浄水器でもクラスターは変わるのか?

水分子のクラスターが小さいほど、おいしくて、健康にいい水だ」というのは次のような実験を根拠にしています。

水のおいしさは、水に含まれるミネラルにも関係するとされてますが、浄水器を通すと、ミネラル量は変化しないにもかかわらず味がよくなることがあります。これは水が浄水器を通ることによって起こった、水分子の断裂に関係しています。

最近は高機能で手軽に浄水できるピッチャータイプの浄水器もたくさんあります。

また、カルシウムなどの金属イオンが含まれていると、水の味がよくなるのは、水中の金属イオンが水分子同士の水素結合を切断し、その水分子が金属イオンの周りを取り囲んで、小さな水分子集団を作るからです。

小さな分子集団の水がおいしいのは、この集団が舌の味蕾にすっぼりはまるから、考えられます。また、クラスターの小さな水は代謝スピードを速めるので、これで作ったウィスキーの水割りは悪酔いしないとも言われています。

そこで、水を浄水器に通すと、水のクラスターがどのように変化するかを調べることにしました。文京区の水道水をいろいろな浄水器に通して、そのクラスター値を測定しました。

20度の水のクラスター値は、140Hzでした。最初に活性炭だけを使った最もシンプルな浄水器に通したところ、水分子は小さくなり、60Hzになりました。

次に普通のフィルターと活性炭の組み合せの浄水器に通したところ、55Hzになりました。ところが、中空糸膜と活性炭でできた高性能の浄水器に通すと、103Hzであまり小さくなっていませんでした。電気分解で浄水する最新の浄水器に通すと、94Hzとなって、やはり水分子のクラスターはあまり小さくなっていないことがわかりました。

これらの結果を考えあわせると、水分子のクラスターは、単純に小さければ小さいほどいいとはいいきれないことになるのです。むしろ、水のおいしさは、クラスターの小ささとは無関係のように思われました。

確かに水分子のクラスターの大きさは、水の性質の何かを表わしていることは間違いないと思われるのです。クラスターを単独で水分析の指標として使うのは、現段階では困難です。