性欲アップの秘訣は少食

食べ過ぎない、脳で考えないが大事

近頃、私が気になってしかたがないのが、日本人の精力の低下です。2010年の国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、日本人の童貞率は25〜29歳で25.1 パーセント、30~34歳は26.1 パーセント、処女率は25 〜29歳で29.3 パーセント、30 〜34 歳は粥38.7 パーセントです。

朝日新開インターネット調査「夫婦100人に聞く」(2001年)では、夫婦でセックスをしない理由として、女性は「面倒くさい」、男性は「仕事で疲れている」が1位でした。2005年にDureⅩ社が世界41カ国のセックス頻度を調べた結果では、さらに深刻です。フランスやイギリスではセックス回数が年120回を超えているのに対し、日本は年45回で最下位なのです。

今、日本の少子化は危機的状況にあります。2050年には、1人の高齢者を1.3人の働き手が面倒を見る状況になると推測されています。日本人が子どもを産まなくなったのは、子どもを産み育てにくい社会になってしまった、という理由もあるのでしょう。しかし、セックスレスの問題は、それにも増して少子化に深刻な影を落としていると私は考えます。セックスしなければ、新しい命が芽生えません。

ではなぜ、多くの日本人はセックスレスになってしまったのでしょうか。理由はいくつか考えられますが、第1の問題点は日本が飽食になったことです。

サルを使った研究実験の結果を見てみましょう。エネルギー制限した節食群と、自由に食べてよい飽食群に分け、観察しました。節食群のサルは元気で社交的、セックスも盛んで子どもを大切に育てました。飽食群のサルは仲間同士でけんかばかり、いじめもあり、正常なセックスは見られませんでした。

今の日本人も、飽食群のサルと同じような状況ではないでしょうか。人間の脳は、「食欲」と「性欲」が隣り合った部位に存在しています。「食べること」と「セックスすること」は同じ水源にあるのです。現代日本人は、水源の水を食欲のほうばかりに流してしまい、こかつセックスの川の水を枯渇させてしまっているのです。食欲が満足すれば性欲もなくなり、性欲が抑えられれば異常に食べたくなるのです。

精力とは、生きる力の象徴です。これを高めるには、飽食をしないことです。食事は腹八分目にして、物足りなさを残しておくことです。パートナーがその気にならないというならば、やはり食べさせ過ぎないことです。

第2の問題点は、大脳皮質が発達し過ぎたあまり、セックスがイメージ化していることです。人間の脳は、古い時代にできた「爬虫類脳」に、大脳皮質を中心とする新しい脳がかぶさっています。セックスとは本来、子どもを産み続けるための生殖活動であり、生殖活動は子孫を後世に残すための本能です。本能をつかさどる爬虫類脳を刺激しなければ、性欲は湧きません。

人間には、爬虫類脳を刺激して子どもを産み続ける本能が備わっているはずなのに、現代人の脳は、大脳皮質の影響を受け過ぎて混乱を起こしています。幸せや恋愛、結婚を大脳皮質で考えて理想をイメージ化し、理論で語るようになりました。そして、「生殖としての性」「子どもを産み続ける性」を拒否するようになったのです。文明や文化が洗練されると、繁殖力は落ちてしまうのです。

昔の日本では、お見合い結婚など自分で決められない婚姻も多くありました。お見合いで初顔合わせをし、次に会うのは結婚式、というのもよくあったことです。それでも、離婚率は現在より低く、幸福度は高かったといわれます。男性も女性も自分の運命あらがに抗わず、出会いと直感を大切にし、あるがままに生きていました。

幸せとは、脳で考えて答えを出すものではなく、体全体で感じるものです。今を精一杯楽しんでいると、幸せを直感します。幸せを直感する力を備えるには、あるがままの自分を受け入れ、あるがままに生き、他者のあるがままも受け入れることです。

あるがままに生きているとストレスがなくなり、腸内細菌も元気になります。実は、精力の向上には、腸内細菌の作用がとても重要になることがわかっています。腸内細菌を刺激すれば、バイアグラ知らずになることも可能です。性欲を高めるには、脳で考えず腸で感じることが大事なのです。