腸内細菌の餌になる炭水化物はしっかり食べよ

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善玉菌の餌をとり続けることで腸内フローラは整う

腸内細菌の好物は、善玉菌の生きていた溶液以外にもあります。それは、オリゴ糖と糖アルコールです。これらの栄養成分は、野菜や果物に多く含まれます。

オリゴ糖は、バナナ、ハチミツ、大豆、玉ネギ、ゴボウ、ニンニク、トウモロコシなどに含まれます。オリゴ糖は、熱や酸に強く、調理や胃酸によって消失することなく、腸に届きやすいという特性があります。

糖アルコールには、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなどの種類があります。キシリトールはイチゴやカリフラワー、ホウレン草、玉ネギ、ニンジン、レタス、バナナに含まれます。ソルビトールはリンゴやナシに、マンニトールは昆布に豊富です。

オリゴ糖、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなどは、人工甘味料にもなっていますが、こうした加工・精製されたものを大量に摂ると、下痢をしやすくなります。下痢をするということは、腸に不具合が起こっていることを表します。腸内細菌を喜ばせるには、果物や野菜から自然な形で摂るようにしてほしいと思います。

たとえば、ヨーグルトにバナナとハチミツを添えれば、腸内の善玉菌が大喜びするスイーツになります。また、玉ネギやゴボウ、ニンジンなど具のたっぷり入った味噌汁は、これだけでシンバイオティクスの実践になります。

しかし、バナナやイチゴ、リンゴ、ナシなどの果物類は、炭水化物も豊富に含みます。年齢的にメインエンジンがミトコンドリア系に移っている人は、炭水化物を摂り過ぎると、解糖エンジンが活発化し、活性酸素が大量発生してしまうことは前述しました。炭水化物は、イモ類やトウモロコシ、レンコン、カボチャなどにも豊富ですし、グリンピースやソラ豆にも含まれます。昆布にも糖質はあります。完全な糖質制限食を目指すと、オリゴ糖や糖アルコールを含む野菜や豆類、昆布、果物類も抜くことになります。

「食べ過ぎなければ」という前提を置きますが、食べ過ぎなければ、こうしたものも適度に摂るのは健康には必要です。なぜなら、それらの野菜や果物、海藻は、オリゴ糖アルコールなど腸内細菌の大好物の栄養素を含むからです。これらの栄養素が入ってくると、腸内細菌は働きを活性化し、数をどんどん増やしていきます。

繰り返しになりますが、年代的にミトコンドリア系にメインエンジンが移ったのちも、解糖エンジンはゆるやかに動いています。炭水化物などの糖質を多く摂り過ぎるのは、ミトコンドリアエンジンのジャマをするので良くありませんが、糖質がまったく必要なくなるわけではありません。主食や白砂糖、お菓子などの炭水化物を控えておけば、腸内細菌の喜ぶ野菜や果物を安心して食べられます。

さて、シンバイオティクスを実践するにあたり、大事なことが1つあります。腸内フローラの改善には、毎日続けることが必要なのです。

日本栄養・食糧学会が、オリゴ糖を摂るとビフィズス菌がどの程度増えるのか、という調査をおこなっています。その結果によると、オリゴ糖を摂る前は約18パーセントだったビフィズス菌が、1週間後に約40パーセント、2週間後には約46パーセントにまで増殖しました。

ところが、摂取をやめると、わずか1週間で、もとの数値まで戻ってしまったのです。理想の腸内フローラとは、自分でつくり上げていくものです。オリゴ糖など善玉菌の餌となる野菜や果物を毎日食べていれば、善玉菌が増え、悪玉菌は減ります。しかし、善玉菌の餌を摂っていないと、腸内フローラの形勢は短期間のうちに逆転します。善玉菌が減り、悪玉菌が増殖してしまうのです。

野菜や果物によって腸内環境を良好に保つことがいかに重要か、近年、興味深い事実が明らかにされてきています。米国国立ガン研究所では、野菜や豆類などを多く摂れば免疫力が上がってガンを予防でき、アレルギーも抑えられるという研究結果を発表しています。これらの食品は、免疫力を上げると同時に腸内環境も整えてくれるので、便秘や下痢にならない元気な腸を保つためにも役立ちます。

プレバイオティクスになる食品は1回摂れば大丈夫と安心せず、毎日食べ続ける工夫をしましょう。毎日摂り続けることが、腸内フローラを健全に保つ最善策となります。毎日摂るなら、オリゴ糖をたくさん含んだごぼうのお茶がおすすめです。『有機 高原のごぼう茶』

腸はビタミン、ホルモン、酵素をつくる

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