氷の種類と結晶の構造

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11種類の氷のうち常圧下に存在するのは、氷Ih 、水Ic 、およびガラス質氷の3種類です。

氷Ic はマイナス100度以下に冷却した金属面に、水蒸気昇華凝結させると生じます。また、ガラス質氷はマイナス160度以下の低温で水蒸気を急速に
凝結させると生成するといわれています。

これらの水は無定型の氷なので、詳しいことはわかっていません。また、いずれも特殊な条件下で生成されるので、私たちの実生活には無関係です。

私たちが日常生活で接している唯一の氷は氷Ih で、常圧下の40度以下で生じます。X線で水の構造を調べると、きれいな格子に見えるのですが、酸素が5個規則正しく並んでいて、4個のH2Oを形成して正四面体構造をしているのです。と同時に、六方晶構造を形成しているのが氷の姿なのです。

氷Ih 、氷IcのⅠはローマ数字のIであり、hは六方晶を、cは立方晶をそれぞれ意味しています。

氷は液体から固体の水に変わるとき、体積が増加する極めて特殊な物質ですが、これは氷のなかでも氷Iだけの性質で、すべての氷にあてはまるものではありません。

現在、最も高圧下でできると思われている水は水Ⅱと水Ⅲだといわれています。これまで氷に最も高い圧力をかけた実験は、1963年の南アフリカのピストリウス博士らが行なった20万気圧ですが、水Ⅶより密度の高い水をつくることはできませんでした。

た、アメリカの南極観測隊が南極氷床の底までボーリングして測定したことが知られていますが、その深さは2165メートルでした。

博士らが実験した20万気圧の約700分の1であるから、当然のことながら高圧水ではありません。つまり、地球上にはここのような高圧氷は存在しないのです。ただし、東京大学の松井孝典教授によれば、太陽系では、太陽から遠く離れた木星や土星には存在するらしいのです。木星や土星などの衛星の表面は分厚い水で覆われており、ここには高圧氷が存在しているだろうという見解です。

このように、高圧水の研究は太陽系がどのように生成されたか、その解明にも役立つものと思われます。