ナチュラルキラー細胞 ガン をも撃退する

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ナチュラルキラー細胞 ガン をも撃退する力があります。ナチュラルキラー細胞は、免疫系に属する特殊なタイプの白血球であり、がん細胞や感染細胞などの異常な細胞を認識し攻撃する役割を果たす免疫細胞です。ナチュラルキラー細胞は、体内の異常な細胞を特定し、破壊することで免疫系の一部として体を守る重要な役割を果たします。

ナチュラルキラー細胞 ガン 細胞も撃退 常に体内の安全を守るパト>ロール隊「免疫力」に勝る薬はない

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さて、T細胞・B細胞という軍の本隊とは別に、陸軍でも海軍でもない遊撃パトロール隊のようなものがいます。それがナチュラルキラー細胞 (NK細胞)です。指令も軍事訓練も必要なく、生まれながらにして殺傷能力を持つため、ナチュラル・キラー(NK)細胞と呼ばれるものです。

1970 年代半ばにNK細胞を発見した人で、こう名づけられました。その頃は、リンパ球にはT細胞とB細胞しかないと考えられていましたがそのほかにがん細胞をやっつける免疫細胞があるだろうと予測し、発表しました。

リンパ球は、免疫系に属する特殊な種類の白血球であり、体内の異常な細胞や病原体に対する免疫応答を担当する細胞です。免疫応答は体を守るために重要な働きを果たすもので、リンパ球はその中で中心的な役割を果たしています。リンパ球は大きく分けて3つの主要なタイプに分類されます。

  1. Tリンパ球(T細胞): T細胞は、免疫系の主要な要素で、感染症や異常な細胞に対する攻撃を担当します。T細胞は体内の異常な細胞(例: ウイルス感染細胞やがん細胞)を認識し、攻撃することで免疫応答を調整します。また、T細胞には助ける役割を果たす「ヘルパーT細胞」と、異常な細胞を直接攻撃する「キラーT細胞」などの異なるタイプがあります。

  2. Bリンパ球(B細胞): B細胞は、免疫応答の一環として抗体を産生する細胞です。抗体は、体内に侵入した病原体を標識し、他の免疫細胞がそれらを攻撃する手助けをする役割を果たします。B細胞は体内の抗原(異物)に対して感作され、適切な抗体を産生する能力を持っています。

  3. ナチュラルキラー(NK)細胞: ナチュラルキラー細胞は、前述の通り、がん細胞や感染細胞などを認識し、攻撃する免疫細胞です。T細胞と異なり、特定の抗原に対する適応免疫を必要とせず、比較的早い段階で異常細胞に対する攻撃を行うことができます。

これらのリンパ球は、体内の免疫応答を調整し、感染症やがんなどの異常な状態に対抗するために連携して働いています。適切な免疫応答を維持するためには、これらの細胞が適切に機能することが重要です。免疫系の正常な機能を維持するためには、バランスの取れた生活や健康な食事、適切な睡眠などが大切です。

そして、私たちの研究でそれを証明したのです。NK細胞は、リンパ球の約20%を占めています。これはおもに、体内にがん細胞がないかパトロールし、発見するやいなや攻撃します。人間の体は、毎日細胞が分裂して生まれ変わっています。

その数、1日約1兆個。新しい細胞の中には、遺伝子の突然変異で次の細胞を正常につくり出せない出来損ないの細胞が5000~6000個できてしまいます。

お金で考えれば1 兆円のうちの5000円程度ですから大したことはないのですが、これががん細胞の芽になり、放っておけばがんに成長します。つまり、誰でも体内で、毎日5000~6000個のがん細胞の芽が生み出されているのです。

NK細胞がガンを撃退するメカニズムについては以下のような点が知られています:

  1. 細胞認識: NK細胞は、がん細胞や感染細胞などの異常な細胞を認識する際に、それらの細胞表面に存在する異常なタンパク質やマーカーを検出します。この細胞認識によって、正常な細胞と異常な細胞を識別することができます。

  2. 免疫細胞への刺激: NK細胞は、異常な細胞を攻撃するために、細胞表面の受容体を介して免疫応答を活性化するシグナルを送ります。これにより、NK細胞はがん細胞や感染細胞に対して攻撃的な反応を引き起こすことがあります。

  3. アポトーシス誘導: NK細胞は、攻撃対象となる異常な細胞にアポトーシスと呼ばれるプログラムされた細胞死を誘導するサインを送ることがあります。この結果、がん細胞はプログラムされた死に至ります。

ただし、がん細胞は時にこれらの攻撃から逃れるためにさまざまなメカニズムを進化させています。がん免疫療法などの治療法は、免疫系を活性化してNK細胞を含む免疫細胞の攻撃力を高め、がん細胞を撃退することを支援する目的で研究されています。これには、免疫チェックポイント阻害薬やCAR-T細胞療法などが含まれます。

それでなぜすべての人ががんになるわけではないのかと言えば、このがんの芽が「不良」程度のうちに、パトロールしているNK細胞が片っばしから潰しているからです。NK細胞が元気であれば、毎日できるがん細胞は撲滅されて増殖しません。

だから、「不良」は「暴力団(がん)」にならないのです。この不良と同じような顔つきをしているのが、外から侵入したウィルスに感染した細胞です。これもNK細胞が真っ先に潰してくれることがわかっています。

ですからNK細胞が強いと、風邪もひかないし、がんにもならない。NK細胞を活性化すれば、免疫力が高まると言えるわけです。

がんになりやすい人、なりにくい人の違い

埼玉県立がんセンターが、40~80歳の男女合わせて約3 500人の住民を対象に11年間(1 986~1997年) 追跡した調査があります。これらの人々のNK細胞を調べて、そのNK細胞の活性を「高」「中」「低」の3 グループに分けて、発がん率の違いを調べたのです。その結果、「高」のグループががんになった率は、男性6 %、女性2%。「中」では、男性7%、女性2%。「低」では、男性9%、女性4%。いずれも、NK活性が低いほうが、明らかに発がん率が高かったのです。

年齢や食習慣などの影響を除くと、NK活性が「低」の人は、「高」「中」のグループの人に比べると、男性は約1.7倍、女性は約2倍、がんになりやすいということになりました。このような調査からも、NK活性が低い人はがんになりやすいということが明らかになったのです。

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