コーヒーは長生きホルモンがたっぷり

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長生きには、生活習慣病に分類される「ガン・心筋梗塞・脳卒中・糖尿病」の4大疾病を避けることが重要です。これらの生活習慣病のリスクの指標として、新たに注目されているホルモンが、長寿ホルモンとの異名を持つ「アディポネクチン」です。アディポネクチンの分泌量が体内で増えると、生活習慣病が予防され、長生きへと導かれることがわかってきました。

ちなみにコーヒーが大腸ガンを予防するという記事はこちらです。

アディポネクチンは、平成7年、大阪大学名誉教授が人体から発見しました。これは日本発の発見として、国際的にも注目されました。アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌され、一般的なホルモンに比べて血中濃度が桁違いに多いのも特徴です。脂肪細胞からアディポネクチンが正常に分泌されていると、血管保護作用が働き、動脈硬化を抑える効果を期待できます。動脈硬化を抑えられれば、1。心筋梗塞や脳卒中の危険性は格段に減り、長寿につながるのです。

また、アディポネクチンは、祐尿病の予防効果もあります。糖尿病は、体の細胞にブドウ糖をうまく供給できなくなり、血液中のブドウ糖の量(血糖値)が一定量を超えてしまう病気です。原因は、ブドウ糖をコントロールするインスリンというホルモンの不足で、ブドウ糖が細胞に供給されにくい状態なります。ところが、アデイポネクチンには、インスリンを介さずに、細胞内に取り込まれるブドウ糖の量を増やす作用のあることがわかりました。アディポネクチンが正常に分泌されていれば、糖尿病の発症や悪化を予防できるというわけです。

アディポネクチンは、分子構造が複雑で人工的につくるのが難しいホルモンで、注射や薬剤などによって直接体に補充できません。しかし、ある食品を摂ることで増やせることがわかっています。その1つがコーヒーです。名古屋大学大学院の山下先生らのチームが、日本人労働者を対象とした研究で「コーヒーの摂取土が多い人は、アディポネクチンの分泌lも多い」ことを明らかにしています。また、杜仲茶もアディポネクチンを増やすことが、三重大学と小林製薬との共同研究でわかっています。

さらに、マウス実験にて、大豆を食べていたマウスは、アディポネクチンの血中濃度が上昇したという報告もあります。EPA( エイコサペンタエン酸) を含む魚にも、アディポネクチンを増やす作用があります。EPA は、サバやマグロ、マイワシ、ハマチ、ブリ、サンマなどの脂にたくさん含まれます。EPAを無駄なく摂取するには、生魚を新鮮なうちに刺身で食べるのが理想です。

一方、アディポネクチンを減らしてしまう生活習慣もあります。一番の問題は、肥満です。内臓脂肪量が増えると、アディポネクチンの分泌量が減るのです。内臓脂肪が体に溜め込まれてしまう原因は、食べ過ぎや運動不足です。食べ過ぎ飲み過ぎをしないこと、運動を適度にして筋肉量を維持することは、長寿ホルモンを増やすためにも重要なことだったのです。

さて、「アディポネクチンを増やすにはコーヒー」と聞いて、コーヒーの健康害が気になった人もいるでしょう。コーヒーは、健康にマイナスのイメージがついて回りますが、現在のところ、健康を害するという明らかなデータは見つかっていないようです。

ただ、コーヒーには鉄分の吸収を阻害する働きがあるので、貧血気味の人は、食事中や食事直後は控えたほうがよいでしょう。「コーヒーは胃に悪い」というのは、胃酸の分泌を促進する作用にあります。胃酸が増えれば消化力が上がるのでよいのですが、胃が荒れている場合には症状が悪化するので、良くないということなのです。「コーヒーを飲むと眠れなくなる」のは、カフェインの持つ覚醒作用によるものです。その人のカフェインの感受性によるので、そうした人は、就寝前は避けるとよいと思います。コーヒーは、ポリフェノールを豊富に含む抗酸化飲料でもあります。厚生労働省の研究班は、毎日コーヒーを飲む人は、飲む習作のない人より子宮体ガンや肝臓ガンの発症率が低くなっていると発表しています。

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