7色の野菜を毎日食べて体を若返らせる

腸内フローラを理想のお花畑に育するには、食事に気をつけるだけでなく、体内で発生する活性酸素を減らすことも非常に重要です。

活性酸素は、腸内細菌にダメージを与えるだけでなく、テロメアを短くし、免疫機能にも悪影響を及ぼします。糖尿病や脳梗塞、心筋梗塞の原因にもなりますし、ガン細胞を発生させるのも、活性酵素です。

脳の海馬に活性酸素が作用すると、認知症やアルツハイマー病が発生するという実験結果もあります。日本人に多い病気のほとんどに、活性酸素は関与しています。活性酸素を発生させないように生活習慣を変えることがとても重要です

かなりの悪さをしでかす活性酸素です。体もされるがままにはなっていません。人体には、活性酸素を消す酵素が備わつていますが、困ったことに、この酵素は加齢とともに減っていってしまうのです。活性酸素を除去する酵素が体内で減っていくときから、人体では老化が始まります。

人体の活性酸素を除去する力が衰えていくのは自然現象なので、防ぎようがありません。しかし、活性酸素の除去は、自分の力でも行えます。それには第1に、よく噛んで唾液をたくさん出すこと。第2は、抗酸化力の高い食品を食べることです。

抗酸化力のある食品は、すべて植物性です。植物に含まれる化合物「フィトケミカル」に、強力な抗酸化力があります。植物には、炭酸ガスを吸って、酸素を出す働きがあります。酸素は活性酸素に変質しやすく、活性酸素は植物にとっても危険な物質です。そこで、植物はフィトケミカルと呼ばれる抗酸化物質をたくさん保持することで、活性酸素の書から自分を守るようになったのです。

フィトケミカルは、植物の「色素や香り、辛み、苦み」などをつくる成分です。たとえば、植物の色素やアクの成分で、葉や花、茎、樹皮などに含まれるポリフェノール、緑黄色野菜や海藻に含まれる色素成分のカロチノイド、ネギ類の香りや、大根やカラシ菜など辛みの成分であるイオウ化合物、ハーブ類や柑橘類の香りや苦みの成分であるテルペン類、キノコに含まれる不消化多糖類のβー1グルカンなどです。

これらはフィトケミカルを大別した種類の総称であり、フィトケミカルは確認されているだけで約1000以上もの種類があるといわれます。

フィトケミカルと聞くと耳慣れないかもしれませんが、今、世間でさかんに体に良いと叫ばれている植物性成分の多くは、フィトケミカルです。トマトのリコピンも、ビタミン類も、フィトケミカルの一種です。

植物がフィトケミカルを持つようになったのは、抗酸化力のほか、外敵から身を守るためという側面があります。動くことのできない植物は、刺激的な香りや辛み、苦みによって、虫や動物などの外敵を寄せつけない防衛機能を働かせているのです。また、鮮やかな色は、紫外線から身を守るためのものです。

ですから、植物性食品は、色・香り・辛み・苦みのより強いものを好んで選ぶようにすればフィトケミカルを豊富に摂れます。同じ食品であっても、ハウス育ちの野菜より、旬の露地栽培したキュウリとかナスなどの野菜のほうが、フィトケミカルの含有量は多くなります。旬や盛りの野菜が体に良いのは、露地栽培されているからです。

また、野菜の色で食卓を飾るのも良い方法です。同色の野菜には、同じようなフィトケミカルが含まれます。フィトケミカルの第一の効能は抗酸化作用ですが、それぞれに体に良い作用を持っています。ですから、色違いの野菜を毎日食事で揃えると、さまざまなフィトケミカルを摂れ、多角的に健康増進ができることになります。

おすすめするのは、「赤・オレンジ・黄・緑・紫・黒・白」の7色の野菜や果物をできるだけ毎日食べることです。たとえば、赤はトマトやトウガラシ、オレンジはミカンやニンジン、カボチャ、黄はレモンやトウモロコシ、緑はホウレンソウやブロッコリー、紫はナスや黒豆、黒はゴボウやお茶類、黒ゴマ、自はキャベツやニンニク、ネギなどです。これらは一例ですが、1日3 食トータルで7色揃うように食べるとベストです。

また、フィトケミカルは皮や茎の部分に豊富に含まれます。野菜はできるだけ丸ごと料理に使うようにすると、体内の抗酸化力をより高めることができるでしょう。

抗酸化ビタミンはこちら。

悪玉菌がいなければ生きていられない

「善玉菌たっぷり、日和見菌まずまず、悪玉菌は少なめ」が腸内フローラの理想形です。日和見菌という菌は、善玉菌が多いときには、良い働きをするのですが、悪玉菌が増えると悪さをします。善玉菌が増えると腸内フローラが整うのは、日和見菌に良い働きをさせることにも理由があります。

では、なぜ腸には悪玉菌と呼ばれる菌が存在するのでしょうか。悪玉菌というその名から、ここに分類される腸内細菌は、体に悪い菌だと思われがちです。しかし、それは間違いなのです。人体に悪い菌ならば、病原菌などと同様に免疫システムはこれを異物とみなし、排除するはずですが、免疫システムは、悪玉菌の存在を認め、腸に棲むことを許しています。なぜなら、悪玉菌も人体に重要な役目を果たしているからです。

悪玉菌の代表・大腸菌を例に、その働きを見てみましょう。まず、大腸菌は、O-157など有害な菌が侵入してきたとき、排除のためにいち早く動き出す番兵の働きをしています。また、食物繊維は腸内細菌たちの大好物ですが、大腸菌には、食物繊維の1つで水に溶けない不溶性のセルロースを分解する働きがあります。セルロースは野菜類に多く含まれていますが、私たちはセルロースを分解する酵素を持っていません。そこで大腸菌などの腸内細菌たちがせっせとセルロースを分解してくれています。しかも、その過程で人体の働きに重要なビタミンを合成してくれているのです。

私たちは大腸菌がいなければ生きていられません。ところが、人間は彼らを「悪玉菌」と呼んで悪者扱いします。その理由とは、悪玉菌は数を増やすと、タンパク質やアミノ酸を分解し、アンモニアや硫化物、アミンなどの有害物質をつくりだすためです。これらの物質は体各部の臓器を傷つけ、脳卒中や心筋梗塞、動脈硬化、高血圧症、ガンなどの生活習慣病の発生を引き起こします。老化の原因にもなります。ですから、「悪玉菌」と不名誉な名で呼ばれてしまうのです。臭いのきついウンチやオナラは、腸内で悪玉菌が増えている証ですので、注意が必要です。

要するに、問題なのは、大腸菌をはじめとする悪玉菌たちではなく、悪玉菌と呼ばれる菌たちを増やしてしまうことです。善玉菌と悪玉菌は、腸内ですき間なく純張り争いをしながら、せめぎ合って存在しています。

悪玉菌を増やさないためには、食事や生活の中から腸内バランスを整えていくことが重要です。必要なのは、まずシンバイオティクスを毎日実践し、善玉菌を増やし続けることです。次には、セルロースをしっかり摂って、大腸菌をはじめとする悪玉菌をせっせと働かせ、勢力拡大を狙う暇を与えないことです。

そこで重要になってくるのが、野菜類、豆類、果物類を毎日の食事から十分な土を摂ることです。野菜類、豆類、果物類には、善玉菌の餌となるオリゴ糖や糖アルコールが豊富です。一方で、食物繊維もたくさん含みます。食物繊維が入ってくれば、大腸菌などの悪玉菌もせっせと働き、これを分解して、ビタミンを合成してくれます。食物繊維には大きく2つの種類があります。

1つは先ほどからお話ししている不溶性食物繊維のセルロースです。セルロースは腸で吸収されず、大腸に送られて、やがて排泄されます。その過程にて、腸や大腸にある不要物や水分を吸着して、大便をつくっていきます。腸内細菌の死骸や生きた腸内細菌のほか、発ガン物質などもひとまとめにして大便をつくり、体外に出してくれるのです。セルロースは、大豆、インゲン豆、小豆などの豆類のほか、キクラゲ、干しシイタケなどに豊富です。

2つめは、水溶性の食物繊維です。水溶性の食物繊維は、腸内で発酵しやすく、善玉菌を増やす特徴があります。粘着性があって、胃や腸をのんびり移動していくので、お腹が空きにくく、ダイエットにも最適です。また、糖質の吸収をゆるやかにし、食後の血糖値が急激に上がるのを抑えます。水溶性の食物繊維は、昆布やワカメなどの海藻類のほか、里芋、豆類、果物、かんぴょう、エシャロットに多く含まれます。

こうした食物繊維の多い食品を、毎日意識してたくさん食べるようにしましょう。

食材で食物繊維が摂取できない場合は、トクホのイサゴールなどおおすすめです。

善玉菌の餌をとり続けることで腸内フローラは整う

腸内細菌の好物は、善玉菌の生きていた溶液以外にもあります。それは、オリゴ糖と糖アルコールです。これらの栄養成分は、野菜や果物に多く含まれます。

オリゴ糖は、バナナ、ハチミツ、大豆、玉ネギ、ゴボウ、ニンニク、トウモロコシなどに含まれます。オリゴ糖は、熟や酸に強く、調理や胃酸によって消失することなく、腸に届きやすいという特性があります。

糖アルコールには、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなどの種類があります。キシリトールはイチゴやカリフラワー、ホウレン草、玉ネギ、ニンジン、レタス、バナナに含まれます。ソルビトールはリンゴやナシに、マンニトールは昆布に豊富です。

オリゴ糖、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなどは、人工甘味料にもなっていますが、こうした加工・精製されたものを大量に摂ると、下痢をしやすくなります。下痢をするということは、腸に不具合が起こっていることを表します。腸内細菌を喜ばせるには、果物や野菜から自然な形で摂るようにしてほしいと思います。

たとえば、ヨーグルトにバナナとハチミツを添えれば、腸内の善玉菌が大喜びするスイーツになります。また、玉ネギやゴボウ、ニンジンなど具のたっぷり入った味檜汁は、これだけでシンバイオティクスの実践になります。

しかし、バナナやイチゴ、リンゴ、ナシなどの果物類は、炭水化物も豊富に含みます。年齢的にメインエンジンがミトコンドリア系に移っている人は、炭水化物を摂り過ぎると、解糖エンジンが活発化し、活性酸素が大量発生してしまうことは前述しました。炭水化物は、イモ類やトウモロコシ、レンコン、カボチャなどにも豊富ですし、グリンピースやソラ豆にも含まれます。昆布にも糖質はあります。完全な糖質制限食を目指すと、オリゴ糖や糖アルコールを含む野菜や豆類、昆布、果物類も抜くことになります。

「食べ過ぎなければ」という前提を置きますが、食べ過ぎなければ、こうしたものも適度に摂るのは健康には必要です。なぜなら、それらの野菜や果物、海藻は、オリゴ糖アルコールなど腸内細菌の大好物の栄葦素を含むからです。これらの栄養素が入ってくると、腸内細菌は働きを活性化し、数をどんどん増やしていきます。

繰り返しになりますが、年代的にミトコンドリア系にメインエンジンが移ったのちも、解糖エンジンはゆるやかに動いています。炭水化物などの糖質を多く摂り過ぎるのは、ミトコンドリアエンジンの邪魔をするので良くありませんが、糖質がまったく必要なくなるわけではありません。主食や白砂糖、お菓子などの炭水化物を控えておけば、腸内細菌の喜ぶ野菜や果物を安心して食べられます。

さて、シンバイオティクスを実践するにあたり、大事なことが1つあります。腸内フローラの改善には、毎日続けることが必要なのです。

日本栄養・食糧学会が、オリゴ糖を摂るとビフィズス菌がどの程度増えるか、調査を行っています。その結果によると、オリゴ糖を飲む前は約18パーセントだったビフィズス菌が、1週間後に約40 パーセント、2 週間後には約46パーセントにまで増殖しました。

ところが、摂取をやめると、わずか1 週間で、もとの数値まで戻ってしまったのです。理想の腸内フローラとは、自分でつくり上げていくものです。オリゴ糖など善玉菌の餌となる野菜や果物を毎日食べていれば、善玉菌が増え、悪玉菌は減ります。しかし、善玉菌の餌を摂っていないと、腸内フローラの形勢は短期間のうちに逆転します。善玉菌が減り、悪玉菌が増殖してしまうのです。

野菜や果物によって腸内環境を良好に保つことがいかに重要か、近年、興味深い事実が明らかにされてきています。米国国立ガン研究所では、野菜や豆類などを多く摂れば免疫力が上がってガンを予防でき、アレルギーも抑えられるという研究結果を発表しています。これらの食品は、免疫力を上げると同時に腸内環境も整えてくれるので、便秘や下痢にならない元気な腸を保つためにも役立ちます。

プレバイオテイクスになる食品は1回摂れば大丈夫と安心せず、毎日食べ続ける工夫をしましょう。毎日摂り続けることが、腸内フローラを健全に保つ最善策となります。

腸はビタミン、ホルモン、酵素をつくる

善玉菌の棲んでいた溶液は、腸内細菌の餌

食事から生きた善玉菌をたくさん摂り入れても、すべての菌が腸に届くわけではありません。よく噛んで食べられたものは唾液と混ざり、胃に送られます。胃では、強力な殺菌作用を持つ胃酸によって、感染症の原因となる細菌やウィルスだけでなく、腸内細菌を活性化する菌たちも殺菌してしまいます。

ただし、胃という難所を通過するたくましい菌たちもいます。腸にたどりついた善玉菌たちは、細胞分裂によって短時間のうちに数を増やし、すでに腸内で働いていた仲間たちの働きを助けます。病原菌もときには胃を通過して腸に入り込んできますが、立派を腸内フローラが働いていれば、敵とみなされた異物は一網打尽に排除されます。

では、胃で死んでしまった善玉菌たちは、無駄死にかといえば、そうではありません。彼らもまた腸の働きに貢献してくれているのです。善玉菌が棲みついていた溶液が腸に届くと、それが腸にいる善玉菌を増やすことが最近の研究によってわかっています。

生きた乳酸菌 よりも 死んだ乳酸菌を 大事にしたい | 賢い乳酸菌生活

生きた善玉菌を摂り入れるのが「プロパイオティクス」で、善玉菌の餌となり、その働きを助ける食べものを食べるのが「プレバイオティクス」です。そして、この2つを同時に行うことを「シンパイオティクス」といい、近年、医学界でもさかんに注目を浴びています。

シンバイオティクスを実践すると、腸内で善玉菌が増えます。善玉菌が腸内で増えると良いことがたくさんあります。善玉菌の代表は、ビフィズス菌をはじめとする乳酸菌群です。乳酸菌群には、腸内を酸性に保つ働きがあります。多くの病原菌は、酸性の場所では生きていられません。乳酸菌群は、腸内を酸性に保つことで、外から入ってくる悪い菌の攻撃を防いでくれているのです。

また、腸は人体で最大の免疫組織です。腸には、約70パーセントもの免疫細胞が集まり、体全体の免疫システムを支えています。この免疫システムを活性化しているのが腸内細菌です。とくに善玉菌の乳酸菌群が腸内で増えると、免疫力は増強されます。乳酸菌群の細胞壁には強力な免疫増強因子があって、腸管にいる免疫細胞を刺激し、働きを活性化させることがわかっています。

シンバイオティクスが注目されるのは、善玉菌が増えると免疫力が高まり、病気をしにくくなる効果が高いからです。また、免疫力が強化されれば、近年、患者数を伸ばしているアレルギーの改善にも高い効果を期待できます。

毎日の食卓にてシンバイオティクスを実践していただきたいと思います。ポイントは、善玉菌と腸内細菌の餌を一緒に摂ることです。

味檜や納豆は酸に強く、腸まで届くプロパイオティクスです。味噌や納豆を毎日の食事で摂ることで、腸内細菌を増やせることは前述しました。

また、プレバイオティクスに良い食品としてまず挙げられるのは、ヨーグルトです。世界の長寿国といわれる有名なカフカス地方に位置するグルジア共和国では、1日3食、乳酸菌でつくつたヨーグルトを食べているそうです。ところが、ヨーグルトに豊富に含まれる乳酸菌やビフィズス菌の種類は、残念ながら大部分が胃酸に弱く、90パーセントが胃で死んでしまいます。ですが、乳酸菌やビフィズス菌が死んで腸に到達しても、腸内の善玉菌が増えることは前に述べました。乳酸菌やビフィズス菌が棲んでいたヨーグルト液には、自分たちの仲間を増やす因子が含まれているからです。

したがって、ヨーグルトを飲んでいると、たしかに善玉菌が増えてきます。しかし、私はヨーグルトを毎日すべての人が飲み続けることが必ずしも良いとは思っていません。なぜなら、日本人の中高年には糖分や脂肪分の摂取過剰な人が多いからです。

ヨーグルトの善玉菌は腸まで届かないことが多いので、善玉菌を増やすにはヨーグルトを毎日摂取しなければなりません。ですが、ヨーグルト液には糖分や脂肪分が多く含まれていますので、糖分や脂肪分の摂取過剰な人がヨーグルトを飲み続けていると体の調子がおかしくなってくるのです。

そのような人には、「乳酸菌生成エキス」を飲むことをおすすめしています。「乳酸菌生成エキス」は腸内に棲んでいる「自分の乳酸菌を増やす因子」が多量に含まれているからです。

もちろん、糖分や脂肪分が気にならない人にとっては、ヨーグルトはプレバイオティクスとしてとても良い商品であることは問違いありません。

食事で味噌や納豆、おつけものなどの発酵食品を摂ってプロバイオティクスを実践し、デザートやおやつに少量のヨーグルトを摂ってプレバイオティクスを実践すれば、完壁なシンバイオティクスになります。糖分や脂肪分の気になる人は、乳酸菌生成エキスを毎日飲むとよいでしょう。

なお、1品で完全なものを目指すのではなく、いくつかの食品を組み合わせたはうが、より完璧で健康的なシンバイオティクスを目指すことができると考えてください。

放射線に負けない体づくりには「味噌」

腸内細菌が喜ぶ食べものは第1に、古くから人に食べ継がれてきたものです。伝統食には、人が健康になる知恵がたくさん詰まっています。とくに日本の伝統食には腸内細菌を増やし、免疫力を高める食品が多いと知られています。日本人が世界一の長寿民族である理由は、日本の伝統食が腸内環境を良い状態に保ってきたからなのでしょう。

日本の伝統食によく含まれているのが、乳酸菌などの発酵菌です。味噂、醤油、酢、みりんなどの調味料のほか、納豆や糠漬け、塩辛、酒盗、なれずし、くさや、日本酒、焼酎などさまざまな食品が、善玉菌の力を使って発酵してつくられています。発酵食品には、腸内細菌の善玉菌を増やす作用のあることがわかっています。

発酵食品には、腸内細菌の善玉菌を増やす作用のあることがわかっています。「善玉菌いっぱい、日和見菌ほどほど、悪玉菌少々」が腸内フローラの理想形だと前述しましたが、生きた善玉菌を豊富に含む発酵食品を食べると、腸内フローラが整います。

人体に良い影響を与える微生物、またはそれらを含む食品は、「プロパイオティクス」と呼ばれ、健康を促進するものとして医学的にも大きな注目を集めています。善玉菌が生きている発酵食品を食べることは、プロバイオティクスの実践です。

がとくにおすすめしたいプロバイオティクスは、味噌です。味噂汁は、食生活の乱れが気になる現代人でも、1日1回は食べるであろう親しみ深いメニューですし、味噂の中にはたくさんの麹菌が生きています。また、野菜やワカメなどの具には、腸内細菌の好物がたっぷり含まれています。味噌汁は、生きた菌で腸内フローラを整えるとともに、腸内細菌に好物を与えて腸の働きを活性化させてくれる万能食なのです。

ただし、麹菌は熱に弱く、グッグッ煮立ててしまうと死んでしまいます。味噌を溶いたら、決して煮立てずに火を消すことが、生きた菌を腸に取り入れるポイントです。冷めた味噌汁を食べるときにも、煮立てずに軽く温めるようにしてください。また、スーパーなどに陳列されて売られている味噌の多くは、発酵を止めるため処理が加えられています。陳列棚で発酵が進み、品質が保てなくなると困るからです。ですから、残念ながらスーパーで買ってくる味噌では、プロバイオティクスの実践にはなりません。

かつては多くの商店街に味噌屋があり、生きた味噌を売っていましたが、今は味噌屋も珍しくなりました。とはいえ、現代はインターネットが普及し、日本全国の食品をお取り寄せできる時代です。「味噌お取り寄せ」で検索すれば、さまざまな味噌が紹介されていますから、麹菌の生きている好みのものを購入するのもよい方法でしょう。

味檜の良さは、腸内バランスを整えることに留まりません。味噌には、強力な抗酸化作用があります。腸内細菌の大敵である活性酸素を無毒化する作用があるのです。

広島での原爆後遺症の調査の中で、「みそ汁を毎日食べていた人は、後遺症が軽くてすんだ」という報告がありました。

放射線被ばくで怖いのは、放射線を浴びる量が多くなるほど、体内で大量の活性酸素が発生することです。そして、近くの細胞を次々に破壊していくという「もらい泣き現象」を起こすことです。

放射線被ばくの害に対し、味噌がどのような効果を示すのか、広島大学の伊藤明弘教授はマウス実験を行っています。マウスの腸粘膜に放射線(Ⅹ線)を照射し、餌によって腸粘膜細胞への被害がどのように変わるのかを見たのです。

結果、味噌の餌を食べていたマウスは、他の餌を食べていたマウスに比べて、粘膜細胞の死亡率が圧倒的に低くなっていました。

しかも、一度は放射線で傷ついた細胞が、再生している様子が見られました。さらにすごいことに、筋肉中の放射性物質の含有量が少なく、味暗が放射性物質の排出に優れていることが示されたのです。現代社会に生きる私たちは、放射線や活性酸素という目に見えないものから、自分の体を守るために積極的に行動せざるを得ない時代に生きています。生きた味檜を毎日食べることは、活性酸素から身を守る大きな手段です。

味噌の驚くべき著効 | 放射線の防御にも味噌汁が効果

また、納豆もおすすめです。納豆にも納豆菌がたくさんいます。しかも、大豆は腸内細菌の大好物の1つです。その大豆を細菌で発酵させている納豆は、腸内細菌にとって、味噌のように良いことづくしの食品です。近年、朝食を抜く人の多さが、社会的な問題にもなっています。なかには、「朝は体は排泄の時間だから健康的に抜いたほうがよい」と朝食抜きの健康法を唱える専門家もいます。ですが、腸内細菌に食事を与えるためにも、朝食は少しでもよいので摂るベきだと考えています。具だくさんの味噌汁に納豆をたっぷり入れた納豆汁をl杯すするだけでも、体と腸を活動的にする十分な朝ご飯となります。

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味噌の驚くべき著効

普段から噛まずにおいしいと感じるものは控える

現代は腸内細菌の働きを弱め、数を減らしてしまう食べものであふれています。スナック菓子、ファストフード、レトルト食品、コンビニ弁当などです。腸内細菌のことを考ふたえれば、工場でつくられ、蓋を開けるだけ、チンするだけの食べものは、日常的に食べていてはいけないのです。

加工食品には食品添加物がたくさん混ぜ込まれています。生きた食べものは、命を絶たれた瞬間から鮮度が落ち、変色し、腐っていくのがふつうです。だからこそ、食べものはとれたて、つくりたてがおいしいのです。ところが、蓋を開けたりチンしたりするだけで、いつでもおいしいと感じられる食べものは、自然の摂理に逆らうものです。それを可能とするには、それなりの操作が必要でしょう。食品添加物の力です。注意したい添加物はこちらです。

たとえば、食品添加物の代表格といえば保存料です。保存料を加えると、腸で何が起こるかご存じでしょうか。保存料のソルビン酸を例に考察したいと思います。

ソルビン酸は、ハムやソーセージ、かまぼこなどの食肉・魚肉の練り製品、パン、ケーキ、チーズ、ケチャップなど広範囲の加工食品に添加されています。食品の種類によって幅がありますが、1 キロ当たり1〜3 グラムほどのソルビン酸の添加が認められています。そのソルビン酸を食材に混ぜ込むと、腐敗の進行を止めることができます。

青山学院大学の福岡伸一教授がソルビン酸を使ってこんな実験をしています。食品を腐敗させる細菌を寒天に入れておくと、たくさんのコロニー(細菌の塊)ができます。一方、細菌を寒天に入れて、そこにソルビン酸を0.3パーセントのみ添加した培養液を加えておくと、コロニーはまったく見つかりませんでした。細菌が増殖できなかったのです。

保存料を日常的に摂っていると、これと同じことが腸内細菌に対しても起こると、私は考えています。保存料の入っているものを毎日のように食べていると、腸内細菌の働きが阻害され、数も増えなくなるのです。

腸内細菌の量は、大便の量を見ればわかります。大便は、食べカスの集まりだと思っていたら大間違いです。便1グラム当たりには、およそ1兆個もの腸内細菌がいると考えられています。つまり、大便が小さければ、それだけ腸内にいる細菌も少ないというわけです。加工食品などで手軽に食欲を満たすような食事を日常的にしている人たちは、大便の量が決まって少なくなっています。

また、糞便の大きさは、そのまま腸内フローラの状態を表します。小さい便は、善玉菌の代表であるビフィズス菌が非常に少なくなっています。善玉菌が減ると、それと括抗するように腸内に存在している悪玉菌が増えていきます。つまり、便が小さくて貧弱なのは、腸内フローラが異常をきたしている証拠なのです。

あるテレビ番組で20代の若い女性の大便を調べたところ、通常は大便の10〜15 パーセントを占めるビフィズス菌が、0.01 パーセント以下でした。彼女はご飯を炊いたことがなく、お菓子ばかりを食べていたそうです。彼女の腸内フローラは、危機的状況にあるといえます。

戦前の日本人は、1日1人当たり約400 グラムもの大便をしていました。大きめのサツマイモがだいたい300グラムですから、それ以上に大きい、ホレポレするような立派なウンチです。ところが、現代人の平均は200グラムです。ヒョロッとしたサツマイモl本分です。食糧事情は戦前よりずっと良いはずなのに、大便の量は半減しているのです。

しかも、若い年齢層は150グラム程度しかなく、便秘で悩んでいるOLの場合は約80グラムだったという調査結果もあります。現代の食生活は、腸内細菌の餌となる食品の摂取量が減り、加工食品の摂取量が増えています。とくに若い世代は、コンビニエンスストアやファストフードが身近な存在であり、添加物にまみれた食品を毎日のように食べているのでしょう。

30回以上噛めないモノは食べない

添加物は保存料だけではありません。着色料、膨張剤、酸化防止剤、甘味料、香料、栄養強化剤なども、免疫システムにとって未知の物体です。私たちの免疫システムはl 万年前から変わっていないので、「人体に影響がない」と判断できない物質に対しては、免疫システムが作動し、活性酸素を発生させて排除しようと働きます。体内で大量の活性酸素が発生すれば、腸内細菌も傷つき、量を減らすことは避けられません。

加工食品のなかでも、私が注目しているのが、ポテトチップスなどのスナック菓子です。スナック菓子には、口に入れただけで「おいしい! 」と感じさせる旨み調味料がまぶされています。

旨み調味料といえば聞こえがよいですが、噛まなくても強烈な幸福感が脳に直行する化学調味料です。化学的につくられた添加物ですから、食べれば当然活性酸素が出ます。しかし、旨み調味料の怖いのは、それだけではありません。脳の依存性があるのです。

あるメーカーが菓子にまぶす旨み調味料を従来の2.5倍に増やしたところ、売れ行きが爆発的に増えたというデータがあります。噛まなくても得られる強烈な幸福感を求めて、人々の脳が暴走し、スナック菓子を何度も購入させるという連鎖が起こつたのだと考えられます。脳の欲求にまかせて、そんなものを食べ続けていたら、農内環境はどんどん老化し、免疫力はどんどん落ちていってしまいます。

本来、食べものとは、少しずつ噛み砕く間に血糖値がゆっくりと上がり、脳にエネルギーが届いて「おいしい」と感じるものです。30回噛むうちにおいしさが高まっていくのが免疫力を高める食べものです。

ところが、スナック菓子やファストフードなどは、30回も噛めばベチャベチャになり、嫌な味がしてきます。噛まずにおいしいと感じる食べものは、腸内細菌の大嫌いな食べものです。腸を荒らし、免疫力を下げる食べものと考え、避けることが大事です。

病気になり、そして治るのはどうしてでしょうか?には食に対するとても大切なことが書かれています。

腸内細菌の好物を食べていると、幸せの感度があがる

最近、私は、腸内細菌の悪化がうつ病や不安神経症を促している可能性を示唆する研究結果を発表しました。

腸の健康と脳の健康は連動していることがわかったのです。今、日本では30~50代の働きざかりの人のうつ病がとても多くなっています。また、うつ病とまではいかなくても、日常的にうつ気分や不安、イライラなどの症状を強く感じている人も多いと思います。こうした病気や症状は、腸内細菌を元気にすることで改善できるはずです。

人が幸せを感じるとき、脳内ではドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質が分泌されています。セロトニンは歓喜や快楽を伝える物質で、ドーパミンは気持ちを奮い立てやる気を起こす物質です。これらの幸せ物質が不足すると、うつ病や気分の不安定化が起こりやすくなります。とくにうつ病との関係が深いとされるのが、セロトニンです。

ですから、うつ病になると、薬によってセロトニンの量を増やして脳内の活動を促し、また、セロトニンやドーパミンを増やすための栄養指導が行われます。セロトニンやドーパミンはタンパク質の分解成分である必須アミノ酸を原料に、腸内でビタミン類の力を借りて合成されます。肉や魚、卵、大豆、乳製品などに多く含まれる必須アミノ酸は、人間が体内で合成できないため重視して摂取しなくてはならないもので、とくにうつ病の人は「卵、魚、乳製品を食べてください」と指導されることになります。

しかし、私に言わせれば、こうした治療の前にやることがあります。腸内細菌を元気づけることです。なぜなら、タンパク質から必須アミノ酸を合成するにも、必須アミノ酸からセロトニンやドーパミンを合成するにも、ビタミンC やB2、葉酸、ナイアシンといったビタミン類が必要だからです。人間はビタミンを体内で合成することができず、腸内細菌が合成してくれます。そのため、腸内細菌がバランス良く、数もたくさん存在しないと、セロトニンもドーパミンも十分に分泌できないのです。

東北大学の研究によると、腸内細菌によるビタミンB群の合成力は、腸内細菌の餌となる食物繊維を腸内に摂り入れることで、大幅に増強されました。さまざまな健康法では「ビタミンをよく摂りましょう」と言われますが、ビタミン類を含む食べものをいくら摂っても、腸内細菌に元気がなければ意味がありません。

食品に含まれるビタミン類はただちに人間の栄養素になるわけではなく、いったん腸に届いて、腸内細菌に合成してもらわなければ体は活用できないのです。

では、腸内細菌の働きを活性化し、数を増やすためにはどうすればよいのでしょうか。やってはいけないのは、「好きなものばかり食べること」です。うつ病になったり、イライラや不安が強くなったりすると、好きなものばかり食べて、脳を満足させようとします。ストレスに侵されると、脳は甘いものや炭水化物を多く含むものなど自分の大好物を要求するようになります。

そして糖が入ってくると満足して「快」の感覚を放ち、脳はいっときストレスを忘れます。ストレスを受けると食に走りやすいのは、脱が起こさせる一種の逃避行動なのです。

しかし、それを続けてしまうと、腸が困ります。食べものが次から次に入ってきて働き続けなければならないのに、腸が大事に育てている腸内細菌の餌が満足に入ってこないからです。野菜や海藻、果物などの腸内細菌の大好物を含む植物性食品を食べないと腸内細菌を増やすことができず、腸内バランスが崩れていきます。

腸内細菌の量は、便を見ればわかります。私たちの便は、その約半分が死んだ腸内細菌と生きた腸内細菌で、大きくてほど良い硬さのある便がスボンと出てくれば、腸の中で立派な腸内フローラが築かれている証です。反対に、貧弱な便は、腸内細菌の畳も減り、腸内フローラの質も悪いことを物語っています。うつ病の人の便は、ほとんどが後者です。脳を喜ばせるものばかりを食べていると、腸内細菌が育たないからです。好きなもの中心の偏った食事をしている人は、うつ病になりやすく、イライラや不安なども強くなりやすいとも言い換えられます。反対に、腸内細菌の喜ぶものを1 日3回食べていれば、うつ病になりにくく、またイライラや不安等の症状も消えていくのです。

ドーパミンのもとを摂る | うつ病対策

周囲の菌と仲良くするとことで生命力もアップする

今、AV やエロ画像は好きだけれども、リアルな恋愛やセックスができない若い男性が増えています。先日、ある男子学生と話していたら、「昨日は、友だちの○○ちゃん(女子学生)の家に泊まりました」と言います。「で、セックスしたの?」と聞いたら、「友だちなんだからそんなことはしないですよ」と笑うのです。若い男女が2 人きりで一晩を過ごし、何もないことのほうが私の世代には驚きです。

昔と違って、男性が獣からどんどん離れていっています。若い男性の童貞率が高いのも、「草食系」と揶揄されて平気なのも、その現れです。

「セックスは汚い」といって興味を示さない男子、AVを見ているだけで満足している男子が増えています。「AVは実写よりも、アニメのほうが美しくていい」と言う者までいます。日本人がセックスレス化している第3 の問題点は、そこにあります。行き過ぎた清潔志向です。

抗菌グッズを使いまくり、自分に消臭スプレーをかけ回す若い姿は、まさに異常です。人間は腸内細菌をはじめとする多種多様な菌類と共生する一生物であり、動物の一種である以上、周囲に菌がいても、自分や他者に匂いがあっても当たり前です。

ところが、目に見えない細菌におびえ、排除しようとする超清潔社会に住んでいると、セックスのような獣っぼい行為が気持ち悪くなります。衛生管理の行き届いた狭い獣舎でセックスを忘れ、目の前に出された餌を食べ続ける家畜のようなものです。

「生物としての自分」という野生性を忘れては、セックスを忘れるのも当然の成り行きでしょう。貧困家庭で多少汚い環境で育った男性は、初体験が早く童貞率が低いことがわかっています。セックスヘの意欲が高いのです。反対に、裕福で教育環境の整った家庭で育った男性は、大脳皮質ばかりに刺激が行き、爬虫類脳が刺激されないので、性にガツガツできない人が目立ちます。

精力とは、生きる力の象徴です。人間の生命力をつくつているのは腸内細菌です。腸内細菌を活性化させるには、外から菌を取り入れることが不可欠です。外から腸に菌が入ってくると、それが腸内細菌の刺激となり、数をどんどん増やしていくからです。腸内細菌の活性力が高まれば高まるはど、生命力は向上し、爬虫類脳は刺激され、性欲を感じさせる野生性は目覚めていきます。

私には70歳を過ぎて精力旺盛の友人がいます。彼は、中国の広州で養殖しているミミズを取り寄せて食べています。土で暮らすミミズは土壌菌の宝庫で、精力のとても旺盛な生きものです。そんなミミズを食べると全身の血流が促進され、とくにアソコの血流が増えて精力が増強すると彼は言い、どんな精力増強剤より効くと断言します。

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ただ、養殖のミミズは非常に高価で、私にはそんなお金がありませんから、土壌菌のカプセルを1 日1錠飲んでいます。わずか1 グラムの土の中には、数億個もの細菌が棲んでいますが、それと同じような土壌菌類をカプセルにすることに成功したのです。

私が70歳を過ぎて現役であり続けられるのは、毎日数億個もの土壌菌を飲んで腸内細菌を活性化し、野生性を鍛えているからだと実感しています。私だけの話では信憑性こいずみたけおに欠けるので、東京農業大学の小泉武夫名誉教授にも試してもらいました。翌日、小泉教授から電話が入りました。

「土壌菌は本当に効くね。久しぶりに元気になったよ」もっと手軽に土壌菌を取り入れる方法もあります。落ちたものを食べることです。思えば私たちが子どもの頃は食糧事情が悪く、遊びといえば野山に食べられるものを探しに行くことでした。ドジョウやタニシがおやつがわりで、カエルやヘビも、ウナギやナマズも食べました。今の70代以降の人が丈夫なのは、野生の生きものをおやつにし、腸に土壌菌を日々取り入れていたことに一因があるでしょう。

今の人は、テーブルに落ちたものさえ、「汚い」といって口に入れませんが、こんなにもったいないことはありません。床でも土でも落ちたものから多種多様な菌が腸に入ってきて腸内細菌を大いに刺激してくれれば、菌たちが精力的に働きだし、生命力も精力も高まります。バイアグラ知らず、です。腸内細菌が元気に育っている腸では排除作用が働きますから、身の回りの菌を恐れる必要はありません。

性欲アップの秘訣は少食

食べ過ぎない、脳で考えないが大事

近頃、私が気になってしかたがないのが、日本人の精力の低下です。2010年の国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、日本人の童貞率は25〜29歳で25.1 パーセント、30~34歳は26.1 パーセント、処女率は25 〜29歳で29.3 パーセント、30 〜34 歳は粥38.7 パーセントです。

朝日新開インターネット調査「夫婦100人に聞く」(2001年)では、夫婦でセックスをしない理由として、女性は「面倒くさい」、男性は「仕事で疲れている」が1位でした。2005年にDureⅩ社が世界41カ国のセックス頻度を調べた結果では、さらに深刻です。フランスやイギリスではセックス回数が年120回を超えているのに対し、日本は年45回で最下位なのです。

今、日本の少子化は危機的状況にあります。2050年には、1人の高齢者を1.3人の働き手が面倒を見る状況になると推測されています。日本人が子どもを産まなくなったのは、子どもを産み育てにくい社会になってしまった、という理由もあるのでしょう。しかし、セックスレスの問題は、それにも増して少子化に深刻な影を落としていると私は考えます。セックスしなければ、新しい命が芽生えません。

ではなぜ、多くの日本人はセックスレスになってしまったのでしょうか。理由はいくつか考えられますが、第1の問題点は日本が飽食になったことです。

サルを使った研究実験の結果を見てみましょう。エネルギー制限した節食群と、自由に食べてよい飽食群に分け、観察しました。節食群のサルは元気で社交的、セックスも盛んで子どもを大切に育てました。飽食群のサルは仲間同士でけんかばかり、いじめもあり、正常なセックスは見られませんでした。

今の日本人も、飽食群のサルと同じような状況ではないでしょうか。人間の脳は、「食欲」と「性欲」が隣り合った部位に存在しています。「食べること」と「セックスすること」は同じ水源にあるのです。現代日本人は、水源の水を食欲のほうばかりに流してしまい、こかつセックスの川の水を枯渇させてしまっているのです。食欲が満足すれば性欲もなくなり、性欲が抑えられれば異常に食べたくなるのです。

精力とは、生きる力の象徴です。これを高めるには、飽食をしないことです。食事は腹八分目にして、物足りなさを残しておくことです。パートナーがその気にならないというならば、やはり食べさせ過ぎないことです。

第2の問題点は、大脳皮質が発達し過ぎたあまり、セックスがイメージ化していることです。人間の脳は、古い時代にできた「爬虫類脳」に、大脳皮質を中心とする新しい脳がかぶさっています。セックスとは本来、子どもを産み続けるための生殖活動であり、生殖活動は子孫を後世に残すための本能です。本能をつかさどる爬虫類脳を刺激しなければ、性欲は湧きません。

人間には、爬虫類脳を刺激して子どもを産み続ける本能が備わっているはずなのに、現代人の脳は、大脳皮質の影響を受け過ぎて混乱を起こしています。幸せや恋愛、結婚を大脳皮質で考えて理想をイメージ化し、理論で語るようになりました。そして、「生殖としての性」「子どもを産み続ける性」を拒否するようになったのです。文明や文化が洗練されると、繁殖力は落ちてしまうのです。

昔の日本では、お見合い結婚など自分で決められない婚姻も多くありました。お見合いで初顔合わせをし、次に会うのは結婚式、というのもよくあったことです。それでも、離婚率は現在より低く、幸福度は高かったといわれます。男性も女性も自分の運命あらがに抗わず、出会いと直感を大切にし、あるがままに生きていました。

幸せとは、脳で考えて答えを出すものではなく、体全体で感じるものです。今を精一杯楽しんでいると、幸せを直感します。幸せを直感する力を備えるには、あるがままの自分を受け入れ、あるがままに生き、他者のあるがままも受け入れることです。

あるがままに生きているとストレスがなくなり、腸内細菌も元気になります。実は、精力の向上には、腸内細菌の作用がとても重要になることがわかっています。腸内細菌を刺激すれば、バイアグラ知らずになることも可能です。性欲を高めるには、脳で考えず腸で感じることが大事なのです。

中高年になったら主食は食べないほうがいい

人体に搭載されたハイブリッドエンジンは、加齢とともに、解糖エンジンからミトコンドリアエンジンへと比重が移っていきます。個体差はありますが、40 代からだんだんと移り変わり、50歳を過ぎるとはとんどの人の体は、ミトコンドリアエンジンをメインに働かせるようになります。

中高年以降の体に求められるのは、持久力です。解糖エンジンの瞬発力は、あまり必要ではなくなります。解糖エンジンはエネルギー効率が良くなく、持久力としては使えないため、年を取ってくると、エネルギー効率が良く持久力に優れたミトコンドリアエンジンへとメインのエネルギー産生方法が移行するのです。

ミトコンドリアは、私たちが日々食べる食物から得る栄養素と酸素を原料として、効率良くエネルギーを産生しています。細胞内のミトコンドリアの数は、その細胞がどれだけエネルギー代謝を行うかによって違ってきます。

たとえば、脳や腸、筋肉、肝臓、腎臓などエネルギーの要求が大きい臓器の細胞には、数百から数千ものミトコンドリアが含まれます。一方、赤血球や皮膚の細胞には、ミトコンドリアがほとんど見られません。赤血球や皮膚は、解糖エンジンで動いているからです。

このように、年齢や細胞の働きによって、メインのエネルギー産生方法は変わります。また、ミトコンドリアエンジンでは、発動時に解糖エンジンの助けが必要となります。瞬発力のある解糖エンジンがまず動き、それを引き金としてミトコンドリアエンジンが動きだし、酸素を使って膨大で持続可能なエネルギーを産生します。

ですから、ミトコンドリア系にメインエンジンが移ったのちも、糖質がまったく必要なくなるわけではありません。しかし、多過ぎても困ります。ミトコンドリアエンジンがメインになったのちも解糖エンジンをフル稼働させていると、ミトコンドリアエンジンがうまく働けなくなってしまいます。誤作動を起こし、大量に取り込んだ酸素を活性酸素に変えてしまうのです。

ミトコンドリアエンジンでは、1日に500 リットル以上の酸素を呼吸によって取り入れ、食事から摂った栄養素を燃やし、エネルギーをつくりだしています。この過程で、約2 パーセントの酸素が活性酸素に変わります。ところが、メインエンジンがミトコンドリア系に移ったのちも糖質を摂り過ぎて解糖エンジンをフルに働かせていると、それ以上の活性酸素が発生するようになります。

中年期に入ったら糖質は徐々に減らしていき、高齢期に入ったらできるだけ摂らないひけつようにするのが、健康の秘訣です。メインエンジンが切り替わったのちは、主食やお菓子を摂らないはうが、体は快適に働きます。

ただし、我慢はストレスになるので禁物です。私ももとはご飯党でしたから、お楽しみ程度に昼食には五穀米を食べます。1日1回、五穀米を食べれば、ミトコンドリアエンジンに変わった体は十分に満足します。どうしても主食を摂りたいときには、白く精製されていないものを選んでください。玄米や全社粉のパン、十割そばなどならば、食物繊維が多いため消化吸収に時間がかかり、解糖エンジンのフル稼働を抑えられます。

一方、完全な糖質制限食を進める場合、炭水化物を含むイモ類などの根菜や豆類、果物なども制限されます。しかし、食べ過ぎなければ、私はこれらを適度に食べたほうがさよいと思っています。

それらの植物性食品は、腸内細菌の前になるだけでなく、活性酸素の幸を減らす抗酸化力を持っているからです。腸内細菌を元気にすることも、活性酸素の害を消すのも、健康な長寿人生には欠かせません。それを支える根菜類・果物を心配なく食べられるようにするためにも、主食は抜いておいたほうがよいのです。

日本人の4大疾病は「ガン・心筋梗塞・脳卒中・糖尿病」です。そのすべての発生に活性酸素が関与しでいます。活性酸素は、腸内細菌の働きを弱め、免疫力を落とさせます。中高年になると、何かしらの病気を抱える人が増えるのは、ミトコンドリアエンジンに切り替わったのちも若い頃と同じように主食やお菓子を食べ、解糖エンジンをフル稼働させているから、と私は考えています。