さて、氷のほかに私たちの生活の中で欠かせないのが雪があります。雪と氷はともに、固体のH2Oであると同時に、結晶状態でのH2Oであり、本質的には差がないはずです。
しかし、見た目にも大きな違いがあるのはなぜでしょうか?ある博士は「雪は天から送られた手紙である」と述べています。
確かに天から降りてくる雪には、いろいろな形があり、それを見ているとロマンチックな気分になります。しかし、いろいろな形態の雪の結晶ができるのはなぜなのか。そもそも雪とは一体何なのでしょうか。
水は太陽エネルギーによって地上と大気との間を循環しています。地上から蒸発した水蒸気は上空で冷却され、雪や雨になって地上に落下します。雪の状態で落下する場合、落下途中の条件によって各種の形状が生まれます。
改めて、雪と氷はH2Oの固体の結晶状態であり、本質的な差はないのです。両者の生成機構が異なるだけです。すなわち、気体の水蒸気が昇華凝結した昇華氷が雪であり、液体の水が凍結した凍結氷が氷です。
雪の結晶形は温度と湿度との影響を受け、代表的な樹枝状六花形雪結晶は-14~18°の範囲内で、かつ湿度の高い条件で生成されます。
これより温度が高くても低くても、角柱状結晶になってしまうのです。
しかし、実際に降ってくる雪は、雪が生まれた上空の条件や地上に着くまでの途中の条件によって、蒸発してしまったり、とけたりしながら、一度できた結晶がくずれ、さらにいくつもからみ合って、いろいろな形になります。
牡丹雪は、そのような状況で生まれた雪で、この場合は結晶形が見分けにくいのです。
地上に降った新雪は外気にさらされ、時間とともに結晶が変態し、2~3日から1週間くらいで氷の粒子に変わります。互いに結合し密度を増して、いわゆる、しまり雪、さらに、ざらめ雪へと変化していくのです。
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