網膜の動脈硬化で目に酸素や栄養が届かなくなると、黄斑変性が起こる
最近になって急増している目の病気といえば、黄斑変性です。(黄斑変性はこちら)欧米では中途失明原因の第1位に挙げられる病気ですが、日本でも増えつづけ、いまやわが国でも中途失明原因の上位を占めるようになりました。
黄斑変性とは、目の網膜の中心にある黄斑部という部分に異常が起こり、深刻な視力障害を引き起こす病気です。現時点では決定的な治療法が見つかっていませんが、つい先ごろ、世界初のIPS細胞を用いた臨床研究が承認され、注目を集めています。
この研究は患者さん自身の皮膚から作ったIPS細胞を網膜の黄斑部に移植するというもので、予定どおりすすみ、2015年にも第一号の移植手術が行われました。しかし、正式に安全性が確認されて実用化されるまでには、少なくとも10年以上かかると予測されています。黄斑変性の方にとっては、治療が幅広く普及するのを待ってはいられません。研究の推移を見守りながらも適切な対策を取って、黄斑変性の予防・改善に努めることが大切です。
黄斑変性は、主に2つの原因によって起こると考えられています。まず、1つめの原因は視細胞の老化です。黄斑部には、ものを見るための重要な視細胞が集中しています。視細胞は常に新陳代謝をくり返していますが、年齢を重ねるにしたがって目に蓄積された老廃物を処理する働きが衰え、黄斑部にたまりやすくなります。そのたまった老廃物が黄斑部を圧迫することによって、ものを見る機能が低下します。
2つめの原因は、動脈硬化による目の血行不良です。血流の悪化が原因で視細胞に酸素や栄養が行き渡りにくくなると、それを補うために本来の血管ではない「新生血管」という血管が作り出されます。新生血管は通常の血管とは異なり、急ごしらえで作られた血管なので、非常にもろく簡単に被れて出血を起こします。こうして新生血管からもれた血液が黄斑部をさらに圧迫した結果、視細胞が死んでしまい、急激な視力低下や失明の危険を招くのです。
このタイプの黄斑変性は「滲出型」と呼ばれています。黄斑変性による失明を防ぐためにも、まず心がけたいのが生活習慣の見直しです。
栄養バランスの偏った食生活、過剰なストレス、運動不足、喫煙といった生活習慣の乱れは血糖値やコレステロール値の上昇を招き、動脈硬化につながります。特に細い血管が集中する目にはその影響が現れやすく、やがて網膜の視細胞に酸素や栄養が行き渡りにくくなってしまいます。つまり黄斑変性は、動脈硬化が原因となる高血圧や糖尿病、脳卒中、心臓病などと同じょうに生活習慣病の1つと考えられるのです。
ビルベリーを黄斑変性に応用するヒントは母の目の黄斑変性
母も黄斑変性になりました。母がなった当時は治療が困難だったこともあり、黄斑変性の根治につながる治療法を模索しつづけてきました。
その過程で出合ったのが、北欧産のビルベリーだったのです。ビルベリーの主成分であるアントシアニンは抗酸化カが非常に強く、目の血流を大幅に増やして網膜の動脈硬化を抑えます。その結果、視細胞に十分な酸素や栄養が行き渡るようになり、新生血管の発生も抑えられて、黄斑変性の発症や進行を防ぐことができると考えられます。
それを確かめるため、私は黄斑変性の方、30人に、ビルベリーを試してもらいました。すると、飲みはじめて半年後には全員の視力が向上し、視界のゆがみやぼやけも改善。しかも驚くべきことに、4人の方は症状が治まっていました。
さらに、眼底検査を行ったところ、ほぼ全員の網膜から新生血管が消失、または減少していることが確認されました。黄斑変性になると黄斑部が出血して、その周囲はろうのような変性脂質の塊で覆われるようになります。変性脂質とは変質した不要な脂肪のことで、網膜の血流が悪化すると黄斑部にたまりやすくなります。ところが、ビルベリーを飲んだ後は、黄斑部の変性脂質が溶かされ、きれいになくなった方もいたのです。
この結果からもわかるように、ビルベリーエキスは目の血流を活発にし、網膜の動脈硬化を抑えて、緑内障や黄斑変性に優れた改善効果をもたらします。不規則な食生活や運動不足、喫煙などを見直すと同時に、ビルベリーをふだんの生活に取り入れることをおすすめします。
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