロン力が働き、水素結合を形成します。すなわち、液体の水は水分子が水素結合により集合したH2Onのような「かたまり」(クラスタ を形成していると考えればわかりやすいでしょう。

このnの値が外的条件によって変化することによって水の構造が変化し、その結果、水の性質が変わるのです。よく耳にする水の活性化、あるいは活性水なども、このことと密接に関係しているものです。

韓国の研究によれば、常温の水には、主として水分子が水素結合によって5つ集まった5員体および6つ集まった6員環が存在するといいます。

このうち、常温では5個集まった五員環構造が最も安定しており、温度が下がると6個集まった六員環構造の水の割合が増加します。そして、六員環構造の水は生理活性が高いのです。

雪どけ水は、鳥のヒナの発育を早めるなど特異な活性をもつのですが、これは水のこのような微細な構造の変化と関係しています。

水のおいしさについても、このような構造と密接な関連があるはずですが、科学的にはまだ解明されていません。

おいしい水、まずい水 | 今さら聞けないミネラルウォーターの知識

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