若返りホルモンを増やすには納豆とイワシをたっぷり食べよう!

DHEAは食事と適度の運動が増える

アディポネクチンが発見される以前から、注目されていた長寿ホルモンがあります。それは、DHEA です。DHEAは男女とも6~7歳頃から分泌が増加し、20歳前後でピークに達します。その後、加齢とともに直線的に下降していきます。そのため、以前から、人の老化の代表的な指標として注目されてきたのです。

若返りホルモン「DHEA」が健康にも影響する

日本の研究では、2006年に久留米大学医学部の心臓・血管部門のグループが、DHEA濃度の高い人は長寿の傾向が強いことを米国の心臓病学会にて発表しています。

DHEAは、副腎や性腺から血中に分泌されるホルモンで、ガンや動脈硬化、糖尿病、アルツハイマー型認知症など生活習慣病の抑制に幅広く関与していると見られています。ただし、作用メカニズムについては、すべてが明らかにされているわけではなくまだまだ未知の分野とも言えます。

比較的はっきりわかっているのは、DHEAの脂肪細胞に対する作用です。DHEAが脂肪細胞に作用すると、インスリンの感受性が高まり、細胞へのブドウ糖の取り込みが向上すると確認されています。また、DHEAはタンパク質と同化して、筋肉を増強させることが知られています。脂肪細胞に働きかけ、筋肉を増強させるので、内戚脂肪の減少につながり、メタポリック症候群の予防につながるとも期待されています。DHEAが皮膚に働けば皮膚が若返り、脳にいけば脳が活性化するとも見られています。

米国では、かなり以前からDHEA の若返り作用には注目されていました。たとえば、米国国立加齢研究所が、ボルティモア市で716人を25年間追跡した疫学調査を行っています。結果、DHEA値の高い人は低い人より長寿だったことがわかりました。また、65歳以上の男性を25年間追跡調査すると、DHEA値が低い人は25年後に45パーセントが死亡していたのに対し、DHEA値が高い人の死亡率は25 パーセントでした。65 歳以上の人の25年後といえば、90歳を超えています。

このような多くの研究結果により、米国では1994年にDHEAをサプリメントとして販売することが認可されました。そのため、日常的に服用する人がたくさんいました。しかし、日本では今も認可されていません。それには理由があります。

DHEA は副腎や性腺で生産される男性ホルモンの一種だからです。サプリメントとして素人が手軽に服用するには、不都合な成分なのです。事実、DHEAのサプリメントを長期間飲んでいた人は、前立腺や卵巣などのガンになりやすく、また症状を増悪しやすいことが認められています。妊娠中・授乳中に服用すると、重大な影響を母体に与えることも知られています。自己判断での服用は、危険です。

しかし、体内で自然な形で分泌量を増やすぶんには、問題ありません。むしろ、長寿ホルモンとしての働きを発揮し、若返りに役立ちます。それには、日常生活のなかでのちょっとした工夫が必要です。

まず、食事です。納豆を食べるとDHEAが増えます。納豆に含まれるイソフラボンがDHEAの材料になるからです。イソフラボンも、抗酸化力の高いフィトケミカルの一種です。イソフラボンは大豆製品に多く含まれ、豆腐や豆乳などにも豊富です。

もう1つは、イワシを食べることです。イワシに含まれるセレンが副腎を活性化することがわかっています。DHEAは副腎から主として分泌されますから、副腎を活性化すると、DHEAの分泌量が増えるのです。私は、「ちょっと疲れているな」と感じると、納豆とイワシのつみれがたっぷり入った納豆イワシつみれ汁をいただきます。

食事以外では、適度の運動が大事です。高齢者に30分間ほど軽めの運動をしてもらい、運動前後のDHEA量を観測したところ、運動前は550だったDHEAが658 に増加していました。運動は、ウォーキングでも簡単な体操でも、心地良いと感じる程度に好きなことを行う方法が最良です。

さらに、過剰なストレスが心身にかからないようにすることも必要です。副腎はストレスにとても弱い臓器です。ストレスにより副腎が弱ると、DHEAを分泌できなくなります。ストレスを除くには、リラックスできる状況を意図的につくることです。私はお酒と音楽が大好きですから、ときどきお酒を飲みながら音楽鑑賞をします。また、副腎は泉さに弱い臓器です。若さを保つには、体を冷やさないこともとても重要です。