下準備 まぐろをおいしく食べるために大事です。刺身は見た目がものを言う。そこで、盛りつけ以前に気を遣わなければならないのが刺身本体の鮮度。そして、とりわけ鮮度を印象づけるのが「色」。
下準備 まぐろをおいしく食べるために大事
たとえば、冷凍マグロをサクで買い、お客さんにふるまうために冷凍庫に入れておくとする。使うときには解凍するわけだが、その解凍のやり方を誤ると変色してしまう。よくありがちなのは、冷蔵庫に入れて自然に溶けるのを待つ、というやり方だが、この方法は間違っている。冷蔵庫に放置しておくと、真っ赤な汁と共にうまみが流れ出て、おまけに色まで褐色に変わってしまうのだ。
これは、魚肉の表面の色素が酸化するために起こる現象。少々の変色なら味に影響はないが、見た目でかなり損してしまうだろう。ではどうするかというと、決め手は解凍の速度と温度。変色というのは通常、マイナス3~7℃ の温度帯で生じるといわれる。そこで、解凍させるとき、この温度帯を素早く通過させればいいのだ。そう、解凍はゆっくりよりスピーディに、が正しい。まずサク全体が浸る分量の塩水を用意する。水カップ2杯半に対し、塩大さじ1というのが目安。
これを40℃ くらいに温めてサクを入れ、1分ほど浸す。表面がやわらかくなつ70たら取り出し、キッチンペーパー、ラップの順に包む。これを5℃ 前後の冷蔵室に20分ほど入れると食べごろになる。つまりこれ、変色しやすい温度帯を超スピードで走り抜けるための作戦。色鮮やかに解凍され、見た目にもおいしいマグロと対面できる。
まとめ
まぐろをおいしく食べるためには、ちょっとした下準備が味を大きく左右します。とくに、刺身や丼で食べるときに効果的なポイントを以下にまとめます。
まぐろをおいしくする下準備ポイント
① 表面のドリップ(赤い液体)をしっかり拭き取る
まぐろのパックにたまっている赤い液体は「血液や旨味成分がにじみ出たドリップ」で、これをそのままにしておくと生臭さや酸化臭の原因になります。
→ キッチンペーパーでやさしく拭き取るのが基本。
② 塩や酒で"ひと手間"かける
【方法例】
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軽く塩をふって5〜10分置き、出てきた水分を拭き取る
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または、酒(日本酒や料理酒)をふって3分置き、ペーパーでふき取る
→ 臭みが減り、まぐろの旨みが引き立ちます。
③ 冷蔵庫から出したら、すぐに切らず常温に戻す
まぐろは冷たいままだと風味が感じにくく、脂も固まっています。
→ 10〜15分ほど室温に置いてから切ると、より口どけが良くなります。
④ 切る直前に包丁を温めておく
温めた包丁(お湯で温めてよく拭く)を使うと、身がつぶれにくく、美しい断面で切れます。
⑤ カットの方向にも注意
繊維に対して**直角に包丁を入れる(垂直に切る)**と、やわらかく口当たりがよくなります。
ひと工夫でさらにおいしく
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ごま油+塩 or わさび醤油に漬けて15分程度置くと、漬け風になり旨味UP
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柵で買った場合は、食べる1~2時間前に切って寝かせると味がなじんでおいしくなります
まぐろの脂はコレステロールを下げる作用もあるが意外に知られていない。
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