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はじめて ギックリ腰 を経験したのは、出産後でした。以来、20年以上、 ギックリ腰 に悩まされてきました。
ギックリ腰 は、2~3ヶ月に1度、ふとしたときに起こります。ひとたびなると、トイレにますらはって行くような状態で、1週間は会社を休まなければなりません。 独特の痛さでストレスがたまります。

姿勢がよくないとはじめて言われた

今まで、整形外科や整体に何軒も行きました。近所に先生が開業したときには、なんとしてでも治りたい一心で行ってみました。先生から、まず言われたのが「姿勢が悪い」ということでした。

ひざ が曲がり、太ももも が硬く、両肩が前に出てネコ背になつている。 それが ギックリ腰 の原因だというのです。
ネコ背も、太ももの裏が硬いことも、今まで、一度も言われたことがありませんでした。

そして整体の後、「くの字ストレッチ」を教えてもらいました。 太もも の裏が伸びれば、 ひざ裏 が柔軟になり、全体的に筋肉がゆるんで、 ギックリ腰 にならないそうです。

同時に、 コルセット を外すように言われました。20年間、1度も外したことがなかったので、私はとても不安になりました。

しかし、先生から、 くの字ストレッチ をすればコルセットなしでも歩けるからと、励まされたのです。実は、 くの字ストレッチ を始めて1年くらいしたころ、1回だけギックリ腰になったことがあります。

そのとき、這うようにして先生のところに行き、施術後に くの字ストレッチ をして、初めて ギックリ腰 で会社を休まずに済みました。

ギックリ腰になっても、 くの字ストレッチ をして会社に行ったほうが、体が硬直しないので腰にはいいそうです。

ネコ背もだいぶよくなって、背すじがまっすぐ伸びるようになりました。確かに、姿勢がよくなってからは ギックリ腰 も起こっていません。私の職場は、いつも重い物を持ったり運んだりしています。ですから、腰に負担がかかり、会社の人はみんな腰痛持ちです。中腰にすると多少痛みがある日もあります。そんな環境でも、 くの字ストレッチ のおかげで、ここ数年間 ギックリ腰 が起こっていないのは感謝です。

腰痛 のつらさはなった人にしかわかりませんが、同じ姿勢を続けるのが一番こたえます。

体は、正しく使っていれば、どこも痛くならないし、調子が悪くなることもありません。

私がそれに気付いたのは、かつて、林業の仕事に携わっていたときでした。チェーンソーを担いで山を切り開き、何百本もの木の苗を背負って山道を登り、植林をする重労働です。

膝が曲がると猫背になる

このきつい仕事を、涼しい顔でサッサと手際よくやる職人が何人かいました。なかには、小柄で細い体格の人もいましたが、彼らは皆、疲労が少なく、ケガもしません。

不思議に思った私は、職人たちの動きをよく観察するようになりました。その後、整体を学ぶようになり、その遠いがわかってきました。

彼らは誰もが太ももの裏側の筋肉が柔らかく、太もも裏を伸ばすことによって、 ひざ裏 を柔軟に使っていたのです。

ひざ がいつも曲がっている状態だと、 太もも の裏側の 筋肉 がうまく使えません。太ももの裏側の筋肉とは、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋からなる筋肉群のことで、ハムストリングスとも呼ばれます。

ひざを曲げたり、股関節を伸ばしたりするときに使い、姿勢を維持したり、歩いたりする動きに関係する重要な筋肉です。

ひざが曲がり、太もも真の筋肉が硬くて伸びないと、骨盤は下に引っ張られ、後ろに傾きます。すると、お尻が下がって腰が前に出て、背中が前屈みになります。これがネコ背です。

ネコ背になると、肩甲骨が広がって、肩が前に出ます。 すると、胸郭は押しっぶされ、肺は空気を取り込みにくくなり、呼吸が浅くなります。

呼吸が浅くなると、血液やリンパ(体内の老廃物や毒素、余分な水分を運び出す体液)の流れが滞り、免疫力が低下していきます。ストレスにも弱くなり、うつ病など、心の病にもなりやすいのです。そこで、私が勧めているのが 「 くの字ストレッチ 」 です。

これは、太ももの裏を伸ばすことによってひざ裏を柔軟にして骨盤を正しい位置に整える体操です。<

ぎっくり腰の人がその場で歩いて帰れた

実は、くの字ストレッチは、私が整体をするときに、いちばん疲れない姿勢を体操にしたものです。やり方は、上体を前に倒して、上下に動かすだけなので、誰でも簡単にできるし、場所も取りません。しかも行うのは、1日にたったの1分です。 注意点は、2つあります。1つは、体を前に倒したとき、できるだけお尻を後ろに突き出し、かかとに垂心をかけること。

これが最も、体が安定する姿勢で、どんなに押されても転びません。 2つ目は、骨盤から背中、首までを1枚の板のようにイメージして体を動かすこと。この姿勢によって、太もも真の筋肉を伸ばします。この2点に注意して、体をリズミカルに動かしてください。l分間に100回を目標に、最初は20~30回から始めるといいでしょう。

筋肉は、使っていないと縮む一方で、伸びなくなってしまいます。この体操は、太ももの裏を伸ばすことによって、ひざ裏を柔軟にして、元の弾力のある状態に戻す体操です。最初は、ひざ裏やふくらはぎが突っ張って痛いでしょうが、そのうち、太もも真の上のほうが突っ張ってきます。これが、「太ももの裏が伸びた」感覚です。

くの字ストレッチをすると、首、肩、腰、ひざの痛みはもちろんのこと、ネコ背が改善して姿勢がよくなります。片頭痛や耳鳴り、うつ症状が改善した人もいました。また、おなかがへこむなど、やせる効果も期待できます。続けるうちにO脚が治った人もいました。 太ももの内側と外側のバランスが整うので、足の形がきれいになるのです。ギックリ腰で来た人が、この体操をした後、スタスタ歩いて帰ったこともあります。くの字ストレッチができるようになったら、歩いたり、しやがんだりするときの日常の動きでも、ひざ裏を柔軟に使ってください。そうすれば、腰やひざに負担がかからず、痛み知らずで軽快な体に必ずなります。

くの字ストレッチ のやり方

  1. 足を腰幅より広めに開く。足先は平行に。
  2. 股関節から上体を前に倒しながらおしりを後ろに突き出す。
  3. 手をひざ、または太ももの上にのせて太ももの裏側のハリを維持したままひざを少しだけ曲げる。
  4. 骨盤、背中、首が1枚の板になったようにイメージして股関節から上半身を上下に細かく動かす。これを1分間に100回行う。