空腹、プチ断食は若返りどころか命を縮める

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1日3回、同じ時間に食事をするリズムがガンを予防する

元気に長生きするためには、脳の欲求に惑わされることなく、腸が欲するものを「おいしい」と味わいながら、楽しく食べる「食べ方」が重要です。「食べたい⊥ と訴える脳の声に従って食べ過ぎ飲み過ぎを繰り返せば、腸をダメにしますし、命を縮めます。しかし、「空腹」や「プチ断食」にシフトするのも、やはり行き過ぎです。

「空腹」や「プチ断食」が健康に良いと提唱する人は、根拠として長寿遺伝子の存在を挙げることが多いようです。長寿遺伝子とは、「サーチイン遺伝子」「長生き遺伝子」「抗老化遺伝子」などとも呼ばれ、すべての人のDNAに組み込まれており、活性化させることによって寿命が延びると考えられています。長寿遺伝子は、ふだんは細胞の中たたで眠っています。その状態では寿命は延ばせないので、長寿遺伝子を叩き起こす必要があります。これが近年よく開く「長寿遺伝子をオンにする」ということです。

長寿遺伝子をオンする方法として必要なのは、「カロリー制限」と「運動」といわれます。この説をもとに、食事の回数を減らし、摂取エネルギーの制限をすれば痩せられ、長寿遺伝子をオンできて若返りに役立つと、その人たちは言うようです。

しかし、最近の研究では、こんなマウス実験が行われています。マウスを2つのグループに分け、一方は20 パーセントのエネルギー制限をきっちり行い、もう一方は好き勝手に食べさせます。結果は、エネルギー制限をしたマウス群は若々しく、好き勝手に食べていたマウス群は、老いが目立ちました。この結果により、20 パーセントのエネルギー制限がマウスの長寿遺伝子をオンにしたことが推測されます。

ところが、実験には続きがあります。エネルギー制限をしたマウス群のうち、一方はそのままエネルギー制限を行い、もう一方は自由に食事をさせるようにしました。すると、後者のグループは老いが進み、再びエネルギーを制限しても、若返りは図れませんでした。長寿遺伝子を1度オンしたあと、オフにしてしまうと、再びオンできなくなってしまうというのです。

っまり、長寿遺伝子をオンするために食事制限を一度始めたら、生涯続けなければ効果はなくなります。ですが、人間の場合、無理や我慢をするとそれがストレスとなり、脳が逃避行動に走ります。厳しい食事制限をしている人ほど、ドカ食いを突然してしまいやすいものです。ストレスを紛らわせたい脳が、一瞬の快楽を求めて食欲を高めるからです。

私は、1日3食規則正しく食事をし、1日の食事の中で食べる量を調節するのが、無理も我慢もともなわない最も優れた長寿遺伝子のオンの仕方だと思っています。私も、1日1食や断食など、修行僧のような我慢はしません。1日3食の食事を大事にいただきながら、長寿遺伝子をオンしています。

私が「空腹」や「プチ断食」をおすすめしない理由は、長寿遺伝子の問題だけではありません。人間の体は、日内リズムに従って活動しています。

たとえば、人間の体内では、日に3000~5000 個ものガン細胞が生まれていますが、増殖し病態としてのガンにならないための免疫システムとして、ガン細胞を攻撃する免疫細胞が働いています。免疫細胞にはキラーT細胞やマクロファージなどがあって、ナチュラルキラー細胞(NK細胞) がその中で最も重要な働きをしています。

NK細胞は、朝の9時前後と夕方の5時頃に活性が最も高くなり、夜の9時頃になると低くなります。就寝時はさらに低くなります。このリズムを崩すような不規則な生活をしていると、NK細胞活性が低下し、ガンにかかりやすくなるのです。

日内リズムを整えるには、食事が非常に役立ちます。1日3回、毎日同じ時間に食事をしていると、体内のリズムもそれに合わせて整ってきます。食事の時間は自分の生活に合わせて決めれば大丈夫ですが、その時間はできる限りずらさないことが大事です。

食事を1日1 回にしたり、断食したりすると、体がリズムを整えるチャンスがそのぶん失われ、日内リズムが乱れやすくなります。朝は太陽の光を浴び、夜は光にさらされないことでも日内リズムは整いますが、現代生活ではそれも難しいでしょう。N 細胞のリズムを狂わせない規則正しい生活が、ガン予防の最も簡単な方法なのです。

昔の日本人の強さを取り戻すならやっぱり「発酵力」