アメリカのサプリメント事情

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アメリカがサプリメントに関しても進んでいることは周知のとおりです。なぜ、アメリカではこれほどサプリの人気が高いのでしょうか?
栄養学がすすんでいることもありますが、本当のところは、病院に行けない」という経済事情によるところが大きいと思われます。日本では、多くの病気の治療に関しては保険が適用されます。その結果、保険証さえあれば自由に安価で診療を受けることが可能です。

一方、アメリカでは、日本のような医療保険制度が確立しておらず、加入している保険会社によって行ける病院が限られたり(それ以外の病院では保険が適用されません) 、保険の適用金額に上限があったり、さらに保険に入るにも厳しい条件が課せられたりするので、「誰でも自由に安く」というわけにはいかないのです。

このためアメリカでは「病院に行かずにすませたい」という風潮が高まり、70年代にはサプリメントを専門に取り扱う「ビタミンショップ」が次々に登場しました。
そしてスーパーマーケットでも広く扱われるようになり、大量に出回ることで価格も下がり、アメリカの人達の必需品となったのです。その後、1994年にダイエタリーサプリメント教育法(DSHEA) が制定され、ビタミン、ミネラル、ハーブ、アミノ酸などについて科学的根拠に基づいていれば、FDAへの通知だけで人体の構造と機能に関する効果を表示できるようになりました。
しかし表現に行き過ぎる傾向が見られたので、2000年1月にFDAにより、表現に関しての細則が公表され、疾病を「治療する」や「予防する」といった内容の表現は使えなくなりましたが、疾病改善の役に立つといった表現は認められるようになりました。例えば、「軟骨と関節の機能をサポートするのに役立つ」「心臓血管系の機能と健康な循環器系を維持するのに役立つ」といった表現は可能になったのです。

トレーニング時に活用するクエン酸の摂取法

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食品なので、ドリンクなどにして適宜水分補給感覚で摂取するのがおすすめです。比較的長時間のトレーニングや試合の場合は、ちょっと専門的な飲み方もあります。

まず最初は、糖質入りのスポーツドリンクを中心に摂取していきます。水分補給とエネルギー補給を兼ねた状態です。この場合、可能であればハイポトニック飲料だとお腹に溜まりにくいのでさらに好都合です。

そしてトレーニングを進めるにつれて疲労が蓄積して体内に乳酸が溜まり始めた頃からは、スポーツドリンクからクエン酸ドリンクヘと、ドリンクの内容をスイッチするという方法です。
最初はとにかくエネルギーの補充が重要となるのですが、トレーニングが進むにつれエネルギーは乳酸という物質に変わっていくようになります。
そのタイミングからは乳酸の元となる糖質よりも、むしろ乳酸を除去してくれるクエン酸を中心に摂取するほうがパフォーマンスが上がりやすいというわけです。
少々、専門的になりますが、クエン酸が乳酸を除去してくれるメカニズムとしては、グルコース分解の調節酵素であり、かつ乳酸生成に強く作用するピルビン酸脱水素酵素(PDH) の活性化が関係していると推測されます。

クエン酸摂取によりマロニル-CoA が生成され、カルニチン-パルミトイルトランスフェラーザI (CPTI)が阻害されて脂肪酸をミトコンドリアに取り込めなくなり、その結果としてPDHが活性化されます。
PDHが活性化されると、乳酸はピルビン酸を経由してクエン酸回路に入りやすくなるのです。さらに、クエン酸は解糖系のホスホフルクトキナーゼを阻害するので、グルコースからの乳酸生成も低下するはずです。この二つの作用により、クエン酸摂取が乳酸の除去を促進すると考えられています。

クエン酸の効能・効果

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クエン酸は、レモン、梅干しなどに含まれる酸っぱい成分です。有機酸呼ばれる素材です。多くの飲料にも清涼感を出すために添加されていて、トレーニングなどの関係でも注目されている栄養素の一つです。

体が疲れたときに、甘味や酸味への欲求が高まることは経験的に知られていますが、クエン酸はエネルギー代謝の中心的な中間代謝物であり、トレーニングは筋肉内のクエン酸合成酵素活性を上昇させるので、それに伴ってクエン酸濃度も上昇することが報告されています。
したがって、トレーニング中や直後にクエン酸を摂取することにより、運動パフォーマンスの向上、疲労物質の除去、グリコーゲンの合成の促進が期待できます。
これまでの研究で、数分間の短時間運動の前にクエン酸を摂取すると、血液のPH(ペーハー)の低下を抑制するなどの作用により、パフォーマンスを改善することがヒトにおいて明らかにされています。また、ラットに持久的運動(水泳)を負荷して肝臓と筋肉のグリコーゲンを低下させた後、クエン酸とグルコースを併用投与すると、グルコースの単独投与よりも両組織のグリコーゲンの合成が促進されることが分かっています。

ヒトにおける持久系トレーニング後の代謝に対しても、クエン酸摂取の影響が明らかにされています。疲労困備になるほどの運動負荷により、血中乳酸濃度は上昇し、運動後徐々に低下しますが、グルコースだけを摂取するよりも、グルコースとクエン酸を摂取したほうが、その低下が早いことが認められました。つまり摂取したクエン酸により筋肉中の乳酸が代謝されやすい状況がつくられたと考えられるのです。
また、クエン酸は抗疲労効果を有する食品素材の一つとしても期待されています。日頃の業務で疲労を感じている健常者を対象に、クエン酸を含む飲料を摂取させ、A T M T(精神作業効率を客観的に測定する装置) を使用して、疲労感検査(VAS検査) を行った結果、ATMT によるパフォーマンス評価で有意な試行数の増加、VAS による主観的評価で疲労感の軽減傾向が確認されています。

梅肉エキスなどのように凝縮されたクエン酸をとるとさらに効果的です。冷え症改善に効果があるのも意外です。

関節に効果的な栄養素

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関節の痛みを和らげる手段として関節に必要な栄養素を摂取することで軟骨成分を補給し、軟骨部分の摩耗を防ぐという方法が米国では注目を集めています。 中でも、クッションの役割をする軟骨成分であるプロテオグリカンの原材料であるグルコサミン、コンドロイチン、コラーゲン(ペプチド) を補給するのがいいといわれています。

グルコサミンはカニなどの甲殻類の外皮に多く含まれていて、新しい軟骨(プロテオグリカン)をつくるための栄養素となります。コンドロイチンは主としてサメの軟骨やスッポンなどに含まれ、水分をたくさん蓄えられるので、水分をクッションのように利用し、膝への衝撃を吸収することができます。

グルコサミンの効能、効果はこちら。

コラーゲンは新しくつくられたプロテオグリカンを安定させ、軟骨を支える成分です。 グルコサミンはアミノ糖と呼ばれるアミノ酸の一種であり、コンドロイチンはムコ多糖類(細胞と細胞をつなぐゲル状の物質) と呼ばれ、どちらも速やかに吸収され各組織に届くと考えられています。 一方、コラーゲンは消化酵素で分解され、アミノ酸やジアミノ酸状態で吸収され、各組織でコラーゲンとして再合成されると考えられています。アミノ酸に分解されるのであれば、他のタンパク質を摂取しても変わらないのではないかと思われがちですが、実際にコラーゲンと牛乳のカゼインとの摂取比較では、コラーゲンの生成量はコラーゲンを摂取するほうが高いようです。

またコラーゲンを摂取する際にビタミンCもー緒に摂取したほうが、コラーゲンの生成量が増えることも確認されています。さらにコラーゲンの摂取は軟骨組織だけでなく、骨組織の骨密度を上げる効果もあるようです。補助的には活性酸素の発生を抑える働きのある抗酸化ビタミン(ビタミンA、βカロチン、ビタミンC、ビタミンE) などの摂取も効果的です。ミネラルではカルシウム、マグネシウム、亜鉛などの摂取は関節炎になりにくくする効果があるといわれています。

コラーゲンの効能、効果はこちら。

関節の痛みについて

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関節は、2個以上の骨が連結した部分を総称して呼んでいます。このつなぎ目には軟骨組織があり、クッションとなって骨の周りの組織を保護しています。ところが、激しい運動などで関節組織を酷使し続けると、軟骨部分は次第に擦り減ってしまいます。また軟骨を構成する成分であるプロテオグリカンは、成長期には体内で合成されますが、加齢とともに合成されなくなります。

こうしたことが原因で軟骨が擦り減ってしまうと、骨同士が直接こすれ合うこととなり、痛みを伴います。このように痛みを伴う症状を「関節痛」といいますが、さらに症状が進み、次第に骨が変形してくると「変形性関節症」となってしまいます。

変形性関節症は進行すると曲げ伸ばしに制限をきたすようになり、膝関節であれば、歩くことすらも苦痛となってきます。変形性関節症が最も発生しやすいのは、常に体重を支え、さらにさまざまな衝撃にさらされることの最も多い膝の関節です。階段の上り下りや椅子から立ち上がったときに痛みを感じるようであれば、注意が必要です。

この関節炎の治療には温熱療法(ホットパック) 、薬物治療(炎症鎮痛剤、ステロイドの関節内注入) 、装具療法(膝装具)、手術療法(骨切り術、人工関節)などがあります。また、運動療法では膝を伸ばす働きをする大腿四頭筋という筋肉を強化する方法があります。
膝に負担のかからない水泳やマシントレーニングを行い、膝周辺の筋肉を鍛えることは、予防のためには非常に有効な手段であるといえます。

プールで歩く運動をするのが一番効果的です。

加齢が原因と診断されたひざ痛、腰痛に「塗るグルコサミン キダDX」の使用感、口コミ

コラーゲンは?

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プロテインは日本語に訳すと「たんぱく質」です。加工食品や飲料のパッケージには、栄養成分表示として「タンパク質の量」が記載されています。 以前、「コラーゲンのドリンクのほうがプロテインのドリンクよりもタンパク質の量が多いことを紹介していますが、しかし、一概にタンパク質といってもその栄養価はまちまち。タンパク質の種類(内容) に注意しなければ、全く意味のないことになってしまいます。

筋肉をつけたいのであれば、ホ工イなどのタンパク質が効果的ですし、関節や肌といったものを意識するのであれば、むしろコラーゲンといったタンパク質が向いているでしょう。特に最近「美容にコラーゲン」が定着してきた感があります。コラーゲンはカラダの中に非常に多く含まれており、特に皮膚では水分を除いた重量の約70% がコラーゲンであるといわれています。そのため「美容→肌ケア→コラーゲン」という図式が成り立つのですが、実は骨や関節を構成するタンパク質も大部分がコラーゲンタンパクです。

そしてコラーゲンをアミノ酸レベルで見ると、非常に面白い特長があります。 コラーゲンを構成するアミノ酸のうち、グリシンが約33% 含まれ、次いでプロリン約13% 、アラニンが1% 、ヒドロキシプロリン約9% という構成になっています。この4 種類のアミノ酸で構成アミノ酸の3分の2を占めており、その他のアミノ酸( メチオニン、リジン、イソロイシン、バリン、グルタミン、アルギニン、システイン、ヒスチジンなど) はそれぞれ1% 未満しか入っていません。さらに必須アミノ酸であるトリプトファンにいたっては全く入っていません。つまりアミノ酸スコアはゼロという、実は栄養価的には乏しいタンパク組成になっているのです。 しかしながら、コラーゲン(ペプチド) を経口摂取した場合のさまざまな生体調節機能が報告されています。それは

  1. 関節炎や慣性関節リウマチに対しての消炎作用
  2. 低カルシウム食状況下で骨コラーゲン構造を強固にして骨強度を高める効果
  3. 血圧上昇抑制効果
  4. 皮膚コラーゲン代謝促進作用などです。

粉末コラーゲンの口コミ、使用感、効能・効果一覧

MRPって?

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「MRP」とは「ミール・リプレイスメント・パウダー」の略で日本語では「代替食」などと訳されます。食事の要素を取り入れた簡易食です。本来は、粉末である必要はありませんが、簡易ということになると、水や牛乳でシェイクして飲めるということで粉末状がほとんどです。
プロテインにデキストリンなどのエネルギー源とビタミン、ミネラルを配合した、「プロテイン+α」として販売しているケースもありますが、少し凝ったものになると3大栄養素のバランス(PFCバランス) も考慮して脂質も敢えて配合しているものもあります。
この場合の脂質は、中鎖脂肪酸などのエネルギーとして使われやすい脂質が配合されていることが望ましいかと思います。

その使い方はさまざまで、単純に食事の代わりにしたり、食間に飲んだり、または食事にプラスαしてバランスを考慮しながら食事のボリュームを増やしたりするときに役立ちます。
使い方によってはダイエットにも使えますし、逆に筋力アップなどの目的で体重を増やすときにも使えます。

典型的なダイエット用の使い方は、朝と昼は通常通りの食事を摂り、夕食をMRPにしてしまうという方法。その際にボリュームが足りなければ、これにバナナや野菜ジュースなどをプラスαしていきます
バルクアップの場合は、食間やトレーニング後にMRPを使うことで、1日合計4~5食としていきます。一度に必要以上の大量エネルギー摂取をしても体内で有効に活用されませんから、なるべく食間などを狙い、MRPで「小さなバランスのとれた食事」をプラスオンしていくという考え方です。1日の食生活をデザインするという観点からは非常に使い道の多い、お役立ちのサプリメントです。

脂肪を燃焼させてくれるサプリはある?

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「コレウス・フォルスコリ」と呼ばれるシソ科の植物でインドやネバールなどでは根の部分をピクルスにして食べています。
人が体脂肪をエネルギーとして代謝させる際には、大きく三つの段階があります。
<ol><li>体脂肪の脂肪酸への分解</li><li>脂肪酸をミトコンドリア内膜まで運び込む</li><li>脂肪酸を
TCA回路で燃焼する</li></ol>の3段階になります。

HCAが3 のTCA回路での燃焼に働くのに対し、コレウスは1 の脂肪を脂肪酸へ分解するところで働きます。

通常、脂肪は体内では、主に白色脂肪細胞に蓄えられており、この脂肪を脂肪酸に変換するためには、まず運動などの刺激を与え、交感神経よりアドレナリンやノルアドレナリンと呼ばれるカテコールアミンを分泌させます。このカテコールアミンが白色脂肪細胞にあるβ 3受容体に刺激を与え、β3受容体に刺激が与冬bれると、酵素の一種であるアデニル酸シクラーゼが活性化されます。このアデニル酸シクラーゼがサイクリックAMPを合成し、さらには脂肪を脂肪酸に分解するリパーゼが活性化することで、脂肪が脂肪酸へと変換されます。

しかし驚くべきことに、日本人では脂肪を分解する出発点ともいうべきβ3受容体が弱く、せっかく運動をして、カテコールアミンを分泌させてもβ3受容体が応答しにくいという人が実に39% にものぼるとの報告もあります。


つまり同じだけ有酸素運動をしても、速やかに脂肪が分解される人とそうでない人が存在するということが分かってきたわけです。コレウスに含まれるフォルスコリンは、β3受容体を介さずにアデニル酸シクラーゼと結合し、アデニル酸シクラーゼを活性化させることが知られています。このため運動による刺激がなくても脂肪を脂肪酸に変換させることができます。このような特徴を持つハーブを使用することで、低い運動員荷でも効率的に脂肪を分解させることができる可能性が出てきました。

HCA(ハイドロキシクエン酸)とは?

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HCA(ハイドロキシクエン酸)は、インド、東南アジアなどではスパイスとして利用されている「ガルシニア・カンボジア」という果実の皮に含まれるエキスです。

日本でも、「ガルシニアダイエット」という名前を聞いたことのある人も多いかと思います。何故HCAはダイエットに効果を発揮するのでしょうか。これまでの研究から、HCA には食事から摂った余分な糖質を脂肪として蓄積しにくくする働きがあることが分かっていましたが、さらに体脂肪の燃焼を促進する効果も確認されています。

まず、脂肪はグリセリンと脂肪酸に分解され、この脂肪酸が細胞の中に入り、ミトコンドリアと呼ばれるエネルギー生産工場に取り込まれます。このミトコンドリアに入った脂肪酸は、次にアセチルCOAという物質になり、TCAサイクルというエネルギーをどんどんと生み出す回路に入ります(= クエン酸回路) 。アセチルCOAがTCA サイクルの中でクエン酸という物質に変化し、エネルギー(A T P=アデノシン三リン酸) を合成していくのです。

ところが、エネルギーの材料となる脂肪酸が大量に取り込まれると、今度はクエン酸がつくられすぎてしまい、細胞質内にクエン酸があふれ出すという現象が起こります。過剰な状況です。
その際、あふれ出したクエン酸に、ある酵素(ATPクエン酸リアーゼ)が作用して、最終的にマロニルCOAという物質に変化してきます。そして、細胞内のマロニルCOAが合図となり、脂肪酸がミトコンドリアにそれ以上取り込まれないようにブレーキがかけられ、脂肪酸がエネルギーとして使われなくなってしまいます。
つまり脂肪が燃えなくなるわけです。HCAはミトコンドリアでつくられるクエン酸と分子構造が非常によく似ていて、あふれ出したクエン酸に代わって酵素にくっつきます。そうなると本来のクエン酸には酵素は反応しないことになり、結果としてマロニルCOAが増えないので、脂肪酸の燃焼にブレーキがかからなくなります。つまりミトコンドリアの中により多くの脂肪酸を取り入れ、脂肪燃焼を続けることが可能になるというわけです。

HCAってダイエットに効くの?

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HCA(ハイドロキシクエン酸)は、インドや東南アジアなどではスパイスとして利用される「ガルニシア・カンポジア」という果実の皮に含まれるエキスです。
ガルニシアのついてのウィキペディアの記事はこちらです。

日本でも、「ガルシニアダイエット」などという言葉を聞いたことがある人がいるかもしれません。
何故、HCAはダイエットに効果を発揮するのでしょうか。これまでの研究から、HCA には食事から摂った余分な糖質を脂肪として蓄積しにくくする働きがあることが分かっていましたが、さらに体脂肪の燃焼を促進する効果も確認されています。食事制限が苦手でダイエットがなかなかうまくいかない人にはうれしいHCAです。

まず、脂肪はグリセリンと脂肪酸に分解され、この脂肪酸が細胞の中に入り、ミトコンドリアと呼ばれるエネルギー生産工場に取り込まれます。このミトコンドリアに入った脂肪酸は、次にアセチルC OAという物質になり、→ A サイクルというエネルギーをどんどんと生み出す回路に入ります(= クエン酸回路) 。アセチルCoAがTCAサイクルの中でクエン酸という物質に変化し、エネルギー(AT P= アデノシン三リン酸) を合成していくのです。

ところが、エネルギーの材料となる脂肪酸が大量に取り込まれると、今度は、クエン酸がつくられすぎてしまい、細胞質内にクエン酸があふれ出すという現象が起こります。その際、あふれ出したクエン酸に、ある酵素(ATPクエン酸リアーゼ)が作用して、最終的にマロニルC 。Aという物質に変化してきます。そして、細胞内のマロニルC oAが合図となり、脂肪酸がミトコンドリアにそれ以上取り込まれないようにブレーキがかけられ、脂肪酸がエネルギーとして使われなくなってしまいます。

つまり脂肪が燃えなくなるわけです。H CAはミトコンドリアでつくられるクエン酸と分子構造が非常によく似ていて、あふれ出したクエン酸に代わって酵素にくっつきます。そうなると本来のクエン酸には酵素は反応しないことになり、結果としてマロニルCoAが増えないので、脂肪酸の燃焼にプレーキがかからなくなります。つまりミトコンドリアの中により多くの脂肪酸を取り入れ、脂肪燃焼を続けることが可能になるというわけです。