ジェネリック医薬品 の 効き は同じか? 疑問に思う方も多いと思います。通常の薬より安価ですから不安に思う方もいるでしょう。
ジュネリック医薬品とは、特許権が消滅した先発医薬品について、特許権を持っていなかつた医薬品メーカーが、その特許内容を利用して製造した、同じ成分の安価な薬です。同じ成分ですから心配はありません。
「後発薬」とも言われます。医療費削減を目指す厚生労働省は、この薬の使用促進を図るため、2006 年から処方箋の様式を変更、患者さんが希望し、医師の署名があればこの薬を使えるようにしました。
薬局でアンケートのようなものを書く項目の中かに「ジェネリック医薬品でもいいか?」といった希望の有無を書く欄があるはずです。そこでジェネリック医薬品でもいいと書くとジェネリック医薬品が優先的に処方されます。
ただし、ジェネリックにない薬もありますのでそういった場合には適用されません。新薬のような薬はジェネリック医薬品にない薬もあります。
同年の調査によると、当初の処方箋どおりに調剤した場合に比べ、ジュネリック医薬品へ変更した場合の薬代は 34 % も低下した、ということです。薬代が安くなれば、患者さんの治療費負担が軽減し、国家レベルの医療経済も莫大なコスト削減が期待できる。これが、この政策の要諦ですが、現実的に普及するまでには、まだまだ時間がかかると言わざるをえません。
なぜなら、臨床現場には、後発薬の効果について疑義を持っている医師たちもいるからです。「薬をジュネリック医薬品に変えたら、血圧が思うように下がらない。睡眠導入剤を使ってもよく眠れない」などと患者さんに訴えられ、元の薬に戻すケースも少なくありません。
これは私見ですが、成分が同じ薬でも、コーティングの材料が少し違っていたり、製造工程の微妙な違いがあったりすると、体内での薬の溶け方や代謝時間、効きめは違ってくるのではないかと思います。
先発薬は長い年月をかけて開発し、臨床試験を経て、医療現場に導入されますが、ジュネリッタ医薬品は成分が同じということだけで、臨床的に同じ効果があるのかどうか十分に確かめないまま1 ~2年で承認されてしまいます。薬効や安全性についても、新薬でエビデンス(医学的根拠) が確立しているから後発薬には必要ないということでしょうが、やはり、ここが一番問題ではないかと臨床医として感じます。
医療費の一番のコスト削減は、まず、病気で倒れないこと、病気になったら、すばやく、効果的に治すことだと思います。
ジュネリック医薬品がそれに寄与できるのか、医療関係者はもちろん、患者さんや読者のみなさんも注視する必要があると思います。