健康の第一条件は、「免疫力」が高いこと

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誰もが持っているすごいパワー

世の中にはいろいろな健康法がありますが、それを実践しているか実践していないかにかかわらず、健康状態は人によってさまざまです。

頻繁に風邪をひいて学校や仕事を休む人もいれば、周りがみなインフルエンザにかかってもまったく伝染らない人もいます。

ちょっとしたことですぐお腹をこわす人もいれば、一緒に食事をした人たちが食中毒になっても一人平気な人もいます。

中高年になれば、同じ年齢でも、老けている人、若々しい人の差は一目瞭然です。その違いは、1つ1つの臓器の性能によるのでしょうか? 持って生まれた遺伝子によるのでしょうか?

いいえ、それが免疫力の違いです。人の健康と著さと寿命は、どれだけ免疫力が高いかにかかっているのです。この免疫とは本来、誰もが持っている力。ウィルスや細菌やがん細胞など、体の中に異物が侵入したり異質な細胞ができたりしたとき、それを攻撃して排除し、体を守る働きです。

このように言うと、動物が進化するときや危機にさらされたときなど、特別な場合に働くように思われますが、私たちの体は常に敵となる菌と闘っています。それでも問題なく生きていられるのは、免疫が常に機能しているから。その力が失われたら、とたんに体は負けてしまいます。

免疫力とは、生命力にほかならないのです。免疫力を上手に活用することで、病気や老化を防ぎ、健康で長寿な体をつくることができます。つまり、免疫力を高めることこそ、「健康長寿」の秘訣なのです

免疫システムは、「会社の重役」のような存在

免疫力を最大限に活かすために、まず免疫とはどのような仕組みになっているのかを理解していただきたいと思います。やや小難しい詰もありますが、知っておくことで非常に役立ちます。

心臓という臓器が止まると人はすぐ死んでしまいますが、免疫系が止まるとどうなるでしょう。たとえば人は一定量の放射線を浴びてしまうと、心臓などはそのままで免疫系だけが壊れてしまいます。このとき即死はしませんが、ウィルスや細菌に侵されて感染症にかかり、生き延びることができません。

ただ、免疫系というのは、「これが免疫をつくり出す臓器です」というように実体を見せることができません。免疫を司るのは、人間の体の特定の器官ではなく、複数の器官や組織が連携し合って構成する高度なネットワークと言えるからです。

免獲機構がない生物、たとえばミミズやナメクジを考えてみましょう。ミミズにもナメクジにもリンパ球がありません。これらと人間の大きな違いは、「体を構成する細胞の種類や数の違い」です。

たとえて言えば、ラーメン屋台と大きなデパートといった違いになります。屋台なら、店主が一人で材料を仕入れてつくつて売って片づけるだけ。いたってシンプルです。一方、デパートなら、膨大な商品を仕入れて仕分けして管理して...すべてが複雑です。

ですから各フロア・各区画を仕切る売り場担当のほかに、デパート全体を統括する管理者が必要になります。その管理者は表には出てきませんが、各区画のバランスを考えながらデパート全体の売上を上げようと、裏で走り回っているわけです。

なかでもデパートの経営を担うのが、神経系、内分泌(ホルモン)系、免疫系という3人の重役です。売り場からはまったく見えないこの3人は、互いに連携、協力し合ってデパートを支えています。各売り場が多少赤字を出しても何とかなりますが、

3人の重役の1人でも倒れてしまえば、デパートは倒産の危機です。人間の体も、細胞群が複雑に分かれており、各臓器がうまく連携して働くためには、表からは見えないこの3 つの高度なシステムが、重要な役割を果たしているのです。

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