「おなかを元気にするために、ヨーグルトは毎日食べている」という人は多いでしょう。私たちの腹の中には、100種類、100兆もの腸内細菌がいます。その中には、大腸菌などの悪玉菌や、人間の体にとって役に立つ善玉菌がいます。

その腸内細菌のバランスをとるのが、ヨーグルトです。健康な腸は善玉菌が増えている状態です。善玉菌というとみなさんも知っているビフィズス菌などの乳酸菌です。ヨーグルトを食べるとこうした乳酸菌を増やすことができます。

それは、ヨーグルトが乳酸菌によってではっこうきた発酵食品だからです。このビフィズス菌は、腸のぜん動運動を活発にする働きがあるほか、体の免疫力を高めたり、ビタミンを合成したり、消化や吸収を助ける働きがあります。そして、腸内の悪玉菌を抑える働きがあり、私たちの腸内を元気にたもつために大活躍します。

一方、有害な悪玉菌にはウェルシュ菌などがあり、高齢になったり、ストレスを受けると腸内細菌のバランスが崩れてしまいます。その結果、便秘や下痢だけでなく、がんや生活習慣病まで引き起こすといわれます。

そこで、ヨーグルトを積極的に食べて腸内環境を整え、便秘を解消するわけです。ふつうのヨーグルトでももちろんいいのですが、ビフィズス菌入りのものもあります。また、ビフィズス菌の粉末も市販されているので、ヨーグルトに加えてもいいでしょう。

また、善玉菌を効率よく増やすには、ビフィズス菌のエサとなってビフィズス菌を増殖させるオリゴ糖と一緒にとると効果的です。ただし、朝食をヨーグルトだけにしないこと。主食と野菜、汁物や水分をとり、そのうえでヨーグルトを食べることが大事です。

腸を元気にするヨーグルトで便秘解消

「豆腐はヘルシーな栄養食! 」といわれ、海外でも注目されているのはご存じのとおり。豆腐や納豆をはじめ、大豆やあずき、そら豆、枝豆、グリンピース、ゆばやおからなどの豆類や豆製品は理想的な栄養食品です。「畑の牛肉」 といわれるほど良質のタンパク質が多く、カルシウムや鉄などのミネラル、ビタミンも豊富です。

また、ビフィズス菌のエサになるオリゴ糖も含まれているので、まさに便秘解消にはうれしい高食物繊維、高栄養食品といえるでしょう。食物繊維は消化吸収されないため、健康を維持するには栄養価も考えたメニューづくりが必要となりますが、豆製品を使ったメニューならそれだけで肉や魚料理に変わる1品になります。

たとえば、豆腐ハンバーグやマーボー豆腐、大豆カレー、納豆オムレツに納豆スパゲティなどは大人も子どもも好きな味。飲む機会が多い人は「夏の暑い日はビールひやっこと枝豆。冷や奴もいいな」というほど、豆類はおつまみにもベストチョイスの食品です。

豆類は調理が簡単な缶詰もあるので、製品や調理法を変えて毎日とりましょう。とくに、水溶性繊維の多い納豆は発酵途中で繊維がやわらかくなっていて、消化にいいので、けいれん性便秘の人におすすめです。

ひじき、こんぶ、わかめ、のりなどの海藻類も食物繊維が豊富な上、カルシウムやミネラルがたっぶり含まれたバランス食品です。しかも、海藻には水溶性のアルギン酸が含まれているので、あらゆるタイプの便秘の人に向く万能選手です。

低カロリーなのでダイエット中という人もたっぶりとりましょう。洋食派なら海藻サラダやわかめスープに、和食派ならみそ汁や酢の物、煮物に。朝は焼きのり、こんぶ煮をごはんにのせればとっても簡単な食物繊維食になります。

「私はお肉を食べたら必ず生野菜のサラダをとっているから食物繊維は足りている」そう思っている人も多いでしょう。もちろん生野菜にも食物繊維は含まれていますが、レタスやきゅうりなどはほんのわずか。繊維の多いほうれん草でさえ、生で食べるとカサゴがあるので、1把まるごとなんて大変です。

その点、ゆでれば野菜のカサはぐんと減り、かなりの量をとることができます。便秘解消のためには、少なくとも1日20~25 g の食物繊維をとってほしいのですが、ちなみにほうれん草100g中に含まれている食物繊維は3.6g。目標の20gをほうれん草でとる計算をすると、600g近くも必要になります。

生でそれだけとるのは無理でも加熱すれば大丈夫、というわけですね。もちろん食事は毎日のこと。食物繊維の量を計算しながら食べるなんて面倒でしょう。

そこで、1 日1~2食は主食のごはんプラス、野菜に豆類や海藻類を組み合わせたスープ、煮物、妙め物などのメニューを取り入れると結果的に多くの食物繊維がとれます。

加熱によって野菜のビタミン類はいくらか失われますが、量をとることで十分カバーできます。緑黄色野菜はビタミンAやCが豊富なので、サラダを食べるなら、ゆでたブロッコリーやにんじん、かぼちゃ、グリーンアスパラなどのホットサラダがおすすめです。

日ごろ肉類が多い人は、サラダを温野菜に変えるだけでなく、肉と野菜の妙め物、野菜の肉巻き、野菜入りハンバーグなどの工夫を。

「今日はお惣菜を買って帰ろうかな」「今日は外食」というときにも、ほうれん草のごまあ和えや白和え、かぼちゃの煮物、温野菜と海藻サラダなどを1、2 品プラスしましょう。また、野菜をみそ汁やスープの具にして煮込めば水分も一緒にとれ、消化もよくなるので、けいれん性便秘の人も食べられます。

いもの煮っころがしや肉じゃが、筑前煮、ひじき煮、あるいは豚汁やのっぺい汁など、白いごはんによく合う昔ながらの「おふくろの味」は、便秘解消にはもってこいの食物繊維が豊富のメニューです。

しかし、最近は「和食より洋食のほうが好き」という人が多いかもしれません。朝食もごはん食よりパン食の家庭の方が多いという調査結果もあります。

食物繊維という点で比べると、洋食より和食のほうが繊維の豊富な食材を使うことが多こんだていので、洋食派の人も毎日の献立にぜひ取り入れてみてください。もちろん、洋食でも野菜の煮込み料理などはおすすめです。

なにかと忙しい現代。仕事柄、「私はインスタント食品やコンビニのお弁当、外食が多いから、いきなり「理想の便秘解消食を」といわれても困る」という人も多いでしょう。そこでてっとり早く食物繊維をとるコツを。まずは主食をごはんに変えることからター卜します。

できれば胚芽米や玄米に変えると効率的に食物繊維をとれるので、多少おかずが手抜きでも大丈夫です。さらにビタミンB1が豊富に含まれることも便秘解消には最適です。

最近は玄米食がブームなので、コンビニのお弁当やおにぎりでも玄米を使ったものがあるはずですから、利用してみましょう。

1日1~2食は玄米を食べてるだけで手軽にたくさんの食物繊維が摂取できます。忙しかった大学病院時代、母が塩でたいた玄米を送ってくれたおかげで、便秘にはなりませんでした。今でも夜は外食になることが多いので、昼は玄米ごはんのお弁当にしています。それが私の快便の秘訣です。そして、レトルトのカレーやスープでも、冷凍野菜をレンジでチンして入れれば具だくさんに変身。納豆に刻み野菜を加えるなどのひと工夫で食物繊維の量もアップ。

玄米ごはんにのせれば立派な便秘解消食になります。

https://constipation-guide.net/natural/?page_id=211

起床後、1杯の水で腸が目覚める

「朝、目が覚めたとき、まっ先に冷たい水を飲むとおなかがグルルっと鳴る」という習慣のある人は、健康的な1 日のスタートを切っています。きっと快便タイプの人でしょう。この、「朝コップ1杯の水を飲む」という行為は、腸を刺激するのによい方法なので、ぜひとも便秘の人は取り入れてほしい習慣です。

炭酸水は便秘の改善に効果的

とくに腸の働きが低下している弛緩性便秘の人におすすめです。起きぬけは胃腸もねぼけたままですが、冷たい水を一気に入れると、胃がしゃきっと動き始め、胃・結腸反射が起こります。そして、腸のぜん動運動も活発になります。

炭酸水が朝の合図になっている人もいます。通常の水(ミネラルウォーター)では、全く出る気配もなかった人でも炭酸水で蠕動運動が起きる人もいます。このときに糖分のはいった炭酸水はNGです。

胃・結腸反射は胃が空っぽなときにもっとも起こりやすいので、起きぬけに飲むのがいちばん効果的。水が入る刺激に、冷たい刺激も加わって二重の効果が期待できます。ついでに腸に刺激を与えるストレッチをすれば、効果がアップするでしょう。

ただしこれは、前日の食事の「量」をきちんととっておくことが前提条件となります。なお、冷たい水でなく牛乳でもOKです。牛乳には下剤効果もあるので試してみましょう。ただし、けいれん性便秘の人には刺激が強いので、お茶かホットミルクがいいでしょう。

牛乳で下痢をしてしまう乳糖不耐症の人はスキムミルクに変えてみてください。また、水分をとることは便をやわらかくするためにも大事です。便秘は水分不足も大きな原因になるので、朝起きぬけだけでなく、それ以外にも何度もこまめにとりましょう。

たとえば、朝食時や昼食、夕食時にはスーなべプやみそ汁、鍋ものなど水分のとれるメニューを必ずとり、10時と3時のティータイム、そして入浴後にも水分補給を。飲むのは水かお茶、紅茶、牛乳がいいでしょう。

早起きをクリアーしたらまずは朝食を食べる習慣

忙しい人は汁物メインの簡単朝食

便秘撃退は朝が肝心! というもうひとつのキーポイントは、いつもより余裕を持って早起きし、朝食をしっかりとることです。冷たい水で出ない人も食べものが胃に入ることで胃・結腸反射が強まり、しばらくすると便意が起こるはずです。

また、目からの刺激が胃腸を活発にさせる効果もあります。めんどう「でも、忙しい朝に食事をつくるのは面倒... 」という人は、前夜のうちに準備を。私の朝食はだいたい汁物がメインですが、前夜のうちに具だくさんのスープを用意しておき、朝は温めるだけにしておきます。

主食がごはんのときはみそ汁、パンのときはスープ。それにもう一品、ふかしておいたサツマイモやフルーツにヨーグルトをかけたものなどを加えています。汁物は食物繊維たっぷりの野菜と便をやわらかくしてくれる水分がとれるので朝食におすすめです。また、ミキサーを使ってフルーツと野菜ジュースにパンでもO K 。こんな簡単朝食なら忙しい朝もラクでしょう。

夜型人間は早寝から習慣づける

「そうはいっても朝は食欲がわかない」という人は、夜型の生活、あるいは不規則な生活を送っていませんか。遅い時間に夕食や夜食をとっていたり、自律神経のバランスが崩れていると朝食は当然入らないでしょう。

そんな人は生活のリズムを整えることが大切です。いつもより早めに夕食をとり、早めに寝ることからスタート。体のリズムが整えば、朝の目覚めもよくなり食欲も出るはず。もちろん、胃・結腸反射は朝食後に限らず、昼食や夕食時にも起こります。生活スタイルによっては昼や夜のほうが出やすい人もいるので、自分なりの便意のタイミングを知って、それを逃さない習慣をつけましょう。

便秘タイプ別で食事の仕方が異なる

便秘対策を考える上でもっとも重要なのが食事です。でも、「なにを、どう食べたらいい?」というお話をする前に、便秘のタイプによって注意してほしいことがあります。たとえば、弛緩性便秘と直腸性便秘は、腸を刺激して大腸のぜん動運動をより活発にする食事をとることが大切です。

一方、けいれん性便秘は腸への刺激が強いと逆効果なので、腸への刺激を抑えて、緊張をとる食事を考えることが大事です。熱すぎるものや酸っぱいもの、冷たいもの、辛いものなどは腸への刺激が強いので、弛緩性便秘と直腸性便秘の場合でもたくさんとりすぎないようにしましょう。

また、便秘解消には便の量を増やす食物繊維と水分をとることが大切ですが、けいれん性便秘の人はとり方にも注意が必要です。食物繊維には、水に溶けない「不溶性」と水に溶ける「水溶性」の2種類があります。「不溶性」は腸へ負担がかかるので、けいれん性便秘の人は「不溶性」は控えめにします。

便秘タイプ別 食事方法

弛緩性便秘

腸の動きを活性化させ、排泄を促すのがポイント。

腸に刺激を与える
  • 冷たい水か牛乳を起きぬけに飲む
  • 梅干しのクエン酸や酢の物、にんにく、カレーやわさび、こしょうなどの香辛料を適度に利用する
  • 食物繊維と水をたっぷりとる
適量のアルコールはOK
  • ビールは炭酸ガスが腸を刺激。適量なら効果的
リズムを取り戻す
  • 3度の食事をきちんととる
直腸性便秘

腸から大脳への信号が伝わるようにする。

朝の便意を呼び戻す
朝1杯の水と朝食をしっかりとる
便の量を増やして柔らかくする
食物繊維と水をたっぷりとる
けいれんせい便秘

腸が過敏になっているので、腸への負担をかけず、スムーズな排便をめざす食事にする。

腸のけいれんを抑える
腸を刺激しないものを食べる
便の量を増やして柔らかくする
水溶性の食物繊維と水分を多くとる
腸の蠕動運動を調整
3度の食事は規則正しくとる

便秘にはやっぱり食物繊維 パワー

タイプ別の食物繊維選び

「便秘には食物繊維をとろう! 」というのは、便秘がちの人ならすでにご存じかもしれません。食物繊維とは人間の消化酵素では消化されずにカスとなって排出される成分のことです。水分を吸収してスポンジのように膨れあがるので、便のカサを増やしてやわらかくし、出やすい状態にしてくれるものです。

食物繊維の種類には、植物性と動物性のものがありますが、便秘に役立つのは植物性の食物繊維です。その中には水に溶けない「不溶性」と、水に溶ける「水溶性」があります。植物性の不溶性食物繊維には、セルロースやヘミセルロース、不溶性ペクチンなどがあり、葉ものの野菜や根菜、いも類、豆類、穀また、切り干し大根やかんぴょうなどのう乾物、木の実にも含まれます。

水に溶けないまま水分を吸収してカサを増し、大腸を刺激して、ぜん動運動を活発にする働きがあります。弛緩性便秘や直腸性便秘の人はまさにたっぶりとってほしい繊維ですが、けいれん性便秘の人は強い刺激を避けるためとり過ぎに注意しましょう。

「便秘にいいって聞いて、ごぼうやれんこんサラダをたくさん食べたら、おなかが痛くなって困った」という経験をした方は、おそらくけいれん性便秘の人かもしれませんね。ただ、けいれん性便秘の人は不溶性をとってはいけないわけでなく、量を控えめにしたり、よくかんで食べるよう心がけたり、細かく切ってやわらかく煮込むなど工夫してとれば腸への刺激が弱まるので大丈夫です。

一方、水溶性の食物繊維は腸内の善玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを整えます。水に溶けてゼリー状になり、不溶性以上にふくらんで便のカサを増やします。腸への刺激も少なく整腸効果が高いため、けいれん性便秘の人はとくに水溶性を中心にしたメニューを考えるといいでしょう。

水溶性はどのタイプの便秘にも向く万能選手、積極的にとりましょう。水溶性食物繊維には、アルギン酸やペクチン、グルカンなどがあり、海藻類やオクラ、納豆などのねばねばした食品、きのこ類に多く含まれます。

くだもの全般、にんにく、ドライフルーツにも多く含まれます。食物繊維は便秘解消に役立つばかりでなく、よくかんで食べれば満腹感が得られ、低カロリーで肥満解消・予防に役立ちます。また、余分な糖分やコレステロールの吸収を抑制し、生活習慣病の予防にもなったり、発がん性物質を吸着して排泄する働きがあります。次ページに、食物繊維の多い食品をあげているので参考にしてください。

不溶性食物繊維、水溶性食物繊維

水溶性食物繊維の多い食材

  • のり
  • こんにゃく
  • 寒天
  • 山芋
  • 納豆
  • 杏、プルーンなどのドライフルーツ
  • りんご
  • バナナ
  • キノコ類
  • オクラ
  • モロヘイヤ

不溶性食物繊維の多い食材

  • さつまいも
  • じゃがいも
  • ごぼう
  • かんぴょう
  • たけのこ
  • かぼちゃ
  • 大根
  • 切り干し大根
  • とうもろこし
  • ほうれん草
  • にら
  • ブロッコリー

まずは、日常生活をチェックしてみよう!便秘になりやすい体質かどうかは自己診断します。

便秘になりやすい生活?と言われてもどういった生活が便秘になりやすいのか?はっきりとはわからない人が多いものです。便秘になりやすいタイプかどうかを自己診断しましょう。以下にあてはまる項目で少しでも思い当たるものあれば「○」をつけてみましょう。

  1. 朝食を食べる時間があったら寝ていたい
  2. 朝食を抜いても身支度や化粧に時間をかけたい
  3. 朝は、料理、片付け、洗濯など大忙しでトイレに行く暇はない
  4. 好き嫌いが多野菜はあまり好きではない
  5. 肉類が大好物。お肉はたくさん食べる
  6. 外ではトイレに行きたくなっても我慢してしまう
  7. 和食より洋食のほうが好き
  8. ファストフードやお菓子で食事をすませてしまうこともある
  9. 水分はあまりとらない
  10. 夜更かしが多く生活が不規則(仕事のシフトに夜勤もある)
  11. 痔がある
  12. ダイエット中

いくつあてはまりましたか?

1つもあてはまらなかったら腸快便タイプです。今の生活をそのまま続ければ、便秘とは無縁です。1つでも当てはまるものがあれば便秘予備軍です。3つ以上あてはまる場合は、便秘になりやすいタイプです。6つ以上は、便秘に悩まされています。13項目すべて当てはまってしまった人はかなり頑固な便秘です。

便秘解消になると勘違いしていませんか?

便秘にいいと思いこんで逆効果になってしまう行動もあります。次の項目で思い当たるものがあればそれをやめるだけで便秘解消できるかもしれません。

  1. 水分摂取が便秘に効くからと効いて炭酸飲料やジュースなどをよく飲む
  2. 便秘に「○○がいい」と言われたのでそればかり食べている
  3. 便秘薬を朝、昼、晩と3回飲んでいる
  4. 浣腸をしているのでいつもスッキリ
  5. コーヒーやお酒、たばこで便秘解消にしている
  6. トイレで毎朝10分は粘っている
  7. 腸洗浄で腸を洗っている

便秘・下痢で悩む現代人が増加中!食生活やストレスが原因

「もう5日も便が出てないから、おなかがはって苦しくて。見て!このポッコリお腹」「えー私なんて1週間もご無沙汰よ。やっと出たと思ったら便がカチカチでいやになっちゃう!」

こんな会話を耳にすることがあります。あなたも一度や二度は、便秘に悩まされた経験があるのではないでしょうか。

便通はとてもデリケートなものです。ふだんは快便の人でも、旅行をしただけで便秘になることもあります。そうした一過性の便秘ならまだしも、つねに便秘が続くとなると、とてもつらく生活にも悪影響です。

とくに女性の場合、2人に1人は「慢性的に便秘」、「便秘気味」といわれ、10年以上も便秘が続いているという人もいます。

便秘に悩む女性のなかには「便秘薬を大量に飲まないと効かなくなってしまった」「毎日浣腸をして出している」という困った人もおられます。

これは、かなり極端なケースですが、現代人にはこうした人も増えているのです。

便秘に悩む人の多くが、いろいろな方法を試してもなかなか解消できなかったり、便秘薬の使いすぎやあまりおすすめできない方法で体に負担をかけたりしているようです。「体質だから... 」とあきらめ半分の人も多いでしょう。

また、便秘が続いたかと思うと今度は下痢になってしまったり、逆に慢性の下痢に悩まされている人もいます。

一般に下痢は男性に多いのですが、便秘も下痢も便通異常という点で根は同じです。

最近はビジネスマンの約3 割が「便通が定期的ではない」という調査もあります。さらに、大人ばかりか、今どきの子どもたちは「朝、家で排便する女の子は2 割足らず」という報告まであります。

まさに快便にほど遠い人たちが増えているわけです。

一体、私たちの体はどうなってしまっているのでしょうか?

本来私たちの体は、規則正しい生活をして、バランスの良い食事と適度な運動を心がけていれば、毎朝すっきりとお通じがあるズムが備わってくるはずです。ところが、忙しい現代人の多くは不規則な生活と、食生活の変化やストレスなどが原因で、排便リズムを崩す結果になっているのです。

そのしくみはあとでふれますが、、一度、崩れてしまったリズムを取り戻すのはとても難しいのです。結局、快便をめざすには、まず毎日の生活習慣を見直すことが第一歩! そして、すっきりと便秘を解消する方法を取り入れていくことが大切です。

さっそくこれから一緒に考えていきましょう。ストレスでくたびれてしまった腸は、必ず生活習慣で回復します。

快便ってどんな便が出たら快便?

ところで、快便ってなんでしょうか。「快」という字がつくとおり、気持ちよく排便することが条件です。理想は1日1回、便意をもよおしてトイレに行くと

  1. 1~2 分でスムーズに便が出る
  2. 排便のときに爽快感がある
  3. 排便後も残便感がなく、おなかがすっきりしている

ということです。 そして、健康な便の形や大きさはバナナ1~1本半ぐらいで、色は黄土色か茶色系。固さもほどほどで、ペーパーで拭いてもほとんど汚れないという人は「快便」です。ニオイは、肉類や香辛料などが多いと強く、野菜や食物繊維が多いほど弱くなります。

1日1 回排便がある人が3日も出なければ便秘といいますが、たとえ2日に1度でも、「スムーズな排便があり、すっきり爽快感がある」なら便秘ではありません。逆に「私は毎日出るけど、便が残っている感じですっきりしない」という人は問題あり。「私の便は固くてコロコロ」「出すときは苦労する」という人はまさしく毎日出ていても便秘です。便の中身についてはこちらです。

快便には欠かせない「便意」はこうして催す

食べたらしっかり出す。これが健康的な体のリズムですが、ではいったい、排便時に必要な便意はどうやって起こるのでしょうか。口から入った食べものは胃から小腸、大腸をへて消化・吸収され、カスが便となって排せつ泄されます。便意は、その間、胃と腸と脳とのみごとな連係プレーによって起こります。

胃に食べものが入ると胃が刺激されて大腸に信号が送られます。すると大腸はミミズのように動くぜん動運動を始めて、それまでたまっていた便を直腸へと押し出します。便が直腸にたまると今度は、便が到着したという信号が大脳へ送られ、「したい」という気持ち、つまり「便意」が起こるのです。

朝食後にもっとも便意が起きやすいのは、寝ている間に空っぽになった胃に食べものが入ると腸が活発に動き出すからです。こうして便意が起こると大脳は「いきみなさい」という命令を出し、それに従っていきむ結果、便が出るのです。この一連の流れがスムーズに行かなかったり、便意を無視し続けると、便秘になってしまうのです。

便意が起こる仕組み

  1. 食べものが口から食道を通って胃の中へ入る
  2. 食べものが入り、胃壁が伸びると反射的に結腸が動き始める。これを「胃・結腸反射」という
  3. 便が一気に直腸に送り込まれると直腸の壁が刺激される
  4. 直腸からの信号が大脳に伝わり、便意が起こる
  5. 大脳がおなかに向けて命令を出し、いきむ結果、便が排出される

口から入った食べ物が排泄されるまでは9メートルもあります。時間は24時間から72時間。なお、結腸や直腸を合わせて大腸と呼びます。

自分の便秘のタイプを知る

さて、ひとくちに便秘といってもタイプがいろいろあります。慢性的な便秘でもっとも多いのが生活習慣と関わりの深い「常習性便秘」これらは次の3つのタイプに分かれます。「以前は、便意があったんだけど、今はぜんぜんないから因ってる」というのが、最近増えている直腸性便秘。直腸まで便が下りてきているのに、大脳へのサインが届きにくくなって起こる便秘です。

このタイプは、便が固くて大きめです。「おなかが痛むのになかなか出なくて。出たと思うと下痢だったりするの」これはストレスが影響する「けいれん性便秘」。結腸の緊張が異常に高まって起こるもので、便秘と下痢を繰り返したりします。

便意は強く腹痛を伴うのに、出る量は少なめで、ウサギのふん状のコロコロした便が特徴です。また、「おなかがはってるのに出ない」というのが、お年寄りや運動不足しかんせいの人に多い「弛緩性便秘」。

大腸全体の運動量が低下して起こる便秘です。タイプによって対処法も違ってくるので、まずは自分のタイプをチェックしてみましょう。

便秘のタイプのまとめ

大きくは、慢性便秘と急性便秘の2種類に分けられます。急性便秘が「症候性便秘」と一過性便秘に分類されます。慢性便秘は「症候性便秘」と常習性便秘の2つに分類されます。さらに症候性便秘は弛緩性便秘と直腸性便秘に分類されます。

朝食抜き、便意の我慢から便秘習慣ははじまる

朝は出かける支度や朝食の準備に追われ、忙しく過ぎてしまうものです。また、ぎりぎりまで寝ていたいと誰もが思うので睡眠時間が優先されてしまいます。

でも、その朝の過ごし方次第で、便秘が始まるのです。あなたは、「食事やトイレに時間をさくより、メイクや身支度に時間をかけるほうが大事」という理由で、「朝食抜き」「トイレあとまわし」の生活をしていませんか?

女子大生やOLに多いパターンですが、こうした朝を過ごしていると直腸性便秘、つまり習慣性の便秘になってしまいます。朝食をとることで眠っていた胃腸が動いて、便意が強く起こるのに、朝食抜きではそのチャンスを失ってしまうからです。女性の場合「トイレよりおしゃれ優先」という気持ちはわからないではありませんが、それではいつまでたっても便秘とは縁が切れません。便秘を解消して体の中からきれいになるには「おしゃれよりトイレ」の発想で、ライフスタイルを変えることが必要です。

我慢の悪い習慣が腸にいやなクセがついてしまう

せっかく朝食はとっても、便意をがまんすることが多いという人も要注意です。「子どものお弁当作りに朝食の支度、幼稚園の送り出し...と忙しくて、トイレに行くタイミングを逃してしまう」という主婦は多いでしょう。主婦は洗濯モノを干すなどとにかく朝は忙しい人が多いです。

また、サラリーマンやOLに多いのが、「通勤中や会議中はトイレに行けないから、我慢してしまう」というケース。便意をがまんし続けると、直腸に便が下りてきても、直腸の壁がだんだん刺激を感じなくなり、やがて便意が消失してしまいます。便秘体質になってしまっている人は「なんとなくしたい」程度でもトイレに入って座ることで出るようになるので、軽い便意でもとても大切なサインなのです。また、最近は、自宅以外でゆっくりトイレで用をたせない神経質な人も増えています。

そうなると、直腸に残った便は水分が吸収されて固くなり、よけい出しにくくなり、刺激の強い下剤に頼るか、強い力でいきむことになり、がんこな便秘の道を歩むことになりlふじます。その結果、痔になる人もいます。

失われた便意を取り戻すことは簡単なことではありません。食後も時間に余裕を持ち、小さな便意でも逃さないことが大切です。

また、「夜寝るのが遅いから朝は少しでも寝たい」「食事時間はばらばら」など不規則な生活を送っている人も便秘がち。生活リズムの乱れは自律神経の乱れにもつながります。

胃や腸の働きは自律神経がコントロールしています。自律神経には、(生体を活動させる)交感神経)と(生体を休養させる)副交感神経があります。副交感神経が優位になると、胃腸機能は高まりますが、自律神経のアンバランスはけいれん性便秘や弛緩性便秘の原因にもなります。だからこそ生活リズムを見直して、3食きちんととることが便秘解消の上でとても大切なのです。朝食は、できればゆっくりよく噛んで食べることで自律神経が安定します。咀嚼が自律神経を安定させます。また、決まった時間に朝食をとるようにするとさらに自律神経が安定します。

朝食を食べないリスクはかなりさまざまなものがあり最近は非常に注目を集めています。

現代人特有の偏食が便秘につながる

ジャンクフードでは出すものがない

3食きちんと食べれば、便が出るのは当然です。ところが、便秘に悩む人の多くは食事の量や内容に問題があったりするため、食べても出ないことがあるのです。

たとえば「私はダイエット中だから! 」と朝はコーヒーだけ、昼はサンドイッチを2 切れ、夜はごはん茶碗半分とおかずを少々... ...なんて極端に食事量を減らしていませんか。これでは便になるもとがつくれないため、当然便秘になります。出すものが少ないと排便反射がなくなり、内容物が大腸に長く留まって水分が吸収されるため、固くなって出にくくなってしまうのです。

また、最近の10代、20代の女性を中心に増えているのが、手軽なファーストフードやカップラーメン、お菓子、レトルト食品などのジャンクフードばかり食べて味覚障害になっている人たち。そんな偏食を続けている人にも、便秘が急増しています。

便のカスとなるのは、野菜やごはん、豆製せんい品や果物などに含まれる食物繊維です。当然それらが不足すれば便秘になってしまいます。

「きのうは焼き肉。きょうは豚カツ」と、肉類中心の食事をしている人も問題です。肉類が多いとどうしても野菜が不足がちになります。肉類は胃で消化され栄養分として吸収されてしまい、便のもととなる繊維が足りないため、便はつくれないというわけです。

便秘は後天的遺伝病

「うちは親子そろってひどい便秘症。便秘の体質って遺伝するのかしら... 」と思っている人も多いでしょう。ところが、便秘は体質でもないし、遺伝病でもありません。

ただ、親子そろって同じような「問題あり」 の食生活や生活習慣を送ることが多いので、便秘に悩むことになるのです。親子2 代で便秘という方は多いのですが、食事の内容を聞いてみたところ、こんな答えが返ってきました。「母がもともと肉好きで野菜が苦手。だからうちは、ハンバーグとかステーキ、鶏の唐揚げ... ... といったメニューがよく出てくるんです」

まさに、先ほどふれた肉類中心の生活ですね。おまけにふたりはだらだら食いや間食が多いとか。こうした食生活を親子そろって送っていれば、当然便秘になってもおかしくない、というわけです。こういうケースから考えると、便秘は「遺伝病」ではなく、「後天的遺伝病」といえるかもしれません。いずれも食生活の改善が大切です。親子でダイエットに励んで食生活がめちゃくちゃ...というケースも最近は目にすること、耳にすることが多くなりました。

ストレス、運動不足は腸の働きに悪影響

不安や緊張は、便秘の原因に

あなたは今、なにか悩みを抱えていませんしかか。「仕事は忙しいし、上司に叱られてばかりでつらい」「不景気で家業の売り上げが伸びない」など職場や家庭、学校内で大なり小なりの不安や緊張を抱えている人は大勢いるでしょう。

そういった精神的ストレスも便秘の原因になります。とくに最近増えている「過敏性腸症候群」は、ストレスが影響して起こる便通異常で、そのひとつがけいれん性便秘です。

胃や腸の動きは自律神経がコントロールしているため、体にストレスが加わると自律神経のバランスが乱れ、体を緊張させる交感神経が強く働いて腸の動きを過敏にしてしまいます。その結果、便秘や下痢が続いたり、便秘と下痢を交互に繰り返したりするのです。

女性に多いのは便秘が続くタイプですが、こうしたケースは10代から50代まで幅広い年代にわたっています。ストレス社会の現代はさらに増える傾向にあり、だれでも便秘になりうるといえます。ストレスをいかにうまくかわすかも便秘改善のキーポイントです。

ラクな生活ばかりしている人も要注意

日ごろの運動不足も便秘をまねきます。運動不足では腸の働きが低下し、腹筋も弱くなるため、便をうまく押し出せないからです。「日ごろ歩くことが少なく、とくに運動もしていない」というあなたは、なにか思い当たりませんか。せめて歩くだけでも運動不足解消になりまきたすし、腹筋を鍛えておくのも便秘対策のひとつ。また、女性の場合、生理前に分泌される黄体ホルモンが腸のぜん動運動を抑制する働きがある、というのも便秘になりやすい理由のひとつ。

その対策にも運動はおすすめです。

便秘と痔の関係

便秘が痔をつくり、痔が便秘を悪化させる

便秘のせいで痔になったと訴える人は大勢います。たしかに、便秘が続いて固い便をむりやり出そうとしていれば肛門に負担がかかって、痔になってしまいます。さらに、「痔でお尻が痛いから、便を出すのもためらってしまう」といって、便をがまんすれば、ますます便秘になる、という悪循環を繰り返したりします。

それだけ便秘と痔は切っても切れない糸で結ばれている、といえるでしょう。痔にも種類がありますが、俗に「切れ痔」といわれる裂肛は固い便を無理に通過させようとするとき肛門の粘膜が裂けて傷がつくものです。これは若い女性に多いタイプです。

軽い切れ痔なら自然に治る場合もありますが、何度も繰り返すと肛門の出口付近の皮膚がたるんだり、肛門の奥にポリープができ、肛門が狭くなってしまうことがあります。

また、俗に「いぼ痔」といわれる内痔核も便秘やいきみすぎが原因で起こります。さらに、出血を起こしたり、いぼが大きくなると脱出(脱肛) するようになります。これは男女どちらにも多い痔のタイプです。当然、こうした痔とサヨナラするには便秘を解消することがポイントとなります。

最近急増の大腸がんとも縁が深い

もちろん痔に限らず、便秘と緑の深い病気があります。「長年便秘をしていると大腸がんになりやすい」というのをご存じですか。食生活の欧米化とともに大腸がんは近年増えている病気ですが、肉類中心の生活は便秘をまねきます。便の中の有害な物質が腸粘膜に長く接触することによって大腸がんを発生させるのではないか、と考えられています。

急増する大腸がんは40代からが要注意

また、便秘が続くと腸内細菌のバランスを崩してしまい、免疫力が落ちてがんが発生しやすくなるともいえるでしょう。便秘の裏に病気が隠れていることもあります。大腸がんや大腸ポリープ、それ以外の消化器の病気や子宮筋腫などで便秘になることがあります。また、うつ病や心身症などの心の病、甲状腺などの病気が隠れていることもあります。便秘自体は病気ではないので、たかが便秘、と思うかもしれませんが、便秘が長く続くときは健康診断することをおすすめします。