麺の中でも、 「 コシ 」が美味しさを左右するのがうどんです。「アルデンテ( シコシコの歯ごたえ)」は、パスタにかぎらずおいしいうどんの条件でもあります。
パスタの文化も今日本で流行の讃岐うどんの文化も歯ごたえという食感の楽しみ方は同じです。アルデンテも日本語に訳すと、(芯が固くて)歯ごたえのあるという意味合いになるように、おいしさに対する表現方法は日本もイタリアも同じになっています。味覚は舌にこそあれ、食感は歯がなくては味わえないものです。
そこで、うどんのコシを出す「ゆで方」にこだわってみると、いちばんのポイントは「 湯の温度 」 です。沸騰したら湯の温度を一定に保つほうがよく、高温を維持するために深めの大きな鍋を使い、湯をたっぷりわかしてゆでます。
湯量が少ないと、いざ麺を入れたとき温度が急に下がってしまうし、うどんが鍋底にくつついてしまいやすい。目安として、麺 100 g に対し 1 リットル以上と覚えておきましょう。
よく、麺をゆでるとき「差し水= びっくり水」をするとコシが出るといわれます。
差し水とは、ふきこぼれを防ぐために湯に水を加えることだが、これをやると一瞬にして温度が下がってしまいます。
そこで、ふきこぼれ対策は差し水より「火加減の調節がおすすめです。
まめに火を弱めたり強めたりすれば、ふきこぼれは阻止できるのだ。どうしてものときは、水ではなくお湯を少量加え、温度変化をできるだけ少なくするのがコツです。
ゆでているときは、麺をやたらとかき混ぜないこと。麺の表面に傷がつくと食感が損なわれるので、湯の対流に乗せて自然に泳がせておけばいいでしょう。仕上げに冷水で麺を引き締めれば、コシのある美味しいうどんが出来上がります。