「 化学物質過敏症 」 について です。ある日、突然、立っていられない程のひどい 目まい や 頭痛 吐き気 がおそってきます。何も思いあたる節はなく、医者にいっても更年期障害や自律神経失調症で片付けられてしまいます。かなり強い症状がでて病院でさまざまな検査をしてもわからないと言われてしまいます。病院難民になってしまう人もいます。
化学物質過敏症 とは一体どのようなものでしょうか。
化学物質過敏症 は、洗剤、柔軟剤、アルコール消毒剤、芳香剤などの日常生活で私たちが何気なく使用しているものに含まれる化学物質に接触することで、頭痛や倦怠感、不眠など多岐にわたる症状があらわれる疾患です。 発症するとごくわずかな化学物質に対しても敏感な状態となります。
体調はいっこうに良くならず、日に日に悪化していく傾向すらあります。ここ数年、こういった症状を訴える人が急増しています。現代人特有の症状なのでしょうか。
症状で代表的なものは
- 自律神経障害:発汗異常、手足の冷え、頭痛、易疲労性
- 内耳障害:めまい、ふらつき、耳鳴り
- 気道障害:咽頭痛、口渇
- 循環器障害:動悸、不整脈、循環障害
- 免疫障害:皮膚炎、喘息、自己免疫異常
- 運動器障害:筋力低下、筋肉痛、関節痛、振せん
- 消化器障害:下痢、便秘、悪心
などです。
とくに女性に多いのですが、子供からお年寄りまで、年齢に偏りはありません。どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?
いまのところ、原因は明らかにされていませんただ、症状を訴える人たちの生活状況から判断すると、家の内装に使われる接着剤や、防虫剤、合成繊維など、普段、何気なく使っている化学物質に問題があるのではないかと考えられています。
長年にわたり、大量のダニよけ剤を使い続けてきた女性が、ある日美容院に出かけ、パーマをかけた直後に、のどの痛みと微熱におそわれました。その症状はなかなか回復せず、家に戻ってじっとしているとかえって悪化していくようでした。
その頃から、彼女は、身の周りにあるさまざまな化学物質に反応するようになる。香水や殺虫剤を使用すると激しい頭痛がし、合成繊維の洋服やシーツに触れると体がかゆくて仕方ないのです。
やがて、住宅の壁に使用されていたビニール製の建材にも反応するようになり、引っ越しを余儀なくされてしまいました。
これが 「 化学物質過敏症 」 といわれるものです。ごく微量の化学物質によって、頭痛や吐き気、自律神経系の異常などをきたす症状です。
米国では、もう40年も前から研究がすすめられています。長期間にわたり化学物質を蓄積していき、体が過敏になって、ちょっとした量の化学物質にも反応してしまうようになります。
適切な治療法はなく、ビタミン剤を服用して解毒を促したり、サウナで汗を流して毒素の分解・排泄を促すなど、苦肉の策がとられています。
これと似たような症状を引き起こすもので、「シックハウス症候群」とよばれているものがあります。
合板家具の接着剤や、防かび剤が施された新建材に含まれる「ホルムアルデヒド」が原因。ホルムアルデヒドは、殺虫剤などに含まれるが物質が気化した有毒ガスで合成樹脂の原料にも用いられています。
このガスによって汚染された空気を長く吸い続けると、体調を崩してしまいます。シックハウス症候群は原因がはっきりしているだけに、自然素材の建材を使用したり、室温を調節してホルマリンを全部気化させ、強制的にガス抜きしたりと、何らかの対処法がとられています。
ただ、家を新築したとき軽いシックハウス症候群にかかり、そのままにしておいたら、数年後には、文具の修正液にも反応を起こすような、ひどい化学物質過敏症がおきたケースもあります。自宅を作る際に少しの材料費をけちったことが原因でこうした症状に悩まされてしまう人もいます。
いま、目に見えるような反応がないからといって、けっして侮ることはできないのです。
化学物質を大量に浴びたり、長期間の接触を避けることが、唯一の予防策です。さいきん日本でも患者団体が結成され、環境庁も実態の解明に乗り出すようです。
化学過敏症 対策
- バランスのとれた食生活 ビタミンやミネラルをバランス良く摂取するとともに、なるべく農薬の使われていない食材を選ぶ
- 適度な運動や発汗 運動や入浴による発汗の促進、新陳代謝の活発化
- 生活環境の改善 こまめな換気や掃除、症状が出る製品、物質は使わない、身近に置かない
身の回りの化学物質はできるだけ早く戸外に出して処分する
以下のものがある場合は、優先的に処分しましょう。
- 防虫剤(衣類用など)
- 芳香剤・消臭剤(居室用、トイレ用)
- 合成界面活性剤を使用した製品 合成洗剤(洗濯用、台所用、洗面用、歯磨き剤、トイレ用、浴室用、シャンプー、ボディーシャンプー)、柔軟仕上げ剤(リンス、衣類用)、洗浄剤(パイプ用、トイレ用、コンタクト用)、化粧品、避妊薬など
- 塩素系漂白剤
- 整髪料、化粧品、香水
- 殺虫剤、蚊取り線香、線香
- 合板の家具(刺激を感じる場合や、新品の場合)
- 一般の植木・鉢植え など
化学物質の揮発を最小限に抑える
必要のないものはできるだけ処分するか、屋外に出しましょう。
- 屋内に置いてあるものが多くなればなるほど、それに吸着・付着している化学物質の揮発が多くなります。
- 新聞、書籍にも注意が必要です。屋外で空気にさらしてインクなどを飛ばし、読む時のみ屋内に持ち込みましょう。保管する場合はポリエチレンの袋等に入れ、必要がなくなったらすぐに屋外に出しましょう。
汚染されていると思われても処分できないものは、ポリエチレンの袋等で密封して保管。
知っておきたい危ない化学物質 ではホルムアルデヒドをはじめとして人体に影響のある科学物質を紹介していますが、これ以外にもたくさんの問題物質がありそうです。
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