「 変死 」 というと、TVの影響が大きいのか?なんだか事件めいた印象を受けますが、これが案外日常的にあります。
変死 の意味は、事故死・他殺・自殺など、ふつうでない死に方で死ぬことです。
変死 に至る経緯
たとえば、夜中に家の人が倒れ、死んでしまったとします。近所のお医者さんに連絡して来てもらうと、お医者さんは死亡を確認します。そのお医者さんがかかりつけで、故人のカルテを持つていればいいが、そうでないとき、お医者さんは警察を呼びます。
つまり、病歴がわからない、あるいは原因不明の 突然死 の場合、お医者さんは死因の判断を下せないのです。ただ死亡を確認するだけ。こういう場合、死因は警察に同行した監察医(死因を解明するために、現場に立ち合って死体を調べる医師のこと)によって判断されます。
事故や自殺の可能性を調べ、必要によっては解剖にまわすことになります。では、家の人が倒れた時点で救急車を呼んだ場合はどうでしょうか。
救急車は死体を乗せられないことになっています。ところが、死亡を確認するのはお医者さんに限られているから、明らかに死んでいるとわかっていても、とりあえず病人として救急車に乗せ、病院へ向かいます。
もちろん、車内では救急救命士がさ蘇生術を施しますが、完全に死んでいたらそれもむなしいものです。こうして救急車に乗った死人は、病院でお医者さんによりはじめて死亡が確認されます。
つまり 「 変死 」 かどうかは死亡を確認する役目の医者がいた場所によって決まるということです。
コロナ と 変死
コロナ 8月の 変死
例えば、2021年8月コロナの変死体の調査では、変死などによる遺体のうち、月別で過去最多となる29都道府県の250人が新型コロナウイルスに感染していたことが13日、警察庁への取材で分かった。感染力が強いデルタ型などによる第5波の影響とみられる。昨年3月からの合計は817人となった。
警察庁によると、男性が184人、女性は66人。年代別では10代1人、20代5人、30代23人、40代34人、50代が最多の74人、60代40人、70代41人、80代28人、90代4人だった。
218人が自宅や高齢者施設、宿泊施設などで容体が悪化して死亡し、32人は外出先で発見された。生前に感染が確認されたのは132人で、死後に判明したのは118人だった。158人はコロナが死因と判断された。
都道府県別では東京が最多の112人、埼玉23人、神奈川22人、大阪20人、千葉19人、愛知7人、兵庫6人、沖縄5人、静岡4人、北海道、茨城、京都が3人、宮城、福島、栃木、三重、熊本、大分が2人、青森、富山、石川、山梨、長野、岐阜、滋賀、奈良、岡山、広島、福岡が1人。
コロナ 7月の 変死
全国の警察が7月に扱った変死などによる遺体のうち、8都府県の31人が新型コロナウイルスに感染していたことが10日、警察庁への取材で分かった。31人のうち20人の死因が新型コロナウイルスによるものとされた。昨年3月からの合計は567人となった。
コロナでなくなった7~8月の変死ですらこれほどの数になります。
全国の警察が昨年3月以降に変死などとして扱った遺体のうち、197人が新型コロナウイルスに感染していたことが警察庁への取材で分かっています。今月は自宅や施設で体調が急変するケースが目立っているようです。コロナによる変死の増加も大きな問題ですが、いつ症状が悪化するかなどわからない部分が多く対応策はまだまだ遠いようです。
日本で起こった 変死
●医療事故
豊乳手術で死亡
福島から上京した主婦(26歳)が、整形外科医院で乳房の整形手術を受けたが、そのあと突然死亡するという事件が起きた。死亡した女性は1月末に整形手術を受けたが、効果が思わしくないので再度同病院でシリコン注射をうった。その直後から容態がおかしくなり、死亡したもの。死因は不明という。(1967.2.22)
肝臓移植で初めての死亡
島根医科大で日本初の生体肝臓移植手術を受けた山口県岩国市の1歳9ヵ月の幼児が、8月24日多臓器不全のため死亡した。父親の肝臓の一部を移植してから285日目のことである。ただしこれは、医療事故でも変死でもない。(1990.8.24)
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