加齢、環境の変化による免疫低下で帯状疱疹が急増、早期治療が欠かせない

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免疫力が低下すると隠れていた帯状疱疹ウィルスが活発になり皮膚症状がではじめる

季節の変わりめなど、体力が低下しやすくなる時期に注意したい皮膚の病気が、帯状疱疹です。神経痛に似たチクチクとした刺すような痛みや、ヒリヒリしたような感覚、皮膚のかゆみなどが数日から1週間程度続くのが、初期の症状です。

その後、同じ場所に虫に刺されたような赤い発疹が現れ、軽い発熱やりパ節の勝れ、頭痛といった症状が見られることもあります。さらに、発疹上に小さな水ぶくれができ、神経痛のような痛みが悪化するとともに水ぶくれもひどくなっていきます。

水ぶくれは、初めのうちは透明ですが、やがて黄色い膿癌となって6~8日で被れ、ただれた状態になります。発疹が現れてから1週間までは、赤い発疹や水ぶくれの範囲は広がる一方ですが、その後は快方に向かいます。約3週間でかさぶたとなり、約3週間でかさぶたが落ちて、帯状疱疹は治まります。

帯状疱疹は幼少期に水ぼうそうを経験した人のうち、3人に1人の割合で発症します。水ぼうそうは、主に10歳以下の子どもがかかる「水痘・帯状疱疹ウイルスというウィルスによる感染症です。ではなぜ、水ぼうそうにかかると帯状疱疹になる可能性が高くなるのでしょうか。そのキーワードとなるのが「免疫」です。

私たち人間をはじめとするほ乳類の免疫には、大きく分けて「自然免疫」と「獲得免疫」という2つのシステムがあります。自然免疫は、私たちが生まれながらに持っている免疫のこと。自然免疫では、白血球の一種であるマクロファージ(貪食細胞)の働きがカギを握っています。

マクロファージの代表的な働きは、体内の病原体などの異物を掃除することです。一方の獲得免疫は、一度でもウィルスなどに感染すると、免疫細胞がその情報を覚えていて、再びウィルスが侵入したときに撃退するしくみのこと。生まれてからの経験で得られる免疫のため獲得免疫といい、ワクチンなどが該当します。

獲得免疫の働きで、幼少期に水ぼうそうにかかると、免疫細胞が帯状疱疹ウィルスを覚え、その後は再発することはありません。ただし、帯状疱疹ウイルスは完全に消失してはいません。

水ぼうそうの症状が改善した後も、帯状癌疹ウィルスは神経節に隠れているのです。帯状疱疹ウィルスが神経節でおとなしくしているうちは何の問題もありません。

ところが、加齢をはじめ、睡眠不足や過労、いろいろな疾病の罹患、運動不足、仕事や人間関係のストレスなどで免疫力が落ちたときなどは注意が必要です。有害な異物と闘って体を守る免疫力によって抑え込まれていた帯状疱疹ウィルスが再び活動しはじめ、神経を伝って皮膚で暴れてしまうのです。春は環境の変化が多い時期のため、免疫力の低下に十分気をつけてください。

帯状疱疹は発疹が出てから3日以内に抗ウイルス薬を飲む

帯状疱疹ウィルスが再び活動を始めてから皮膚の表面に到達するまでには、1~2週間ほどかかnノます。発疹などの皮膚の症状が出る前に痛みが出たときは、すでに神経細胞の破壊が進んでいます。そのため、神経や神経周囲のダメージが大きく、皮膚の症状も激しいものとなります。

ときには、神経が変性して帯状疱疹後神経痛を残すこともあります。

帯状疱疹は、感覚神経が通る体のどこにでも発症する可能性があります。特に多いのが、胸や背中などの胸神経と、さんさ顔面などの三叉神経です。

神経は体の左右対称に分かれて伸びているため、通常は帯状疱疹ウィルスが再び活動をはじめた左右どちらかの感覚神経の部分に、痛みや水ぶくれなどの症状が出ます。最近になって帯状疱疹の患者さんが増えている理由には、高齢化が関係しています。

これまで帯状疱疹は一度かかると再発はしないと考えられていました。しかし、高齢者の増加に伴って十年ほど前から2回以上帯状疱疹にかかる患者さんも増えてきました。

最初の帯状疱疹の発症から5~10年前後で再発することもあります。帯状癌疹は「免疫力低下」を知らせるサインです。加齢などによって体の免疫力が落ちて現れる病気なのです。帯状疱疹ウィルスの増殖は発疹が出てから72時間でピークに達するため、3日以内に抗ウィルス薬を服用することが大切です。帯状疱疹の疑いがある場合は、早めに皮膚科などを受診して、抗ウィルス薬などによる治療を始めることが重要です。