体を守る防衛機能はどうやって働くか

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病気をブロックする「免疫の最前線」

風邪をひくと、くしゃみ咳や痰が出ますが、外部からの病原体を包み込んで体外に出そうとする働きで、免疫の最前線での活動と言えます。

これは、口の中、鼻の中、消化管の粘膜から分泌される唾液や粘液の第一の働き。たとえば咳は、のどの防衛線を通り抜けて気管を攻撃し始めた病原体を、ものすごい気流で一気に吐き出そうとする防衛反応です。

こうして免疫システムが作動し始めると、熱も出てきます。咳も発熱も、体を防衛しようとする反応ですから、その段階で薬を使って無理に押さえ込もうとすると、病原体をうまく排出できずにかえって風邪が長引くことになります。

唾液や粘液のもう1つの働きは、粘膜に付着した病原体を殺すことです。粘液は乾燥に弱いため、冬には分泌量が低下します。粘液が少ないと病原体の侵入を防ぐことができなくなり、風邪をひきやすくなるのです。

また唾液は、緊張したりストレスを感じたりしても分泌が減ってしまいます。病原体がこうした第1の防御壁を突破して体内に入り込むと、免疫の本体が動き出すことになります。

外敵を一気に退治してくれる「白血球」

免疫の仕事を担っているのは、血液に含まれる白血球です。健康診断などで血液検査を受けると、必ず白血球数が調べられますね。白血球数の数値で病気があるかどうかがわかるからです。

白血球傲が異常に増えている場合は、感染によって体内に細菌が侵入しているか、白血病などの病気によって増えすぎているためです。病気であればすぐに治療が必要で、体内の炎症が治まれば白血球数も正常に戻ります。

白血球数が少ない場合は、体の防衛反応が低下して細菌に感染しやすく、病気になりやすい状態です。抗がん剤や薬の副作用によっても白血球数は減少します。白血球数が適正だと、なぜ体を防衛できるのでしょうか。

白血球は、約5%のマクロファージ、約60%の顆粒球、約35%のリンパ球で構成されています。

このトリオが協力し合って体を守る力が免疫力です。マクロファージとは、免疫系で最初の仕事をする司令塔のようなものです。macro(大きい)・phage(食べ尽くすもの) =大食細胞の意味を持つように、異物が入ってくると、食べるように細胞内に取り込んで、無毒化して外に出したり、異物の情報を他の免疫細胞に伝えて攻撃させたりする働きがあります。

進化の過程で最初にできたマクロファージは、今も原始的なアメーバ状をしています。このマクロファージから機能が分かれてできたのが、顆粒球とリンパ球です。顆粒球は、マクロファージの食べる機能を発展させたもので、細菌などの異物を見っけるとすぐに取り込んで処理しますが、そのとき自分も自爆してしまいます。

残った死骸が膿です。また、自爆する際には大量の活性酸素が放出されます。活性酸素は体内で処理される仕組みがありますが、顆粒球が増えすぎたり、処理が間に合わなかったりすると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍やがんの引き金になります。

この顆粒球が処理できるのは、ブドウ球菌や大腸菌といった大きな細菌類です。顆粒球ではカバーしきれないウィルスなどの小さな異物を処理するのが、リンパ球です。ところで、細菌とウィルスの違いをご存じですか。細菌には細胞があり、細胞分裂によって自己増殖していきますが、ウイルスはもっと微小なもので細胞がなく、遺伝子だけがよその細胞に入り込んで寄生し、増殖していくのです。

ウィルスは細胞がないので無生物であるとも言えるし、遺伝子があって他の細胞を利用して増えていくという点では生物であるとも言えるのです。さて、顆粒球が普段から血流に乗って全身を監視し、異変があるとすぐに駆けつけるのに対し、リンパ球はリンパ節の中で眠っていて、マクロファージから指令があると働き出すので、少し時間がかかりま