「化学物質過敏症」について

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ある日、突然、立っていられない程の目まいや頭痛、吐き気がおそってくる。何も思いあたる節はなく、医者にいっても更年期障害や自律神経失調症で片付けられる。

体調はいっこうに良くならず、日に日に悪化していく傾向すらある。ここ数年、こういった症状を訴える人が急増している。とくに女性に多いが、子供からお年寄りまで、年齢に偏りはない。どうしてこのようなことが起こるのか?

いまのところ、原因は明らかにされていない。ただ、症状を訴える人たちの生活状況から判断すると、家の内装に使われる接着剤や、防虫剤、合成繊維など、普段、何気なく使っている化学物質に問題があるのではないかと考えられている。長年にわたり、大量のダニよけ剤を使い続けてきた女性が、ある日美容院に出かけ、パーマをかけた直後に、のどの痛みと微熱におそわれた。その症状はなかなか回復せず、家に戻ってじっとしているとかえって悪化していくようだった。

その頃から、彼女は、身の周りにあるさまざまな化学物質に反応するようになる。香水や殺虫剤を使用すると激しい頭痛がし、合成繊維の洋服やシーツに触れると体がかゆくて仕方ない。やがて、住宅の壁に使用されていたビニール製の建材にも反応するようになり、引っ越しを余儀なくされた。

これが「化学物質過敏症」といわれるものだ。ごく微量の化学物質によって、頭痛や吐き気、自律神経系の異常などをきたす症だ。米国では、もう40年も前から研究がすすめられている。長期間にわたり化学物質を蓄積していき、体が過敏になって、ちょっとした量の化学物質にも反応してしまうようになる。

適切な治療法はなく、ビタミン剤を服用して解毒を促したり、サウナで汗を流して毒素の分解・排泄を促すなど、苦肉の策がとられている。これと似たような症状を引き起こすもので、「シックハウス症候群」とよばれているものがある。合板家具の接着剤や、防かび剤が施された新建材に含まれる「ホルムアルデヒド」が原因。ホルムアルデヒドは、殺虫剤などに含まれるが物質が気化した有毒ガスで合成樹脂の原料にも用いられている。

このガスによって汚染された空気を長く吸い続けると、体調を崩してしまう。シックハウス症候群は原因がはっきりしているだけに、自然素材の建材を使用したり、室温を調節してホルマリンを全部気化させ、強制的にガス抜きしたりと、何らかの対処法がとられている。

ただ、家を新築したとき軽いシックハウス症候群にかかり、そのままにしておいたら、数年後には、文具の修正液にも反応を起こすような、ひどい化学物質過敏症がおきたケースもある。

いま、目に見えるような反応がないからといって、けっして侮ることはできないのだ。化学物質を大量に浴びたり、長期間の接触を避けることが、唯一の予防策のようだ。さいきん日本でも患者団体が結成され、環境庁も実態の解明に乗り出す。

知っておきたい危ない化学物質ではホルムアルデヒドをはじめとして人体に影響のある科学物質を紹介している。