「膝裏」と一致するもの

膝裏の伸ばし 血流が改善して 血圧が下がる

ひざ が曲がったまま固まった状態の人の ふくらはぎ は、た一般的に、とても硬くて筋張っているか、もしくはフニヤフニヤで弾力がないかのどちらかです。筋力がないことが触ってみるとよくわかります。

硬くて冷えている ふくらはぎ が血流を悪くしている

全身の血液のは、下半身を巡っています。心臓から遠く、しかも重力のためにたまりやすくなっている下半身の血液を、心臓へと戻しているのが、 ふくらはぎ の筋肉です。

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ふくらはぎ の筋肉は、収縮と弛緩をくり返し、ポンプのように血液を押し上げます。そのため、 ふくらはぎ が丈夫な人は、全身の血流がよく、心臓の負担も少なくて済みます。

反対に、 ふくらはぎ が硬く、弾力を失っている状態だと、中の血管も硬くなり、血流が悪くなります。そのため、血管にかかる圧も高くなります。

また、 ふくらはぎ とおなかには密接な関係があり、ふくらはぎが冷えている人は、必ずおなかも冷えています。 女性なら、子宮や卵巣の働きが悪くなり、胃腸や腎臓の機能も低下します。

腎機能が低下すると、水分の排出が悪くなって、むくみやすくなります。すると、当然、下半身も冷えてしまいます。それがまた、血圧を上げるという悪循環になります。

こういう人は、 ふくらはぎ を押すと、飛び上がるほど痛がります。試しに、すねの両サイドやふくらはぎを押してみてください。痛lナれば、体のどこかに不調があるはずです。

理想的な ふくらはぎ は、弾力があって柔らかく、ほどよく温かみがあるふくらはぎです。 理想的な ふくらはぎ にするには、硬くなったた ふくらはぎ をゆるめ、ひざ周辺の血流をよくして、ひざ裏を伸ばす必要があります。 そこでお勧めなのが 「 ふくらはぎのツボ刺激 」 です。

ふくらはぎには、 「 人 」 の字の形をした筋肉があります。その 「 人 」 という字の真ん中に、 承山 ( しょうざん ) というツボがあります。

承山 ( しょうざん ) このツボはふくらはぎの真ん中に位置します。 アキレス腱の中心から膝裏にかけて、指を滑らすようにふくらはぎの筋肉をなぞってみてください。 ちょうどふくらはぎの真ん中に指が止まる部分、これが 承山 ( しょうざん ) というツボです。

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承山 ( しょうざん ) はむくみや足の疲れ、こむら返りなどによく効くツボです。刺激すると、硬くなったふくらはぎがゆるんで、足の血流がよくなります。ツボの位置がわからなかったら、ひざ裏と足首の中問あたりを押してみて、いちばん痛いところを刺激するとよいでしょう。

  • ふくらはぎを両手で挟むように持ち、 承山 ( しょうざん ) のツボに両手の親指の腹を当てて、強めに押します。少々痛いくらいの刺激でも構いません。
  • ブラブラ上下に動かします。うまく上下に動かせない人は、最初は小さく動かすだけでもいいです。慣れたら、少しずつ大きく動かします。これを1分ほど続けます。

このツボ押しで血圧が下がった人がたくさんいます。 ふくらはぎのツボ刺激で血圧が下がれば、薬を減らしたり、やめたりすることもできます。ただし減薬は、医師の指示に従ってください。

ふくらはぎを触っても痛いところがなくなれば、 ひざ 周辺の血流および全身の血流がよくなるため、 高血圧 や 動脈硬化 、さらには 婦人科 系疾患も改善します。

歩いていて、ふと ショーウィンドー に映った自分の姿が目に入ることがあります。そのとき、 背すじ が伸びてさっそうと歩いていたら、かっこいい、自分もまだまだ捨てたものではないと、うれしくなりますね。

若々しいフレッシュな自分の姿に脳もも快感を感じる

ところが、逆に、姿勢が悪くて、みるからに老け込んだ姿だったら、落ち込んでしまいます。

このとき、脳の中ではこんな反応が起こっています。かっこいい、うれしいと思うと、その瞬問、脳からは ドーパミン という神経伝達物質がたくさん出ています。 ドーパミン は快感や快楽をもたらす物質で、なんらかの行動によって脳が喜びを感じたときに分泌されるため、 「 脳内報酬物質 」 とも呼ばれています。反対に、落ち込んだり、元気のないときは、 ドーパミン の分泌が少なくなります。

実は、70代、80代でも、姿勢のいい人は 認知症 になる確率が低いことがわかっています。
なぜかといえば、脳と姿勢、さらに 脳 と 筋肉 には密接な関係があるからです。 脳 は、視覚や聴覚や触覚などを通して、外部からの情報を受け取り、それを総合的に判断して、全身をコントロールしています。

そのとき、 脳 からさまざまな指示を受けて動くのが 筋肉 です。でも、 筋肉 は 脳 から一方的に指示されているわけではなく、 筋肉 からも 脳 へ、盛んに情報が送られています。

筋肉 が動くと、 筋肉 の中の筋紡錘という部分が情報を発し、脊髄を通って脳幹、小脳、大脳皮質に届きます。ですから、筋肉が動けば動くほど、脳に大量の情報が伝わり、脳が活性化するのです。

筋紡錘 とは、筋肉の長さを検知する固有受容器の一種であり、筋内線維の束、感覚神経終末、γ運動ニューロンで構成されています。 筋紡錘 の中には筋線維が存在し(錘内筋)、その周りを感覚神経終末が巻き付いています。 筋肉 が伸展されると 筋紡錘 内の 錘内筋 も一緒に引き伸ばされ、感覚神経が活性化し、その情報は求心性に中枢へと送られます。

幸せホルモンにより脳も体も若返る

そこで、私がお勧めしたいのが 「 ひざ裏のばし 」 です。ひざ裏 を伸ばすと、 太もも の裏や ふくらはぎ の筋肉が刺激を受けます。

それによって、脳にもよい影響が及ぶのです。 そこでおすすめしたいのが 太もも を上げながら行う 「 かかと歩き 」 です。太ももを床と水平になるまで上げてかかと歩きをすると、

乳酸が産生されて脳を刺激し、脳下垂体から成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは、骨や筋肉の成長を促すだけでなく、代謝をコントロールする働きがあり、血管や皮膚をしなやかにしたり、病気への抵抗力を高めたり、記憶力をよくしたりする作用もあります。

まさに、若返りのホルモンです。また、リズミカルに歩くことによって、神経伝達物質であるセロトニンが脳から分泌されます。セロトニンは、心の安定や安らぎをもたらすことから、「幸せホルモン」とも呼ばれています。

興奮物質であるアドレナリンやドーパミンの暴走を抑えて、心のバランスを整える働きがあり、うつ病の予防や改善にも必要な物質です。

このように、ひざ裏を伸ばしたりリズミカルに歩いたりすると、脳が活性化されて、体や心によい物質がたくさん出るのです。それによって、脳も気持ちも若返らせることができます。

この ひざ裏伸ばし も かかと歩き も、 パーキンソン病 のリハビリテーションで行う運動療法の1つです。

パーキンソン病の患者さんはひざが曲がっていることが多く、歩き方もつま先重心で前のめりの小刻み歩行です。

でも、 ひざ裏 を伸ばしたり、太ももを上げてかかとから歩いたりすると、姿勢がよくなり、小刻み歩行を改善できるのです。

パーキンソン病は、ドーパミンの不足によって起こる難病です。でも、 ひざ裏伸ばし で姿勢よく歩けるようになれば、ドーパミンの分泌にも好影響を与えるかもしれませんね。何歳になっても、「 年だから 」とあきらめることはありません。脳は何歳からでも成長し、神経細胞も鍛えれば増えることがわかってきました。簡単で効果の高い ひざ裏伸ばし と かかと歩き 、ぜひお試しください。

ごろ寝膝裏伸ばしのやり方

その1

  1. 両足を伸ばして仰向けに寝る
  2. 片足をあげて両手でひざの裏を支え、できるだけ太ももをおなかに近づける
  3. ひざを伸ばしてゆっくり足を上に上げる。そのまま13秒間キープする。反対側も同様に行う。これを片足5回ずつ行う。

その2

  • うつぶせに寝て、片足を曲げかかとがおしりにつくようようにキックする。片足20回ずつ行い、反対の足も同様に行う。

体が柔らかい人は、若々しい。経験的にも、整形外科医の立場からも、これは問違いなく言えます。ところが、意識して筋肉を鍛えたり、体を動かしたりしていないと、加齢によってだんだんと体が硬くなり、姿勢が悪くなり、あちこちが痛くなってきます。

ひざが曲がり、お尻が落ち、背中が丸まってきます。このような加齢による姿勢の悪さ(不良姿勢) には、主に3つの理由があります。

加齢で体は硬くなり姿勢が悪くなり血流が悪化

  • 背骨がつぶれて背中が丸くなるもの。骨粗鬆症(カルシウムの不足により骨がもろくなる病気)による 圧迫骨折 が代表的なものです。
  • 脊柱管狭窄症(背骨内部の神経の通り道が狭くなり神経が圧迫される病気)によるもの。この病気は背中を丸めると痛みやしびれが軽減するため、姿勢が悪くなります。
  • 太ももや股関節周りの筋肉が硬くなって、姿勢が悪くなるものです。

1と2は骨に問題があるので自力での改曲背は難しいですが、3は、自己努力で改善させることができます。

カギとなるのが、太ももの裏にある、 ハムストリングス という筋肉です。 「ゴロ寝ひざ裏伸ばし」は、簡単に ハムストリングス を柔らかくするのに役立つ体操です。

では、ゴロ寝ひざ裏伸ばしを行うにあたりあなたのハムストリングスは硬いかどうか、簡単な方法で調べてみましょう。

まず、足を肩幅に開き、ひざ裏を伸ばしたまま前屈します。指先が床につかなかったら、 ハムストリングス が硬くなっている証拠です。

次に、太ももの前側の筋肉を調べます。床にうつぶせに寝て、ひざを曲げ、かかとをお尻につけます。足先やかかとがお尻につかなかったら、太ももの前側の筋肉が硬くなっています。

変形性膝関節症やひざ痛がある人は、この動きは行わないでください。 どうでしょうか?どちらも硬い、という人のほ、りが多いのではないでしょうか?

股関節を曲げたまた膝裏をのばす

ゴロ寝ひざ裏伸ばし の特徴は、股関節を曲げたままの状態で、ひざ裏を伸ばすことです。前屈運動は、ひざ裏を伸ばしたまま股関節を曲げる運動ですから、まったく逆になります。 では、なぜ ゴロ寝ひざ裏伸ばし で腰痛や不良姿勢が改善するのでしょうか。

ハムストリングス は、ひざ裏の少し下から始まり、股関節を通って骨盤に付着している2関節筋です。

ですから、ハムストリングスが硬いと、骨盤がハムストリングスに引っ張られて回転しにくくなります。 ハムストリングスと括抗関係にあるのが、太ももの前側にある大腿四頭筋です。ひざを伸ばすと、大腿四頭筋が収縮し、ハムストリングスがゆるみます。

ゴロ寝ひざ裏伸ばし その1では、この2つの筋肉の相反抑制反射(曲げ伸ばしをするときに括抗筋がゆるんで動作をしやすくなる反射)を利用しています。

拮抗筋(きっこうきん)とは、筋肉運動の際に反対の動きをする筋肉のことです。

股関節を曲げたままひざ裏を伸ばしていくと、大腿四頭筋が収縮します。すると、括抗筋である ハムストリングス は、その反射で自然にゆるむため、伸ばしやすくなるのです。

このように、筋肉の反射で ハムストリングス がゆるむと、前屈運動のように無理な負担がかかりません。 ですから、らくにストレッチができるのです。

ハムストリングス が硬い人は、太ももの前側も硬くなっています。そこで、 ゴロ寝ひざ裏伸ばし で太ももの前側の筋肉をゆるめます。こうして太ももの後ろと前の筋肉をゆるめると、骨盤にかかつていたロックがはずれて骨盤が開放され、可動域が広がり動きやすくなります。すると、前かがみになるときも、股関節から曲がり、腰への負担がかかりません。姿勢もよくなり、慢性的な腰痛が改善していきます。